国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した2022年度のトウモロコシ生産量ランキングによると、1位はアメリカ合衆国で348,750,930トン、2位は中国で277,203,000トン、3位はブラジルで109,420,717トンとなっています。日本は162トンと非常に少なく、全体の中で157位にランクされています。世界のトウモロコシ生産量において上位10カ国が占める割合が大きく、特にアメリカと中国の影響が顕著であるといえます。
順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
---|---|---|---|
1 | アメリカ合衆国 | 北アメリカ | 348,750,930 |
2 | 中国 | アジア | 277,203,000 |
3 | ブラジル | 南アメリカ | 109,420,717 |
4 | アルゼンチン | 南アメリカ | 59,037,179 |
5 | インド | アジア | 33,729,540 |
6 | メキシコ | 南アメリカ | 26,625,694 |
7 | ウクライナ | ヨーロッパ | 26,186,930 |
8 | インドネシア | アジア | 23,564,000 |
9 | 南アフリカ | アフリカ | 16,137,000 |
10 | ロシア連邦 | ヨーロッパ | 15,862,434 |
11 | カナダ | 北アメリカ | 14,538,878 |
12 | ナイジェリア | アフリカ | 12,948,920 |
13 | フランス | ヨーロッパ | 10,877,190 |
14 | エチオピア | アフリカ | 10,200,000 |
15 | パキスタン | アジア | 10,183,109 |
16 | トルコ | アジア | 8,500,000 |
17 | ポーランド | ヨーロッパ | 8,344,890 |
18 | フィリピン | アジア | 8,255,610 |
19 | ルーマニア | ヨーロッパ | 8,037,130 |
20 | エジプト | アフリカ | 7,500,000 |
21 | パラグアイ | 南アメリカ | 6,191,650 |
22 | タンザニア連合共和国 | アフリカ | 5,900,000 |
23 | タイ | アジア | 4,895,904 |
24 | イタリア | ヨーロッパ | 4,697,170 |
25 | ベトナム | アジア | 4,423,186 |
26 | セルビア | ヨーロッパ | 4,283,293 |
27 | バングラデシュ | アジア | 4,261,845 |
28 | マリ | アフリカ | 3,904,687 |
29 | ドイツ | ヨーロッパ | 3,837,400 |
30 | マラウイ | アフリカ | 3,717,000 |
31 | スペイン | ヨーロッパ | 3,590,260 |
32 | ガーナ | アフリカ | 3,255,718 |
33 | ネパール | アジア | 3,106,397 |
34 | アンゴラ | アフリカ | 3,089,902 |
35 | ケニア | アフリカ | 3,087,000 |
36 | ウガンダ | アフリカ | 2,800,000 |
37 | ハンガリー | ヨーロッパ | 2,765,600 |
38 | ザンビア | アフリカ | 2,706,243 |
39 | ブルガリア | ヨーロッパ | 2,554,370 |
40 | 朝鮮民主主義人民共和国 | アジア | 2,300,000 |
41 | コンゴ民主共和国 | アフリカ | 2,283,672 |
42 | カメルーン | アフリカ | 2,200,000 |
43 | オーストリア | ヨーロッパ | 2,113,960 |
44 | ミャンマー | アジア | 2,100,000 |
45 | モザンビーク | アフリカ | 1,951,981 |
46 | グアテマラ | 南アメリカ | 1,950,000 |
47 | コロンビア | 南アメリカ | 1,921,177 |
48 | ブルキナファソ | アフリカ | 1,810,276 |
49 | クロアチア | ヨーロッパ | 1,641,890 |
50 | エクアドル | 南アメリカ | 1,641,131 |
51 | ベナン | アフリカ | 1,619,605 |
52 | ペルー | 南アメリカ | 1,611,786 |
53 | ジンバブエ | アフリカ | 1,500,000 |
54 | ベネズエラ (ボリバル共和国) | 南アメリカ | 1,352,568 |
55 | ギリシャ | ヨーロッパ | 1,340,950 |
56 | コートジボワール | アフリカ | 1,199,340 |
57 | カンボジア | アジア | 1,163,000 |
58 | カザフスタン | アジア | 1,098,041 |
59 | ボスニア・ヘルツェゴビナ | ヨーロッパ | 987,215 |
60 | ボリビア (多民族国家) | 南アメリカ | 985,621 |
61 | ベラルーシ | ヨーロッパ | 975,000 |
62 | トーゴ | アフリカ | 957,047 |
63 | エルサルバドル | 南アメリカ | 840,000 |
64 | ギニア | アフリカ | 814,706 |
65 | セネガル | アフリカ | 787,750 |
66 | モルドバ共和国 | ヨーロッパ | 752,300 |
67 | キルギスタン | アジア | 732,633 |
68 | ポルトガル | ヨーロッパ | 717,990 |
69 | ホンジュラス | 南アメリカ | 683,724 |
70 | スロバキア | ヨーロッパ | 683,700 |
71 | ウズベキスタン | アジア | 656,414 |
72 | チェコ | ヨーロッパ | 639,470 |
73 | チリ | 南アメリカ | 608,006 |
74 | シリア・アラブ共和国 | アジア | 535,715 |
75 | ベルギー | ヨーロッパ | 500,390 |
76 | イラク | アジア | 496,003 |
77 | ラオス人民民主共和国 | アジア | 462,810 |
78 | ルワンダ | アフリカ | 458,522 |
79 | オーストラリア | オセアニア | 430,000 |
80 | アルバニア | ヨーロッパ | 401,419 |
81 | ニカラグア | 南アメリカ | 380,992 |
82 | チャド | アフリカ | 363,985 |
83 | アフガニスタン | アジア | 311,000 |
84 | イラン(イスラム共和国) | アジア | 300,000 |
85 | ブルンジ | アフリカ | 280,000 |
86 | スロベニア | ヨーロッパ | 277,820 |
87 | アゼルバイジャン | アジア | 269,600 |
88 | ウルグアイ | 南アメリカ | 265,974 |
89 | スリランカ | アジア | 259,040 |
90 | タジキスタン | アジア | 220,000 |
91 | 南スーダン | アフリカ | 219,300 |
92 | マダガスカル | アフリカ | 215,000 |
93 | 中央アフリカ共和国 | アフリカ | 214,384 |
94 | 中国、台湾 中国省 | アジア | 212,553 |
95 | ニュージーランド | オセアニア | 188,249 |
96 | ハイチ | 南アメリカ | 185,000 |
97 | オランダ | ヨーロッパ | 176,900 |
98 | キューバ | 南アメリカ | 167,054 |
99 | グルジア | アジア | 152,900 |
100 | 北マケドニア | ヨーロッパ | 146,980 |
101 | エスワティニ | アフリカ | 127,000 |
102 | スイス | ヨーロッパ | 125,317 |
103 | パナマ | 南アメリカ | 120,000 |
104 | ベリーズ | 南アメリカ | 110,652 |
105 | リトアニア | ヨーロッパ | 99,790 |
106 | ナミビア | アフリカ | 98,824 |
107 | 東ティモール | アジア | 87,000 |
108 | 大韓民国 | アジア | 86,278 |
109 | ソマリア | アフリカ | 75,000 |
110 | レソト | アフリカ | 72,096 |
111 | マレーシア | アジア | 63,155 |
112 | ドミニカ共和国 | 南アメリカ | 62,825 |
113 | デンマーク | ヨーロッパ | 60,690 |
114 | サウジアラビア | アジア | 58,500 |
115 | イスラエル | アジア | 50,018 |
116 | ガボン | アフリカ | 44,957 |
117 | ボツワナ | アフリカ | 40,000 |
118 | イエメン | アジア | 40,000 |
119 | モロッコ | アフリカ | 35,783 |
120 | ブータン | アジア | 25,981 |
121 | シエラレオネ | アフリカ | 25,000 |
122 | スーダン | アフリカ | 24,084 |
123 | アラブ首長国連邦 | アジア | 23,031 |
124 | オマーン | アジア | 22,161 |
125 | クウェート | アジア | 21,690 |
126 | ギニアビサウ | アフリカ | 20,328 |
127 | エリトリア | アフリカ | 20,000 |
128 | ガンビア | アフリカ | 19,523 |
129 | コモロ | アフリカ | 19,186 |
130 | モーリタニア | アフリカ | 17,896 |
131 | コンゴ | アフリカ | 13,000 |
132 | パプアニューギニア | オセアニア | 12,627 |
133 | スウェーデン | ヨーロッパ | 12,200 |
134 | トルクメニスタン | アジア | 11,629 |
135 | アルジェリア | アフリカ | 11,371 |
136 | ニジェール | アフリカ | 9,333 |
137 | コスタリカ | 南アメリカ | 6,706 |
138 | アルメニア | アジア | 5,154 |
139 | トリニダード・トバゴ | 南アメリカ | 5,000 |
140 | ニューカレドニア | オセアニア | 4,242 |
141 | ガイアナ | 南アメリカ | 4,000 |
142 | リビア | アフリカ | 3,957 |
143 | レバノン | アジア | 3,000 |
144 | モンテネグロ | ヨーロッパ | 2,631 |
145 | ジャマイカ | 南アメリカ | 2,426 |
146 | カタール | アジア | 2,341 |
147 | フィジー | オセアニア | 1,685 |
148 | バヌアツ | オセアニア | 926 |
149 | ルクセンブルク | ヨーロッパ | 910 |
150 | セントビンセントおよびグレナディーン諸島 | 南アメリカ | 871 |
151 | モーリシャス | アフリカ | 823 |
152 | バハマ | 南アメリカ | 608 |
153 | サントメ・プリンシペ | アフリカ | 532 |
154 | グレナダ | 南アメリカ | 386 |
155 | カーボベルデ | アフリカ | 222 |
156 | ドミニカ | 南アメリカ | 192 |
157 | 日本 | アジア | 162 |
158 | モルディブ | アジア | 147 |
159 | ミクロネシア連邦 | オセアニア | 89 |
160 | バルバドス | 南アメリカ | 51 |
161 | スリナム | 南アメリカ | 26 |
162 | ジブチ | アフリカ | 18 |
163 | プエルトリコ | 南アメリカ | 18 |
164 | アンティグア・バーブーダ | 南アメリカ | 16 |
2022年度のトウモロコシ生産量のデータを見ると、アメリカ合衆国が圧倒的な1位であり、同国が世界最大のトウモロコシ生産国であることを改めて確認できます。アメリカの生産量、348,750,930トンは全体における顕著な比率を占めており、食糧供給やバイオエタノールの生産など、同国の経済基盤におけるトウモロコシ産業の重要性がうかがえます。一方で、2位の中国は277,203,000トンと高水準を維持していますが、その主な用途が国内消費、特に家畜飼料や食品としての利用に集中している点が特徴です。3位のブラジルは109,420,717トンと続き、南米における穀物生産のリーダーとしての地位を築いています。
日本の生産量は162トン、世界157位という結果で、国内の需要はほぼ輸入に依存していることが改めて明らかになりました。これは日本の地理的制約や農業生産の重点が稲作や果樹などに向いていることが背景にあります。加えて、土地の利用効率や気候条件もトウモロコシ生産には不向きであると言えます。他方、大韓民国(韓国)は86,278トン(108位)と日本を上回る結果となっていますが、これもまた国内消費を賄いきれず輸入に頼る現状があります。
地政学的背景を考慮すると、ウクライナ(26,186,930トン、7位)の特筆すべき状況が浮かび上がります。同国は伝統的に欧州圏へのトウモロコシ供給を担う重要な産業拠点ですが、最近の地域紛争が農業生産と輸出の安定性に影響を与えています。特に2022年以降の地政学的リスクの高まりにより、グローバルな供給バランスが崩れる可能性が懸念されています。さらに、気候変動による天候不順が収穫量や輸出量に与える影響も無視できません。
このデータから、未来を見据えた幾つかの課題が浮かび上がります。例えば、人口が急増している新興国や食料安全保障の脆弱な国が増える中で、トウモロコシの需要は今後さらに拡大する可能性があります。これらの国々では、輸入への依存度がますます高まり、価格変動や供給不足に伴うリスクが顕在化することが予想されます。一方、大量生産を進める国々では、環境への負荷削減や、持続可能な農業手法の推進が重要課題として挙げられます。
具体的な対策としては、技術革新による農作物の収穫効率向上や、地域を越えた協力体制の確立が必要です。例えば、気候変動の下でも高収量を維持できる品種開発や、適応型農業技術の導入が求められます。また、農業用水管理の効率化や、国際機関による食糧供給ネットワークの構築も検討すべきでしょう。輸入依存が高い日本においても、国内農産物の多様化による自給率の向上と、安定した供給網の確保が求められます。
総じて、トウモロコシ生産の現状は一部の国に生産が集中し、需要の多様性が広がる世界の課題を表しています。将来的には、持続可能な農業政策の推進や、食料供給問題に対応した国際的取り組みの強化が鍵となるでしょう。このデータをもとに、各国が共同で課題解決の道を探ることが重要です。