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アルジェリアのトウモロコシ生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによれば、アルジェリアのトウモロコシ生産量は2021年に過去最高の18,491トンを記録した後、2022年には11,371トンに減少しました。アルジェリアの生産量は1960年代から大きく変動しており、近年の成長は目覚ましい反面、依然として一貫性に課題があります。これらの変化は地政学的背景や農業政策、さらには気候条件といった要因と密接に関連していると見られます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 12,000
5.53% ↑
2022年 11,371
-38.5% ↓
2021年 18,491
474.08% ↑
2020年 3,221
-49.42% ↓
2019年 6,368
15.53% ↑
2018年 5,512
109.26% ↑
2017年 2,634
-28.55% ↓
2016年 3,687
31.94% ↑
2015年 2,794
8.63% ↑
2014年 2,572
106.59% ↑
2013年 1,245
-29.06% ↓
2012年 1,755
205.22% ↑
2011年 575
60.17% ↑
2010年 359
-37.57% ↓
2009年 575
-43.35% ↓
2008年 1,015
-38.26% ↓
2007年 1,644
-33.06% ↓
2006年 2,456
113.94% ↑
2005年 1,148
69.07% ↑
2004年 679
-30.78% ↓
2003年 981
17.2% ↑
2002年 837
-23% ↓
2001年 1,087
-30.14% ↓
2000年 1,556
189.76% ↑
1999年 537
73.23% ↑
1998年 310
20.62% ↑
1997年 257
-42.38% ↓
1996年 446
6.44% ↑
1995年 419
126.49% ↑
1994年 185
-17.78% ↓
1993年 225
-66.01% ↓
1992年 662
32.4% ↑
1991年 500
116.45% ↑
1990年 231
-90.38% ↓
1989年 2,400
20% ↑
1988年 2,000
-6.1% ↓
1987年 2,130
47.71% ↑
1986年 1,442
14.81% ↑
1985年 1,256
-76.4% ↓
1984年 5,321
90.04% ↑
1983年 2,800
95.26% ↑
1982年 1,434
-37.02% ↓
1981年 2,277
54.06% ↑
1980年 1,478
71.86% ↑
1979年 860
-12.6% ↓
1978年 984
-50.92% ↓
1977年 2,005
-27.41% ↓
1976年 2,762
-58.89% ↓
1975年 6,718
56.41% ↑
1974年 4,295
-19.61% ↓
1973年 5,343
13.3% ↑
1972年 4,716
-6.65% ↓
1971年 5,052
-21.53% ↓
1970年 6,438
4.67% ↑
1969年 6,151
-7.79% ↓
1968年 6,671
58.27% ↑
1967年 4,215
22.53% ↑
1966年 3,440
-17.7% ↓
1965年 4,180
-28.42% ↓
1964年 5,840
43.52% ↑
1963年 4,069
50.7% ↑
1962年 2,700
-52.54% ↓
1961年 5,689 -

アルジェリアのトウモロコシ生産量は、1960年代の比較的低水準で安定していた一方、1970年代後半から1990年代にかけては大幅な減少傾向を見せました。この期間、内戦や農業政策の不安定さ、乾燥した気候条件などが生産を大きく圧迫したと推察されます。具体的には、1990年から1995年にかけては特に低い水準に留まり、1993年にはわずか225トンを記録しました。このような低生産量は、食料安全保障において深刻な影響を与える要因となりました。

2000年代以降、生産量は徐々に回復し始め、特に2010年代後半からは再び上昇基調に転じています。この間、政府による農業への支援や灌漑技術の導入が進み、生産性の向上につながったことが背景に挙げられます。例えば、2018年には5,512トン、2019年には6,368トンと増加を見せました。これらの成果は、アルジェリアが輸入に依存せず自給率を向上させるための努力を示しています。

2021年には18,491トンという過去最高の生産量を記録しましたが、翌2022年には11,371トンへと減少しました。急増後の減少は異常気象への脆弱性や農業インフラの限界を示しており、持続可能な生産体制構築の必要性が浮き彫りとなっています。地中海性気候に位置するアルジェリアは、雨量の不足や砂漠化の進行など、気候変動への対策が今後の主要課題となります。

アルジェリアのトウモロコシ生産量の変化は、地域の地政学的背景とも密接に関連しています。農業への水資源配分や土地利用計画といった内部要因に加え、近隣諸国との水資源争奪や異常気象の広がりが生産に影響を与えています。また、国際市場の需要や価格の変動も、生産動向に影響を及ぼしています。

他地域の事例と比較すると、日本や韓国といったアジア諸国は国内生産が限定的である一方、大規模な輸入農業に依存しています。これに対し、アルジェリアは国内での生産を増やし、輸入コストを抑える政策を取る傾向にあります。しかし、アメリカやインドといった主要なトウモロコシ生産国と比較すると、アルジェリアの生産規模は非常に小さく、国際市場での競争力には限界があります。

未来に向けた具体的な対策として、まずは農業技術の近代化をさらに推進し、灌漑や土壌管理の効率を高める必要があります。また、持続可能な生産を可能にするためには、気候変動への対応策として干ばつ耐性の高い作物品種の導入や、スマート農業技術(データ駆動型管理)を活用した省リソース型の農業運営が鍵となるでしょう。さらに、政府間協力や国際的な支援により、輸出競争力を高めるためのノウハウや投資を調達していくことが求められます。

結論として、アルジェリアのトウモロコシ生産量には、国内外の政策や経済、気候条件など複合的な要因が影響を与えています。今後、生産拡大と安定供給を両立するためには、より包括的なアプローチによる長期的施策が必要不可欠です。これにより、アルジェリアは国内の食料安全保障をさらに強化し、経済的自立を図る道筋を築いていけるでしょう。