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カーボベルデのトウモロコシ生産量推移(1961年~2023年)

カーボベルデにおけるトウモロコシ生産量は、1961年から現在に至るまで大きな変動を見せています。過去最高は1999年の36,439トンでしたが、その後は全体的に減少傾向が続き、2022年にはわずか222トンにまで落ち込んでいます。特に近年では、気候変動や干ばつなどの影響が深刻化し、生産量の低迷が顕著となっています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 464
109.39% ↑
2022年 222
-50.65% ↓
2021年 449
3.94% ↑
2020年 432
-32.5% ↓
2019年 640
-11.04% ↓
2018年 719
17885% ↑
2017年 4
-99.93% ↓
2016年 5,642
-34.98% ↓
2015年 8,677
714.74% ↑
2014年 1,065
-81.59% ↓
2013年 5,785
-3.6% ↓
2012年 6,001
7.76% ↑
2011年 5,569
-20.97% ↓
2010年 7,047
-4.55% ↓
2009年 7,383
-8.16% ↓
2008年 8,039
81.67% ↑
2007年 4,425
-30.62% ↓
2006年 6,378
74.84% ↑
2005年 3,648
-63.52% ↓
2004年 10,000
-17.72% ↓
2003年 12,154
139.87% ↑
2002年 5,067
-74.08% ↓
2001年 19,549
-19.69% ↓
2000年 24,341
-33.2% ↓
1999年 36,439
646.24% ↑
1998年 4,883
-0.35% ↓
1997年 4,900
-51.91% ↓
1996年 10,190
24.79% ↑
1995年 8,166
0.04% ↑
1994年 8,163
-31.33% ↓
1993年 11,888
15.81% ↑
1992年 10,265
24.3% ↑
1991年 8,258
-27.68% ↓
1990年 11,418
17.54% ↑
1989年 9,714
-41.15% ↓
1988年 16,507
-22.07% ↓
1987年 21,182
74.51% ↑
1986年 12,138
817.46% ↑
1985年 1,323
-47.6% ↓
1984年 2,525
-6.48% ↓
1983年 2,700
-38.64% ↓
1982年 4,400
46.67% ↑
1981年 3,000
-64.71% ↓
1980年 8,500
41.67% ↑
1979年 6,000
500% ↑
1978年 1,000
-33.33% ↓
1977年 1,500
-70% ↓
1976年 5,000
25% ↑
1975年 4,000
81.82% ↑
1974年 2,200
208.12% ↑
1973年 714
24.17% ↑
1972年 575
-36.81% ↓
1971年 910
-1.52% ↓
1970年 924
-86.8% ↓
1969年 7,000
-36.36% ↓
1968年 11,000
-50% ↓
1967年 22,000
15.79% ↑
1966年 19,000
11.76% ↑
1965年 17,000
30.77% ↑
1964年 13,000 -
1963年 13,000 -
1962年 13,000 -
1961年 13,000 -

国連食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、カーボベルデのトウモロコシ生産量は1961年から続く長期的な観測の中で、1960年代から1980年代初頭までは13,000~22,000トン程度の安定した生産量を見せる時期がありました。しかし、それ以降は激しい上下動が特徴的で、本格的な減少傾向が見られるようになります。

特に1999年の36,439トンという過去最高の生産量をピークに、その後は20,000トンを下回ることが多くなり、直近では2022年の222トンと、目を見張るほど急峻な低下を見せています。この期間における減少の主因としては、周期的な干ばつや気候変動に伴う降水量の不足が挙げられるでしょう。カーボベルデはアフリカ大陸西岸沖合の島国であり、水源が乏しく灌漑インフラが十分に整備されていないため、気候条件に農業が大きく依存していることがこの問題をさらに深刻化させています。また、土地の過剰利用や土壌劣化も収穫量に影響を及ぼしていると考えられます。

国際的な視点で見ても、カーボベルデのトウモロコシ生産の低迷は特に際立っています。アフリカ地域全体では、技術の普及や生産性向上により、多くの国が生産量を増加させている一方で、カーボベルデのように気候条件の制約を受けやすい島国では十分な対策が講じられてこなかったことが顕著です。たとえば、ニジェールやマリといったサヘル地域の国々でも似たような気候条件が見られる中、彼らは外部援助や技術支援を受けて灌漑や種子の改良を行い、生産量の一定の安定化を実現しています。

直近のデータで特に目立つのは、2017年のわずか4トンまでの急落です。この史上最低の生産量は、気候変動だけでなく、政策的な対応の不足や地域の技術力の欠如が原因であると分析されています。その後も2022年に至るまで、500トン未満の厳しい状況が続いており、この間に抜本的な改善が図られていなかったことがわかります。

今後、カーボベルデが抱えるこの問題に対抗するためには、まず早急な灌漑インフラの整備が必要です。限られた水資源を効率的に活用できる技術の導入、例えば、点滴灌漑(少量の水を効率的に作物に供給する技術)の普及が優先されるべきです。また、乾燥気候に適応可能な高耐性品種の導入も重要です。これは、国際的な農業研究機関や近隣諸国との協力を通じて実現することが期待されます。

さらに、長期的には持続可能な農業の推進が必要とされます。土地の利用過多による土壌劣化を防ぐため、土地休閑制度や輪作の導入などの土壌保全策を進めるべきです。また、地元の農家への教育や支援を通じて、先進的な農業技術の普及を図ることも不可欠です。

地域的な不安定要素も考慮すべきです。たとえば、アフリカ大陸周辺での資源争奪や地政学的なリスクが農業政策への投資を妨げる要因となることがあります。さらに、新型コロナウイルスのような感染症の流行は、農業従事者不足や輸送網への影響を通じて、さらに生産量を減少させる可能性があります。これを防ぐためにも、外部への依存を減らし、地域の独立性を高める自給自足型の農業モデルの構築が求められます。

結局のところ、現在のような低迷を脱するためには、カーボベルデ政府だけでなく、国際機関やNGOによる支援も不可欠です。気候変動に強い農業インフラの構築、知識や技術の共有による能力向上、地域間協力の枠組みの強化を軸に、トウモロコシ生産の復興に取り組むべきです。この取り組みは単に農業復興だけでなく、カーボベルデ全体の経済発展、さらには食料安全保障を強化する大きな契機となるでしょう。