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コロンビアのトウモロコシ生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、2022年におけるコロンビアのトウモロコシ生産量は1,921,177トンまで成長しました。過去60年以上のデータを基に分析すると、生産量は長期間にわたって変動を繰り返しつつも、2000年代以降に一貫して増加傾向を見せています。特に2022年の生産量は、前年度より約24%増加しており、新たなピークを迎えています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 1,949,538
1.48% ↑
2022年 1,921,177
23.87% ↑
2021年 1,551,016
11.35% ↑
2020年 1,392,895
-0.14% ↓
2019年 1,394,863
1.2% ↑
2018年 1,378,368
3.65% ↑
2017年 1,329,856
2.68% ↑
2016年 1,295,089
-11.96% ↓
2015年 1,471,026
-18.41% ↓
2014年 1,803,039
1.35% ↑
2013年 1,779,069
-5.01% ↓
2012年 1,872,855
8.9% ↑
2011年 1,719,795
20.95% ↑
2010年 1,421,868
-8.87% ↓
2009年 1,560,347
-9.63% ↓
2008年 1,726,546
-0.39% ↓
2007年 1,733,290
13.2% ↑
2006年 1,531,145
-3.6% ↓
2005年 1,588,316
-2.15% ↓
2004年 1,623,214
7.22% ↑
2003年 1,513,950
19.82% ↑
2002年 1,263,544
6.01% ↑
2001年 1,191,901
-1.04% ↓
2000年 1,204,471
24.02% ↑
1999年 971,202
28.71% ↑
1998年 754,578
-22.84% ↓
1997年 977,911
1.14% ↑
1996年 966,922
-5.18% ↓
1995年 1,019,716
-12.18% ↓
1994年 1,161,090
2.77% ↑
1993年 1,129,752
7.02% ↑
1992年 1,055,670
-17.11% ↓
1991年 1,273,600
4.97% ↑
1990年 1,213,300
16.24% ↑
1989年 1,043,800
14.98% ↑
1988年 907,800
5.61% ↑
1987年 859,600
9.07% ↑
1986年 788,100
3.34% ↑
1985年 762,600
-11.77% ↓
1984年 864,312
0.06% ↑
1983年 863,800
-3.86% ↓
1982年 898,500
2.1% ↑
1981年 880,000
3.1% ↑
1980年 853,560
-1.91% ↓
1979年 870,200
0.93% ↑
1978年 862,200
14.53% ↑
1977年 752,800
-14.81% ↓
1976年 883,700
22.29% ↑
1975年 722,600
-8.7% ↓
1974年 791,500
7.09% ↑
1973年 739,100
-8.32% ↓
1972年 806,200
-1.5% ↓
1971年 818,500
-6.65% ↓
1970年 876,800
0.49% ↑
1969年 872,500
-1.52% ↓
1968年 886,000
4.24% ↑
1967年 850,000 -
1966年 850,000
-2.38% ↓
1965年 870,755
-10.05% ↓
1964年 968,000
23.85% ↑
1963年 781,593
3.67% ↑
1962年 753,900
-0.48% ↓
1961年 757,531 -

コロンビアにおけるトウモロコシ生産量は、1960年代から安定した水準で推移していましたが、主に1990年代以降の農業政策や技術革新を背景に顕著な成長を遂げています。1990年以降、この生産量データは持続的に改善を示しており、特に2000年代初頭からの急速な増加がトウモロコシを同国の農業の重要な一部に位置付ける要因となっています。

2022年の生産量1,921,177トンは、過去最高記録であり、同国のトウモロコシ市場が新たな発展段階を迎えていることを示唆しています。この成長の要因としては、多収量品種の採用、政府による農業支援策、灌漑設備の拡充が挙げられます。また、国内および国際的な需要の増加も、生産増加の原動力として見逃せません。一方、2015年以降の数年間では、生産量が減少する傾向がみられたため、この間に気候条件の変動や農業への投資減少があった可能性を推測できます。

過去のデータと比較した場合、コロンビアのトウモロコシ生産量の大幅な変動は、地域の地政学的背景や自然災害とも関連しています。特に国内の治安状況の改善と和平プロセスが農地の活用を可能にした点は重要です。また、新型コロナウイルス感染症の影響下でも、生産が大きな打撃を受けることなく持続できた点は注目に値します。

世界的な視点から見れば、コロンビアのトウモロコシ生産量は依然として他の主要なトウモロコシ生産国、例えばアメリカ、中国、ブラジルと比較して圧倒的に少ない水準です。これらの国々は年間2億トン前後を生産しており、コロンビアの生産量はその1%未満に過ぎません。ただし、中南米における地域内比較では、コロンビアはトウモロコシの重要な生産国として認識されるようになっています。

課題として、気候変動の深刻化による干ばつや洪水などのリスクが挙げられます。また、農業インフラの不足や輸送コストの高さも、生産者にとって大きな負担となっています。さらに、国内需要の増加に対して供給が追いつかないため、一部の需要を輸入で賄う必要があることも問題点として浮上しています。

これを乗り越えるための対策として、以下の提案が考えられます。まず、気候変動への適応能力を高めるために、より持続可能な農業技術を導入することが重要です。特に、耐気候性の高い作物品種の研究・開発を進めることが求められます。また、物流インフラや貯蔵施設を改善し、市場への供給力を向上させる必要があります。さらに、教育やトレーニングを通じて農業従事者の技術力を向上させることも、国家全体の競争力を高める一助となるでしょう。

今後は政府の継続的な支援と民間セクターの参入促進が、コロンビアが安定したトウモロコシ供給国として国内外での地位を確立するための鍵となるでしょう。また、地域間での協力や国際援助を活用することで、より効率的で持続可能なトウモロコシ生産が期待されます。これにより、農業部門がコロンビアの経済成長にさらなる貢献を果たすことが可能となるでしょう。