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インドネシアのトウモロコシ生産量推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)の最新データによると、インドネシアのトウモロコシ生産量は長期的には顕著な増加傾向を示してきましたが、近年は大きな変動も見られる状況です。特に1960年代から2018年までの間、ほぼ一貫して生産量が増加し、2018年には30,253,938トンに達しています。しかし、2020年には16,926,000トンに減少するなど、天候や政策、経済状況の影響を受けている可能性があります。2022年時点では再び23,564,000トンまで回復していますが、今後の安定的な生産拡大にはいくつかの課題が存在します。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 19,985,653
-15.19% ↓
2022年 23,564,000
38.47% ↑
2021年 17,017,000
0.54% ↑
2020年 16,926,000
-13.86% ↓
2019年 19,650,000
-35.05% ↓
2018年 30,253,938
4.6% ↑
2017年 28,924,015
22.67% ↑
2016年 23,578,413
20.22% ↑
2015年 19,612,435
3.18% ↑
2014年 19,008,426
2.68% ↑
2013年 18,511,853
-4.51% ↓
2012年 19,387,022
9.88% ↑
2011年 17,643,250
-3.73% ↓
2010年 18,327,636
3.96% ↑
2009年 17,629,740
8% ↑
2008年 16,323,922
22.85% ↑
2007年 13,287,527
14.45% ↑
2006年 11,609,463
-7.3% ↓
2005年 12,523,894
11.57% ↑
2004年 11,225,243
3.11% ↑
2003年 10,886,442
13.57% ↑
2002年 9,585,277
2.55% ↑
2001年 9,347,200
-3.41% ↓
2000年 9,677,000
5.14% ↑
1999年 9,204,036
-9.49% ↓
1998年 10,169,488
15.95% ↑
1997年 8,770,851
-5.76% ↓
1996年 9,307,423
12.87% ↑
1995年 8,245,902
20.05% ↑
1994年 6,868,880
6.33% ↑
1993年 6,459,737
-19.21% ↓
1992年 7,995,459
27.81% ↑
1991年 6,255,906
-7.1% ↓
1990年 6,734,028
8.74% ↑
1989年 6,192,512
-6.91% ↓
1988年 6,651,917
29.02% ↑
1987年 5,155,680
-12.92% ↓
1986年 5,920,374
36.74% ↑
1985年 4,329,503
-18.12% ↓
1984年 5,287,825
3.95% ↑
1983年 5,086,875
57.25% ↑
1982年 3,234,825
-28.26% ↓
1981年 4,509,302
12.99% ↑
1980年 3,990,939
10.69% ↑
1979年 3,605,535
-10.51% ↓
1978年 4,029,200
28.21% ↑
1977年 3,142,650
22.18% ↑
1976年 2,572,140
-11.39% ↓
1975年 2,902,890
-3.58% ↓
1974年 3,010,780
-18.4% ↓
1973年 3,689,800
63.67% ↑
1972年 2,254,380
-13.51% ↓
1971年 2,606,490
-7.74% ↓
1970年 2,825,220
23.22% ↑
1969年 2,292,880
-27.58% ↓
1968年 3,166,050
33.64% ↑
1967年 2,369,101
-36.27% ↓
1966年 3,717,400
57.22% ↑
1965年 2,364,500
-37.26% ↓
1964年 3,768,600
59.84% ↑
1963年 2,357,800
-27.29% ↓
1962年 3,242,900
42.04% ↑
1961年 2,283,100 -

インドネシアのトウモロコシ生産量を時系列で分析すると、生産量の推移にはいくつかの特徴が見られます。まず、1960年代から1980年代にかけての生産量は大きな年次変動があり、2,000,000トン台から5,000,000トン台で推移していました。特に1960年代後半や1970年代初頭には減少時期が何度かあり、この背景には天候要因、農業技術の遅れ、あるいは農業政策の未整備が影響していたと考えられます。

1980年代以降、インドネシアのトウモロコシ生産は新たな段階に入り、1983年には初めて5,000,000トンを超え、それ以降は徐々に上昇しました。1990年代には技術革新や政府支援の影響で増加幅がさらに拡大し、1998年には10,169,488トンに達しています。それ以降、特に2000年代後半以降の成長は顕著で、2008年から2018年の間には急激な増加傾向が見られ、2018年には30,253,938トンという記録的な数量を達成しました。

一方で、近年のデータには不安定さも見られます。2019年から2021年にかけて生産量は急激に落ち込み、特に2020年には16,926,000トンまで減少しました。この背景には灌漑設備の老朽化、気候変動による極端な天候、さらには新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる労働力不足や物流問題が影響を与えた可能性があります。同時に、隣国や他国との貿易摩擦や食糧価格の変動も、農家や政策立案者にとって新たな課題となりました。

2022年にはトウモロコシの生産量が23,564,000トンに回復していますが、このような増減を繰り返さないためには、いくつかの具体的な対策が必要です。第一に、高収量品種の開発支援を強化し、各地の気候条件に適応した種子の普及を進めるべきです。第二に、灌漑システムや農業機械の更新を通じて、生産効率を向上させる必要があります。特に、地形や地域ごとに異なる条件に合わせた効率的なインフラ整備が鍵となります。さらに、気候変動への対応として、農村部での気象情報提供の強化や災害に強い農業手法の導入も重要です。

また、地政学的な背景も考慮する必要があります。インドネシアを含む東南アジア地域では、土地や水資源不足が将来的な懸念事項となる可能性があります。また、トウモロコシの需要が、国内の食品供給以外に家畜飼料やバイオ燃料への転用ニーズの高まりとともに急増する中、国内外の需要を満たすためには、農業政策のさらなる改善が不可欠です。

結論として、インドネシアが今後もトウモロコシ生産で成功を収めるには、短期的には安定した政策運営や災害対応措置が必要であり、長期的には気候変動や輸出入政策との整合性を考慮した持続可能な農業モデルが必須です。国際的な協力を通じて知識と技術を共有しながら、将来的に世界の食糧安全保障へ貢献する役割も期待されています。このような取り組みにより、インドネシアのトウモロコシ生産の安定化と成長が実現すると考えられます。