世界のヤギ飼養頭数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

Food and Agriculture Organization（国際連合食糧農業機関）が発表した1987年度のヤギ飼養頭数ランキングによると、1位はインドの約1億1020万7000頭、2位は中国の約6722万頭、3位はパキスタンの約3123万5008頭でした。ランキング上位には、アジアとアフリカの国々が多く含まれており、これらの地域がヤギの飼養において世界をリードしていることが示されています。一方、日本の順位は114位で、飼養頭数はわずか4万7600頭にとどまっています。

順位	国名	地域	飼養頭数(頭)
1	インド	アジア	110,207,000
2	中国	アジア	67,220,000
3	パキスタン	アジア	31,235,008
4	イラン（イスラム共和国）	アジア	22,500,000
5	ナイジェリア	アフリカ	20,335,008
6	ソマリア	アフリカ	19,705,008
7	バングラデシュ	アジア	17,034,000
8	トルコ	アジア	13,406,000
9	ブラジル	南アメリカ	10,791,865
10	メキシコ	南アメリカ	10,441,600
11	インドネシア	アジア	10,392,874
12	タンザニア連合共和国	アフリカ	7,747,667
13	ケニア	アフリカ	7,010,100
14	ブルキナファソ	アフリカ	5,889,000
15	南アフリカ	アフリカ	5,850,000
16	モロッコ	アフリカ	5,806,900
17	チャド	アフリカ	5,693,000
18	ニジェール	アフリカ	5,547,526
19	マリ	アフリカ	5,200,000
20	ネパール	アジア	5,089,933
21	ギリシャ	ヨーロッパ	4,816,018
22	フィリピン	アジア	4,500,000
23	モンゴル	アジア	4,401,300
24	ウガンダ	アフリカ	3,900,000
25	サウジアラビア	アジア	3,356,849
26	モーリタニア	アフリカ	3,150,000
27	コンゴ民主共和国	アフリカ	3,123,810
28	アルゼンチン	南アメリカ	3,100,000
29	イエメン	アジア	3,085,000
30	スペイン	ヨーロッパ	2,850,000
31	カメルーン	アフリカ	2,678,816
32	アルジェリア	アフリカ	2,568,000
33	アフガニスタン	アジア	2,300,000
34	セネガル	アフリカ	2,217,000
35	ジンバブエ	アフリカ	2,162,000
36	ガーナ	アフリカ	1,900,876
37	アメリカ合衆国	北アメリカ	1,780,000
38	ペルー	南アメリカ	1,768,900
39	エジプト	アフリカ	1,650,000
40	ナミビア	アフリカ	1,579,985
41	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	1,507,408
42	イラク	アジア	1,500,000
43	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	1,483,100
44	ボツワナ	アフリカ	1,469,900
45	アンゴラ	アフリカ	1,450,000
46	マダガスカル	アフリカ	1,351,000
47	イタリア	ヨーロッパ	1,201,000
48	チュニジア	アフリカ	1,155,000
49	トーゴ	アフリカ	1,154,000
50	ミャンマー	アジア	1,154,000
51	中央アフリカ共和国	アフリカ	1,135,100
52	レソト	アフリカ	1,125,074
53	ハイチ	南アメリカ	1,103,000
54	モザンビーク	アフリカ	1,100,000
55	フランス	ヨーロッパ	1,089,514
56	ニュージーランド	オセアニア	1,053,955
57	ルワンダ	アフリカ	1,021,400
58	シリア・アラブ共和国	アジア	1,002,200
59	アルバニア	ヨーロッパ	979,000
60	コロンビア	南アメリカ	946,800
61	ベナン	アフリカ	927,604
62	オーストラリア	オセアニア	925,000
63	ルーマニア	ヨーロッパ	904,000
64	リビア	アフリカ	900,000
65	マラウイ	アフリカ	857,410
66	コートジボワール	アフリカ	825,000
67	ポルトガル	ヨーロッパ	800,000
68	ブルンジ	アフリカ	761,949
69	オマーン	アジア	710,000
70	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	620,000
71	チリ	南アメリカ	600,000
72	アラブ首長国連邦	アジア	535,987
73	スリランカ	アジア	502,500
74	ジブチ	アフリカ	500,000
75	ザンビア	アフリカ	478,200
76	ヨルダン	アジア	460,100
77	ブルガリア	ヨーロッパ	441,213
78	ジャマイカ	南アメリカ	440,000
79	ドミニカ共和国	南アメリカ	420,000
80	ベトナム	アジア	413,800
81	レバノン	アジア	398,530
82	ギニア	アフリカ	381,079
83	マレーシア	アジア	317,200
84	エスワティニ	アフリカ	311,738
85	エクアドル	南アメリカ	261,900
86	コンゴ	アフリカ	238,187
87	リベリア	アフリカ	238,000
88	中国、台湾 中国省	アジア	237,252
89	キプロス	アジア	230,000
90	ギニアビサウ	アフリカ	206,000
91	ガンビア	アフリカ	204,000
92	フィジー	オセアニア	189,000
93	大韓民国	アジア	165,980
94	シエラレオネ	アフリカ	143,000
95	パラグアイ	南アメリカ	129,400
96	イスラエル	アジア	126,500
97	コモロ	アフリカ	113,150
98	キューバ	南アメリカ	110,000
99	モーリシャス	アフリカ	95,000
100	ノルウェー	ヨーロッパ	91,900
101	カタール	アジア	86,531
102	ラオス人民民主共和国	アジア	82,378
103	グアドループ	南アメリカ	82,000
104	スイス	ヨーロッパ	80,800
105	カーボベルデ	アフリカ	80,000
106	タイ	アジア	79,592
107	東ティモール	アジア	79,053
108	ガボン	アフリカ	77,821
109	ガイアナ	南アメリカ	77,000
110	グアテマラ	南アメリカ	75,500
111	ドイツ	ヨーロッパ	66,003
112	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	58,000
113	ブータン	アジア	48,055
114	日本	アジア	47,600
115	クウェート	アジア	35,489
116	レユニオン	アフリカ	34,700
117	オランダ	ヨーロッパ	34,077
118	オーストリア	ヨーロッパ	30,694
119	ホンジュラス	南アメリカ	29,022
120	マルティニーク	南アメリカ	27,500
121	カナダ	北アメリカ	26,000
122	ニューカレドニア	オセアニア	17,584
123	ハンガリー	ヨーロッパ	15,603
124	バーレーン	アジア	15,500
125	トンガ	オセアニア	15,000
126	エルサルバドル	南アメリカ	14,600
127	プエルトリコ	南アメリカ	14,400
128	バハマ	南アメリカ	13,500
129	バヌアツ	オセアニア	13,000
130	ウルグアイ	南アメリカ	13,000
131	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	12,600
132	フランス領ポリネシア	オセアニア	12,369
133	セントルシア	南アメリカ	11,600
134	グレナダ	南アメリカ	11,000
135	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	9,650
136	ドミニカ	南アメリカ	9,600
137	赤道ギニア	アフリカ	7,600
138	スリナム	南アメリカ	7,075
139	ニカラグア	南アメリカ	6,500
140	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	6,500
141	パナマ	南アメリカ	6,100
142	バルバドス	南アメリカ	6,000
143	マルタ	ヨーロッパ	5,000
144	クック諸島	オセアニア	4,500
145	セーシェル	アフリカ	4,200
146	サントメ・プリンシペ	アフリカ	4,150
147	ブルネイ ダルサラーム	アジア	3,071
148	フィンランド	ヨーロッパ	2,700
149	パプアニューギニア	オセアニア	2,250
150	コスタリカ	南アメリカ	1,600
151	ベリーズ	南アメリカ	1,200
152	フランス領ギアナ	南アメリカ	1,150
153	シンガポール	アジア	500
154	中国、香港特別行政区	アジア	460
155	アイスランド	ヨーロッパ	264
156	ツバル	オセアニア	3
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1987年のヤギ飼養頭数データは、世界の農業および畜産業の動向を反映する重要な指標の一つです。このデータを通じて、各国の食糧生産のあり方や地域ごとの特徴が浮かび上がっています。特に上位3カ国であるインド、中国、パキスタンの飼養頭数が圧倒的に多いことから、これらの国々がヤギ飼養を食糧供給や農牧業の基盤として重視してきたことが伺えます。

ヤギは耐久性が高く、乾燥地帯や山地など環境条件が厳しい地域でも飼養可能であるため、アジアおよびアフリカにおける畜産業の主力種となっています。インドをはじめとした多くの発展途上国では、ヤギの乳や肉は重要な栄養源であり、農村経済においても資産価値として重視されています。一方、アメリカや日本、ヨーロッパの先進国ではヤギ飼養の比重がかなり低く、114位の日本や37位のアメリカのデータはこれを裏づけています。日本では畜産業全体において規模が小規模であり、ヤギの消費需要が限られていることがこの順位に影響していると考えられます。

課題として、世界の人口増加とそれに伴う食糧需要の高まりがヤギ飼養にも影響を与える点が挙げられます。特に、人口増加率が高いアフリカ諸国では、ヤギ飼養が農村地域の貧困削減や栄養改善における重要な役割を果たしていますが、同時に土地の過剰利用や環境劣化による持続可能性の問題も顕著に現れています。また、気候変動の進展により乾燥地帯の拡大や水資源の減少が予測される中、ヤギ飼養の効率化と適応手段の確立は今後の重要課題となります。

将来的な対策としては、まずヤギ飼養の効率的な技術導入と、飼料や水資源の最適管理が鍵となります。例えば、発展途上国においては、地域ごとの気候条件や植生に適した改良種の導入が飼養数増加に寄与する可能性があります。また、国際的な研究機関によるヤギ病害の抑制技術や疫病予防に関する支援が必要です。一方で、先進国ではヤギ乳を原料とした高付加価値な乳製品の開発や市場化が期待されます。このような取り組みを通じて、需要拡大を促進させることができるかもしれません。

さらに、政策面でも国際連携が求められます。例えば、地域ごとの土地利用管理や水分配のガイドライン策定を通じて、持続可能な飼養基盤の構築を支援する仕組みが有効です。加えて、気候変動の影響に対応するため、気象データの共有や災害時の迅速な支援体制を国際機関が先導する形で整備することも重要です。このような取り組みは、自然災害や紛争の際に特に弱い側面を持つ発展途上国の地域住民を守る上でも役立つでしょう。

最終的に、このデータから導き出される結論は、ヤギ飼養が世界の食糧システムの中で、大規模畜産とは異なる独自の重要性を持つという点です。そのため、ヤギ飼養の発展と持続可能性向上のため、国際的な協力が引き続き必要であることが明確です。FAOや関連機関が中心となり、技術移転や資源の適正管理を促進させることにより、食糧安全保障の改善と農村地域の経済安定化を同時に実現することが期待されます。