国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、2022年のウガンダのヤギ飼養頭数は16,881,480頭となり、過去60年以上にわたって顕著な増加傾向を示しています。特に、2008年以降の増加は顕著で、ヤギの飼養数が大幅に跳ね上がりました。このデータは、ウガンダにおける畜産業の成長と農村経済の重要性を示していると考えられます。
ウガンダのヤギ飼養頭数推移(1961-2022)
年度 | 飼養頭数(頭) |
---|---|
2022年 | 16,881,480 |
2021年 | 16,667,994 |
2020年 | 16,421,328 |
2019年 | 15,920,638 |
2018年 | 16,491,153 |
2017年 | 16,235,658 |
2016年 | 15,806,305 |
2015年 | 14,272,733 |
2014年 | 14,011,000 |
2013年 | 14,614,000 |
2012年 | 14,012,198 |
2011年 | 13,604,075 |
2010年 | 13,207,840 |
2009年 | 12,823,146 |
2008年 | 12,449,656 |
2007年 | 8,275,020 |
2006年 | 8,034,000 |
2005年 | 7,800,000 |
2004年 | 7,566,000 |
2003年 | 7,092,000 |
2002年 | 6,851,800 |
2001年 | 6,620,000 |
2000年 | 6,396,000 |
1999年 | 6,180,000 |
1998年 | 5,999,000 |
1997年 | 5,825,000 |
1996年 | 5,684,000 |
1995年 | 5,545,000 |
1994年 | 5,383,000 |
1993年 | 5,227,000 |
1992年 | 5,070,000 |
1991年 | 4,950,000 |
1990年 | 4,710,000 |
1989年 | 4,480,000 |
1988年 | 4,170,000 |
1987年 | 3,900,000 |
1986年 | 3,640,000 |
1985年 | 3,710,000 |
1984年 | 3,091,000 |
1983年 | 2,944,000 |
1982年 | 2,804,300 |
1981年 | 2,670,800 |
1980年 | 2,543,600 |
1979年 | 2,624,300 |
1978年 | 2,609,100 |
1977年 | 2,384,800 |
1976年 | 2,299,700 |
1975年 | 2,168,700 |
1974年 | 1,872,800 |
1973年 | 2,100,800 |
1972年 | 1,953,000 |
1971年 | 2,211,800 |
1970年 | 1,801,400 |
1969年 | 1,710,000 |
1968年 | 1,900,426 |
1967年 | 1,997,713 |
1966年 | 2,013,597 |
1965年 | 2,013,597 |
1964年 | 1,990,915 |
1963年 | 2,339,920 |
1962年 | 2,532,953 |
1961年 | 2,592,000 |
1961年以降のデータでは、ウガンダのヤギ飼養頭数は長期的に増加傾向を示しており、1961年の2,592,000頭から2022年の16,881,480頭まで、約6.5倍の成長を記録しています。この増加は、ウガンダの農村部における家畜生産の重要性や、家畜を食料資源としてだけでなく、市場価値のある経済資産として活用する農家の増加が背景にあります。
特に2008年以降、ヤギ飼養頭数が劇的に増加した点に注目する必要があります。この時期における急増の理由の一つには、ウガンダ政府やNGO(非政府組織)による農村支援プロジェクトを挙げることができます。これらの活動は、持続可能な家畜管理の普及や、市場アクセスの向上を目的としており、農家が収益性の高いヤギ生産を選好する傾向を加速させました。また、ヤギは牛よりも飼育が容易で、一般的に耐乾性が高いため、気候変動が進む中でも農家にとって魅力的な選択肢となっています。
しかしながら、2014年から2015年、および2019年には、ヤギ飼養頭数にやや減少の兆候が見られました。こうした減少は、多くの場合、干ばつや疾病の流行と関連している可能性があります。また、地域紛争や農村部での土地利用転換の影響も無視できません。これらの要因は、家畜生産を取り巻く不安定性の原因と考えられます。
現在の課題として、ヤギの生産性向上とその持続可能性をどう確保するかが挙げられます。たとえば、ヤギの健康管理ための獣医サービスの拡充や、飼料供給の安定化、気候変動リスクへの対応が必要です。また、地域紛争による経済的損失を軽減するため、畜産業への支援を通じた農村部の経済的安定が重要です。他国と比較すると、アメリカや欧州諸国(例えばドイツやフランス)では、大規模な畜産施設と高度な技術による効率的な家畜管理が一般的です。ウガンダにおいても、地域のニーズに即した規模の技術導入が鍵となるでしょう。
また、ヤギ飼養頭数の増加は、食料安全保障の向上や輸出拡大の可能性を秘めています。特に需要が増加している中東やアジア市場への輸出戦略の立案は、ウガンダ国内の畜産業の成長を促進するでしょう。しかし、このためには、輸出規制の遵守や品質管理の向上、物流インフラの整備が欠かせません。
気候変動の影響や疫病によるリスクを踏まえ、ヤギの品種改良や地域間協力による技術交流も検討課題に挙げられます。これにより、ヤギの耐性を向上させ、地域全体としての畜産業の競争力を強化できます。
結論として、ウガンダのヤギ飼養頭数推移は、経済や食料安全保障の視点から非常に重要な指標を提供しています。同時に、持続的な成長を確保するためには、疾病管理技術やインフラ整備といった具体的な対策が求められます。国際機関との協力をさらに深め、地域全体での生産体制を強化することが、ウガンダの家畜産業の未来を切り開く鍵となるでしょう。