国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新のデータによれば、カーボベルデにおけるヤギの飼養頭数は1961年の40,000頭から2022年の139,218頭に増加しました。この数字はおおむね右肩上がりですが、一部の年代では減少が見られます。特に2016年以降、飼養頭数が急激に減少し、2017年と2018年に過去の記録から大幅に低下しました。その後、2020年以降には再び回復傾向が見られています。
カーボベルデのヤギ飼養頭数推移(1961-2022)
年度 | 飼養頭数(頭) |
---|---|
2022年 | 139,218 |
2021年 | 135,426 |
2020年 | 131,737 |
2019年 | 109,623 |
2018年 | 107,532 |
2017年 | 107,630 |
2016年 | 206,279 |
2015年 | 200,661 |
2014年 | 195,195 |
2013年 | 189,879 |
2012年 | 184,707 |
2011年 | 179,676 |
2010年 | 160,000 |
2009年 | 125,000 |
2008年 | 92,350 |
2007年 | 113,589 |
2006年 | 105,170 |
2005年 | 130,000 |
2004年 | 148,094 |
2003年 | 112,337 |
2002年 | 112,000 |
2001年 | 110,000 |
2000年 | 110,000 |
1999年 | 112,000 |
1998年 | 115,000 |
1997年 | 110,000 |
1996年 | 109,236 |
1995年 | 112,331 |
1994年 | 135,000 |
1993年 | 144,610 |
1992年 | 133,771 |
1991年 | 123,745 |
1990年 | 109,392 |
1989年 | 108,000 |
1988年 | 95,338 |
1987年 | 80,000 |
1986年 | 78,000 |
1985年 | 66,850 |
1984年 | 65,000 |
1983年 | 65,000 |
1982年 | 73,690 |
1981年 | 70,000 |
1980年 | 65,000 |
1979年 | 67,000 |
1978年 | 65,000 |
1977年 | 62,000 |
1976年 | 60,000 |
1975年 | 50,000 |
1974年 | 45,000 |
1973年 | 40,000 |
1972年 | 44,000 |
1971年 | 47,482 |
1970年 | 50,000 |
1969年 | 48,000 |
1968年 | 49,000 |
1967年 | 49,000 |
1966年 | 50,000 |
1965年 | 48,000 |
1964年 | 46,000 |
1963年 | 44,000 |
1962年 | 42,000 |
1961年 | 40,000 |
カーボベルデのヤギ飼養頭数は、農村地域の生活に密接に関連する重要なデータです。同国は西アフリカの小さな島国で、多くの家庭にとってヤギは食料の供給源であり、収入を支える重要な家畜です。1961年の40,000頭から2022年の139,218頭への成長は、農業や畜産業の発展、適応能力、そして家畜管理の改善を反映しています。しかし、全体的な増加傾向の中でも、いくつかのポイントで異常な減少が認められ、これには様々な要因が影響しています。
例えば、1984年から1986年にかけて頭数が大きく増加しましたが、これには畜産関連の支援政策やインフラ整備が影響した可能性があります。一方で、2008年や2017年には頭数の大幅な減少がみられました。特に2017年は、108,000頭から107,630頭へと急落し、翌2018年もほぼ同水準にとどまりました。これは干ばつや降雨量不足など、厳しい気候条件が影響したと考えられます。また、この地域は地理的に孤立しており、輸送や物流の制約が家畜産業に影響を与えることもあります。
しかし、2020年以降の増加は注目すべき点です。2020年に131,737頭、2021年には135,426頭、2022年には139,218頭へと、短期間で堅調に増加しています。この回復は、恐らく地元コミュニティが耐久性の高い農業モデルを採用し始めている証拠であり、また国際機関からの支援や気候変動への適応策の影響が考えられます。
ヤギの飼養は典型的な労働集約型の産業であり、気候リスクに対して極めて感受性が高い分野です。現在の気候変動の進行を考慮すると、カーボベルデにおけるヤギの安定供給を確保するためには、今後も課題が残ると予測されます。たとえば、同国の気候レジリエンスを強化するために、雨水管理技術の向上や干ばつ耐性が高い飼料の導入が必要となるでしょう。また、家畜病のリスク管理や、飼育頭数の多様化によるリスク軽減が検討されるべき課題です。さらに、持続可能な農業政策の実施や、小規模農家への技術的支援も進めるべきです。
これらのデータは、自然災害や干ばつの影響だけでなく、多様な地政学的・経済的要因とも関連していると考えられます。特に2020年以降の増加が、新型コロナウイルスの影響下で食料供給の重要性が再認識された時期と一致することから、農業振興や食料自給率を向上するための政策的支援が寄与した可能性も示唆されます。
国際社会の協力も重要です。近隣諸国や国際開発機関との連携を強化し、技術支援や気候適応のための資金協力を受けることで、カーボベルデの畜産業の安定性がさらに高まるでしょう。このような取り組みにより、今後の不測の事態に対する備えが強化され、農村部での生計維持が確保されることが期待されます。