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パラグアイのヤギ飼養頭数推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)のデータによると、パラグアイのヤギ飼養頭数は1961年の78,045頭から2015年に147,361頭へと増加傾向が見られましたが、2018年以降は減少し、2022年には110,186頭となっています。一方で、全期間を通じて短期的な増減が見られるなど、継続的な変動も特徴的です。この推移は、農作環境、経済状況、政策変動が影響を与えていると考えられます。

年度 飼養頭数(頭) 増減率
2023年 114,026
3.49% ↑
2022年 110,186
4.26% ↑
2021年 105,684
-3.31% ↓
2020年 109,303
-2.38% ↓
2019年 111,972
-3.09% ↓
2018年 115,544
-12.78% ↓
2017年 132,470
-12.47% ↓
2016年 151,343
2.7% ↑
2015年 147,361
2.58% ↑
2014年 143,657
2.36% ↑
2013年 140,341
2.04% ↑
2012年 137,537
1.74% ↑
2011年 135,187
1.46% ↑
2010年 133,237
1.2% ↑
2009年 131,656
1.35% ↑
2008年 129,898
-7.22% ↓
2007年 140,000
-6.67% ↓
2006年 150,000
-6.25% ↓
2005年 160,000
0.33% ↑
2004年 159,469
17.69% ↑
2003年 135,501
8% ↑
2002年 125,464
1% ↑
2001年 124,222
1% ↑
2000年 122,992
1% ↑
1999年 121,774
-1.2% ↓
1998年 123,250
0.53% ↑
1997年 122,600
-1.23% ↓
1996年 124,127
1.28% ↑
1995年 122,553
0.31% ↑
1994年 122,180
0.15% ↑
1993年 122,000
1.67% ↑
1992年 120,000
-11.11% ↓
1991年 135,000
-8.91% ↓
1990年 148,200
1.68% ↑
1989年 145,752
5.95% ↑
1988年 137,561
6.31% ↑
1987年 129,400
4.87% ↑
1986年 123,395
4.89% ↑
1985年 117,647
4.2% ↑
1984年 112,909
2.11% ↑
1983年 110,575
1.25% ↑
1982年 109,205
1.35% ↑
1981年 107,751
-6.3% ↓
1980年 115,000
-8.44% ↓
1979年 125,600
4.41% ↑
1978年 120,300
6.27% ↑
1977年 113,200
4.52% ↑
1976年 108,300
0.46% ↑
1975年 107,800
2.86% ↑
1974年 104,800
4.8% ↑
1973年 100,000
15.47% ↑
1972年 86,600
16.4% ↑
1971年 74,400
26.23% ↑
1970年 58,942
9.15% ↑
1969年 54,000
8% ↑
1968年 50,000
6.38% ↑
1967年 47,000
-2.08% ↓
1966年 48,000 -
1965年 48,000
-4.26% ↓
1964年 50,138
-15.02% ↓
1963年 59,000 -
1962年 59,000
-24.4% ↓
1961年 78,045 -

パラグアイは、南米の内陸国として農業と畜産業が経済の重要な柱となっています。ヤギの飼養に関しては、歴史的に少数の農家による小規模な飼育が中心でした。このデータを見ると、1960年代には増減が激しく、特に1961年から1962年の間に28.8%の大幅減少が記録され、その後数年間は低迷が続きました。一方、1970年代から1980年代後半にかけては、逐次的に増加し、145,752頭(1989年)にまで伸びています。この成長は国内外でのヤギ乳やヤギ肉の需要増加が背景にあった可能性が高いです。また、家族経営を基盤とした飼育から、商品化を目指した飼育形態へのシフトが影響を及ぼしたとも考えられます。

1990年代に入ると、大きな減少傾向が1991年から1992年にかけて確認され、120,000頭という水準まで落ち込んでいます。この現象は、気候問題や経済政策の影響を受け、輸入飼料の価格上昇や安定した市場環境の欠如が原因とされます。しかし、2000年代にかけては再び増加が見られ、特に2004年の159,469頭に達したことから、特定の地域での飼養活動が強化された点が推測されます。ここからは、飼育技術の向上や、需要動向に応じた調整が奏功したとみられます。

注目すべきは、2015年を最高点とした後の急激な下降傾向です。この場合、2017年から2018年までの比較では19.5%の大幅減少がみられ、その後2021年までの減少はさらに続きました。気候変動の影響による農地条件の悪化や、国内外の経済危機が原因となった可能性があります。南米地域では、牧草地の利用効率が悪化することで乳量や繁殖効率が低下する事例が増えています。また、新型コロナウイルスの影響による物流の停滞や市場縮小が、畜産業全体に打撃を与えたことも考えるべきです。

この減少傾向に対し、具体的な対応策を提案することが重要です。一つの解決策として、小規模農家への財政支援や技術サポートがあります。たとえば、飼料や水資源の管理を効率化するための教育プログラムや、低コストで効率的なヤギ飼育技術の普及が考えられます。また、地域協力を強化し、例えばマージナルな農地での効率的な飼養を増やすため、近隣のブラジルやアルゼンチンとの共同プロジェクトを実施することも効果的です。

さらに市場の安定化を目指し、ヤギ乳や肉製品に特化した地域ブランドを形成することで、国内外の消費者に訴求する手法が検討できます。これにより、農家が価格競争に巻き込まれるリスクを最小化できます。国際的な視点から見ると、現在の欧州やアジア市場では高品質なヤギ製品に対する需要が増えており、これをターゲットとする輸出戦略も有望です。

結論として、パラグアイの長期的なヤギ飼養の推移は、地政学的および経済的要因によって影響を受けています。減少した今こそ、短期的な安定化対策と長期的なブランディング戦略を組み合わせ、持続可能な増加基盤を築くことが求められます。地域の気候変動への適応、技術革新、国際市場の活用は、今後の主要な政策課題となるでしょう。国際機関と共同で実施するプロジェクトもまた、この分野の復興に貢献すると考えられます。