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コロンビアのヤギ飼養頭数推移(1961年~2023年)

FAO(国際連合食糧農業機関)の最新データによると、コロンビアにおけるヤギ飼養頭数は1961年の645,000頭から始まり、2022年には1,155,721頭と長期的な増加傾向を示しています。この間、一部の年には急激な増減が見られるものの、全体的には右肩上がりで推移しています。特に1980年代後半から2000年代前半にかけて急激に増加し、一時的に減少を示した時期もあるものの、近年では持続的な成長が確認されています。

年度 飼養頭数(頭) 増減率
2023年 1,148,239
-0.65% ↓
2022年 1,155,721
0.58% ↑
2021年 1,149,054
1.07% ↑
2020年 1,136,839
9.8% ↑
2019年 1,035,358
-12.97% ↓
2018年 1,189,649
2.45% ↑
2017年 1,161,238
39.12% ↑
2016年 834,708
-22.91% ↓
2015年 1,082,812
4.31% ↑
2014年 1,038,058
16.97% ↑
2013年 887,455
10.39% ↑
2012年 803,916
-10.68% ↓
2011年 900,000
12.5% ↑
2010年 800,000
-2.44% ↓
2009年 820,000
-26.13% ↓
2008年 1,110,000 -
2007年 1,110,000
0.09% ↑
2006年 1,109,000
0.09% ↑
2005年 1,108,000
0.09% ↑
2004年 1,107,000
0.18% ↑
2003年 1,105,000 -
2002年 1,104,980
-2.69% ↓
2001年 1,135,507
-4.18% ↓
2000年 1,185,000
6.29% ↑
1999年 1,114,900
6.14% ↑
1998年 1,050,400
4.37% ↑
1997年 1,006,400
4.51% ↑
1996年 963,000
-0.21% ↓
1995年 965,000
0.52% ↑
1994年 960,000 -
1993年 960,000
-0.83% ↓
1992年 968,000
0.41% ↑
1991年 964,000
0.52% ↑
1990年 959,000
0.1% ↑
1989年 958,000
0.16% ↑
1988年 956,459
1.02% ↑
1987年 946,800
2.64% ↑
1986年 922,425
5% ↑
1985年 878,500
-8.41% ↓
1984年 959,173
31.57% ↑
1983年 729,000
9.79% ↑
1982年 664,000
1.83% ↑
1981年 652,095
1.1% ↑
1980年 645,000
1% ↑
1979年 638,637
1% ↑
1978年 632,300
0.99% ↑
1977年 626,100
0.53% ↑
1976年 622,815
-0.52% ↓
1975年 626,071
-7.29% ↓
1974年 675,312
6% ↑
1973年 637,087
-3.47% ↓
1972年 660,000
0.92% ↑
1971年 654,000
3.81% ↑
1970年 630,000
3.96% ↑
1969年 606,000
-3.81% ↓
1968年 630,000
-3.08% ↓
1967年 650,000
-5.58% ↓
1966年 688,407
1.99% ↑
1965年 675,000
1.96% ↑
1964年 662,000
2% ↑
1963年 649,000
0.31% ↑
1962年 647,000
0.31% ↑
1961年 645,000 -

コロンビアのヤギ飼養頭数データは、農業や畜産業の変動を反映しているため、同国の農業政策や経済情勢を考察する上で重要な資料です。1961年には645,000頭だった飼養頭数ですが、1980年代に入ると70万頭から90万頭台へと急増し、一方で1970年代後半にはわずかながら減少が見られました。この時期の変動は、コロンビア国内での農業政策の転換や外部的な市場需要の影響を受けた可能性が考えられます。

1984年には約95万頭を記録し、それ以降、1990年代中盤には100万頭を超える局面が訪れました。この増加の背景として、国内の農業振興政策や、ヤギ乳やヤギ肉の需要増加、さらには地域における農村振興プロジェクトなどが挙げられます。この頃、コロンビアは農業部門の強化と輸出志向を押し進めていたこともあり、家禽や家畜の飼養数を拡大する動きが見られました。

一方で、2009年から2012年にかけて飼養頭数が急減し、特に2009年には820,000頭に落ち込みました。この背景には気候変動による干ばつや洪水、また内戦などの地政学的リスクが影響していた可能性があります。自然災害や地域紛争は農村部の生計に悪影響を及ぼし、畜産業が一時的に停滞したと推察されます。

2014年以降、再び増加の兆しが見られ、一時的な減少を挟みつつも2022年には1,155,721頭まで回復・拡大しました。この増加が示しているのは、国内市場および輸出市場におけるヤギ製品(乳、肉、皮革など)需要の安定成長です。同時に、持続可能な畜産業への取り組みや地域経済の復興、農業技術の進歩も後押しとなっています。

ただし、2016年や2019年にみられる著しい減少は、偶発的な疫病の流行や農業政策の不安定さ、国際市場での価格変動などが影響を及ぼした可能性があります。特に気候変動の影響は顕著であり、干ばつや水不足に対する対策が畜産業全般の課題として浮上しています。

今後の課題として、安定した飼養体制の確立が挙げられます。具体的には、気候変動に対応可能な灌漑システムの導入や、牛や豚など他の家畜との資源争いを最小限にする飼料管理技術の普及が重要です。また、ヤギ製品の付加価値を高めるために、先進国が行っているような高品質な乳製品の生産や市場開拓が求められるでしょう。たとえば、フランスやドイツのように、チーズや乳製品の高付加価値化によって国際市場で信頼を築く方法が参考になります。

地政学的には、内戦の終息後もなお続く社会的不安定性が農村部経済へ悪影響を及ぼすリスクがあります。このため、国際機関や近隣諸国との協力を通じて、農村インフラや教育、技術支援への投資を拡大することが重要です。同時に、疫病対策としての家畜の検疫体制の強化や、地域間での情報共有ネットワーク構築も推奨されます。

最終的に、コロンビアのヤギ飼養頭数増加は同国の農業部門と持続可能な開発においてポジティブな兆候であり、適切な政策と支援が行われることでさらに拡大が期待されます。今後、国家レベルでの農村振興政策の推進や、国際市場での競争力向上に向けた具体策を講じる必要があります。