Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が提供するバーレーンのヤギ飼養頭数推移データによると、1961年から2022年までの期間で変動が見られます。1960年代には7,500頭程度だった飼養頭数が、近年には24,400頭(2022年)まで増加しています。一方で、特定の期間には急減や増加の幅があります。これらの背景には、地政学的状況や気候、農業政策が影響している可能性が考えられます。
バーレーンのヤギ飼養頭数推移(1961年~2023年)
年度 | 飼養頭数(頭) | 増減率 |
---|---|---|
2023年 | 23,467 |
-3.82% ↓
|
2022年 | 24,400 |
-2.4% ↓
|
2021年 | 25,000 |
19.05% ↑
|
2020年 | 21,000 |
-18.28% ↓
|
2019年 | 25,696 |
2.78% ↑
|
2018年 | 25,000 |
25% ↑
|
2017年 | 20,000 |
1.3% ↑
|
2016年 | 19,744 |
3.1% ↑
|
2015年 | 19,151 |
3.52% ↑
|
2014年 | 18,500 | - |
2013年 | 18,500 | - |
2012年 | 18,500 |
-2.63% ↓
|
2011年 | 19,000 | - |
2010年 | 19,000 |
-5% ↓
|
2009年 | 20,000 |
5.26% ↑
|
2008年 | 19,000 |
-17.39% ↓
|
2007年 | 23,000 |
-4.17% ↓
|
2006年 | 24,000 |
-4% ↓
|
2005年 | 25,000 | - |
2004年 | 25,000 |
4.17% ↑
|
2003年 | 24,000 |
6.67% ↑
|
2002年 | 22,500 |
25% ↑
|
2001年 | 18,000 |
-5.26% ↓
|
2000年 | 19,000 |
11.76% ↑
|
1999年 | 17,000 |
9.6% ↑
|
1998年 | 15,511 |
-5.99% ↓
|
1997年 | 16,500 |
3.13% ↑
|
1996年 | 16,000 |
0.56% ↑
|
1995年 | 15,911 |
-0.56% ↓
|
1994年 | 16,000 |
-1.84% ↓
|
1993年 | 16,300 |
-1.21% ↓
|
1992年 | 16,500 |
1.23% ↑
|
1991年 | 16,300 |
0.62% ↑
|
1990年 | 16,200 |
0.62% ↑
|
1989年 | 16,100 |
0.63% ↑
|
1988年 | 16,000 |
3.23% ↑
|
1987年 | 15,500 |
1.97% ↑
|
1986年 | 15,200 |
1.33% ↑
|
1985年 | 15,000 | - |
1984年 | 15,000 | - |
1983年 | 15,000 | - |
1982年 | 15,000 |
3.38% ↑
|
1981年 | 14,510 | - |
1980年 | 14,510 |
-0.02% ↓
|
1979年 | 14,513 |
9.95% ↑
|
1978年 | 13,200 |
0.19% ↑
|
1977年 | 13,175 |
-0.94% ↓
|
1976年 | 13,300 |
0.76% ↑
|
1975年 | 13,200 |
-2.39% ↓
|
1974年 | 13,523 |
-20.45% ↓
|
1973年 | 17,000 |
24.09% ↑
|
1972年 | 13,700 |
0.74% ↑
|
1971年 | 13,600 |
0.74% ↑
|
1970年 | 13,500 |
2.27% ↑
|
1969年 | 13,200 | - |
1968年 | 13,200 | - |
1967年 | 13,200 |
1.54% ↑
|
1966年 | 13,000 |
71.05% ↑
|
1965年 | 7,600 | - |
1964年 | 7,600 | - |
1963年 | 7,600 |
1.33% ↑
|
1962年 | 7,500 | - |
1961年 | 7,500 | - |
バーレーンにおけるヤギ飼養頭数の推移を見ると、いくつかの特徴的な変化が見られます。まず、1960年代初頭の飼養頭数はおおよそ7,500頭台で安定していました。しかし、1966年を迎えると飼養頭数が約1.7倍増加し、13,000頭に達しています。このような急増は、当時の農業政策や経済状況の変化、またはヤギの需要の急拡大が影響した可能性があります。
1970年代には、飼養頭数は17,000頭に到達する時期も見受けられますが、その後の数年間で再び13,000台に戻るなど、変動が見られます。これらの増減の背景には、中東地域における地政学的な情勢、食糧需要の変化、あるいは自然環境の影響があるかもしれません。また、1973年のオイルショックがもたらした物価の急変動など、経済全体の変動要因も検討すべき視点の一つです。
1980年代に入ると、14,000頭台から16,000頭台へと緩やかな増加傾向を見せます。これは、当時の中東地域全体で進行していた農業や畜産業の効率化が一因と考えられます。また、当該期間ではヤギがバーレーン国内の食料供給源として安定的な役割を果たしていたと推定されます。
2000年以降のデータでは飼養頭数が大きな変動を示す時期があり、特に2002年から2005年の間で22,500頭から25,000頭と急増しています。しかしその後、2008年には19,000頭に減少し、再び増加を経て、直近の2022年データでは24,400頭が報告されています。このような動向は、バーレーンの経済成長と都市化、輸入肉や農産物への依存度の変化、また地域的な気候変動の影響が考えられます。
近年(2020年以降)のデータを詳しく見ると、2020年には21,000頭まで一時的に減少しており、これが新型コロナウイルスの流行に伴う流通の制限や飼料供給の停滞と関連している可能性があります。その後持ち直し、2021年には25,000頭にまで回復しましたが、2022年には24,400頭となり僅かながらも減少しています。これらの変化は、経済活動の再開や政府の畜産支援策、輸入飼料の市場価格変動などが影響していると考えられます。
バーレーンの畜産業、特にヤギの飼養頭数について今後の課題として挙げられるのは、気候変動に適応するための畜産管理の効率化です。中東地域における地政学的リスクや水資源の限界が、飼料生産や動物飼養において深刻な影響を及ぼす可能性が高まっています。また、都市化に伴い農地の減少や牧畜用地の確保が課題となるでしょう。
これを改善するための具体的な提案として、持続可能な農業技術の導入や、園芸・畜産を組み合わせた混合型農場の普及、さらには地域協力による食料供給ネットワークの構築が挙げられます。加えて、飼料の国内生産を促進するための技術支援や、生態系に配慮した飼育方法の普及も重要です。これらの施策は、将来的な食料安定供給だけでなく、バーレーン国内の農業セクター全体の経済的な持続性を向上させる効果が期待されます。