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リビアのヤギ飼養頭数推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新のデータによると、リビアのヤギ飼養頭数は、1961年から始まり2022年に至るまで、増減を繰り返しつつも長期的には増加傾向を示しています。1961年の1,224,254頭から2022年には2,589,650頭と2倍以上に増えており、とくに2000年代以降の大きな増加が顕著です。しかし、直近のデータでは微減や停滞も見られ、将来の動向を判断するにはさらなる観察が必要です。

年度 飼養頭数(頭) 増減率
2023年 2,719,322
5.01% ↑
2022年 2,589,650
2.93% ↑
2021年 2,515,841
-2.08% ↓
2020年 2,569,370
-3.54% ↓
2019年 2,663,800
2.4% ↑
2018年 2,601,325
2.61% ↑
2017年 2,535,265
-0.24% ↓
2016年 2,541,346
-0.55% ↓
2015年 2,555,459
-0.95% ↓
2014年 2,580,000
-0.77% ↓
2013年 2,600,000
1.96% ↑
2012年 2,550,000
-1.92% ↓
2011年 2,600,000
-3.7% ↓
2010年 2,700,000
3.85% ↑
2009年 2,600,000
4% ↑
2008年 2,500,000 -
2007年 2,500,000 -
2006年 2,500,000
8.7% ↑
2005年 2,300,000
9.52% ↑
2004年 2,100,000
16.67% ↑
2003年 1,800,000
28.57% ↑
2002年 1,400,000
10.82% ↑
2001年 1,263,330
0.03% ↑
2000年 1,263,000
1.04% ↑
1999年 1,250,000 -
1998年 1,250,000 -
1997年 1,250,000 -
1996年 1,250,000 -
1995年 1,250,000
-0.79% ↓
1994年 1,260,000
-0.79% ↓
1993年 1,270,000
-2.31% ↓
1992年 1,300,000
8.33% ↑
1991年 1,200,000
9.09% ↑
1990年 1,100,000
10% ↑
1989年 1,000,000
5.26% ↑
1988年 950,000
5.56% ↑
1987年 900,000
5.88% ↑
1986年 850,000
-5.56% ↓
1985年 900,000
-30.77% ↓
1984年 1,300,000
-17.2% ↓
1983年 1,570,000
1.75% ↑
1982年 1,543,000
0.39% ↑
1981年 1,537,000
2.47% ↑
1980年 1,500,000
2.52% ↑
1979年 1,463,081
-9.51% ↓
1978年 1,616,900
6.79% ↑
1977年 1,514,089
-18.47% ↓
1976年 1,857,143
9.45% ↑
1975年 1,696,847
47.93% ↑
1974年 1,147,095
14.71% ↑
1973年 1,000,000
-9.83% ↓
1972年 1,109,000
-2.85% ↓
1971年 1,141,498
-7.53% ↓
1970年 1,234,400
-4.26% ↓
1969年 1,289,278
-3.51% ↓
1968年 1,336,157
-4.9% ↓
1967年 1,405,047
4.3% ↑
1966年 1,347,162
0.63% ↑
1965年 1,338,726
2.18% ↑
1964年 1,310,108
2.23% ↑
1963年 1,281,490
2.28% ↑
1962年 1,252,872
2.34% ↑
1961年 1,224,254 -

リビアは乾燥した気候と広大な砂漠地帯を持つ国であり、ヤギはその地理的条件下に適応した、重要な家畜資源の一つです。ヤギは多産で丈夫であり、過酷な環境でも生存可能なため、小規模農業や遊牧生活において不可欠な存在です。データによれば、1960年代から一貫してヤギ飼養頭数が増加を続けていましたが、1970年代には数回にわたる大幅な変動が観測されます。1973年には1,000,000頭へと大幅に減少しましたが、その後1975年から1976年にかけて急増し、1976年には1,857,143頭に達しました。これらの変動要因として、気候変動や地域情勢、さらには農業政策の影響が考えられます。

1980年代から1990年代にかけての飼養頭数の変動は、主に経済状況の変化と社会の需要の影響を受けたと考えられます。一方で、2000年代以降は特に顕著な増加が見られ、2002年の1,400,000頭から2009年の2,600,000頭までほぼ毎年のように右肩上がりとなりました。これは、経済成長とともに食肉需要が高まった可能性や、新たな家畜管理技術が導入されたことが影響している可能性があります。ただし、2011年のアラブの春に起因する国内の社会不安や地域紛争の影響が2011年以降の微減に関係していると推測されます。地政学的リスクが飼育基盤を弱体化させた可能性は高いです。

新型コロナウイルスのパンデミックも、2020年の減少(2,569,370頭)に影響を及ぼしたと考えられます。ロックダウンや物流制限が経済活動を抑制し、家畜管理のための資材や供給パターンにも影響を及ぼした可能性がありますが、2022年には2,589,650頭まで回復しつつあります。

リビアの場合、家畜の安定した増加には、適切な政策立案が必要不可欠です。気候変動の影響は今後さらに深刻化すると予想され、水や飼料資源の確保が課題です。このため、公共政策として効率的な牧草地管理や、砂漠化を防ぐ取り組みを進める必要があります。また、紛争が家畜農家の生活に与える影響を緩和するための地域的な協力体制の構築も重要です。

結論としてリビアのヤギ飼養頭数は、国の食料資源保障と持続可能な農業において極めて重要な位置を占めています。国連機関や地域共同体が協力して、効率的で持続可能な畜産技術を推進しつつ、紛争や環境問題への対応を強化することが肝要です。