国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、2022年度におけるオレンジ生産量の世界ランキングで、1位はブラジル(16,929,631トン)、2位はインド(10,198,000トン)、3位は中国(7,600,000トン)でした。これらの国々が世界のオレンジ生産量のかなりの割合を占めています。一方で日本は67位(28,076トン)と世界ランキングの中では低位を占めています。
順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
---|---|---|---|
1 | ブラジル | 南アメリカ | 16,929,631 |
2 | インド | アジア | 10,198,000 |
3 | 中国 | アジア | 7,600,000 |
4 | メキシコ | 南アメリカ | 4,850,083 |
5 | エジプト | アフリカ | 3,392,819 |
6 | アメリカ合衆国 | 北アメリカ | 3,148,840 |
7 | スペイン | ヨーロッパ | 2,817,400 |
8 | インドネシア | アジア | 2,684,978 |
9 | イラン(イスラム共和国) | アジア | 2,321,124 |
10 | ベトナム | アジア | 1,807,859 |
11 | イタリア | ヨーロッパ | 1,783,110 |
12 | 南アフリカ | アフリカ | 1,747,778 |
13 | パキスタン | アジア | 1,605,294 |
14 | トルコ | アジア | 1,322,000 |
15 | モロッコ | アフリカ | 1,248,308 |
16 | アルジェリア | アフリカ | 1,209,560 |
17 | アルゼンチン | 南アメリカ | 1,057,678 |
18 | ギリシャ | ヨーロッパ | 873,670 |
19 | コロンビア | 南アメリカ | 749,440 |
20 | ガーナ | アフリカ | 696,925 |
21 | ペルー | 南アメリカ | 591,187 |
22 | タイ | アジア | 503,818 |
23 | タンザニア連合共和国 | アフリカ | 438,037 |
24 | マリ | アフリカ | 402,108 |
25 | オーストラリア | オセアニア | 390,680 |
26 | ポルトガル | ヨーロッパ | 378,450 |
27 | ベネズエラ (ボリバル共和国) | 南アメリカ | 365,286 |
28 | チュニジア | アフリカ | 345,000 |
29 | シリア・アラブ共和国 | アジア | 301,376 |
30 | パナマ | 南アメリカ | 264,673 |
31 | ホンジュラス | 南アメリカ | 242,723 |
32 | パラグアイ | 南アメリカ | 225,768 |
33 | コスタリカ | 南アメリカ | 217,160 |
34 | エクアドル | 南アメリカ | 205,539 |
35 | ボリビア (多民族国家) | 南アメリカ | 188,972 |
36 | スーダン | アフリカ | 178,932 |
37 | イラク | アジア | 175,058 |
38 | グアテマラ | 南アメリカ | 168,036 |
39 | コンゴ民主共和国 | アフリカ | 165,191 |
40 | レバノン | アジア | 160,204 |
41 | ギニア | アフリカ | 144,460 |
42 | チリ | 南アメリカ | 138,222 |
43 | イエメン | アジア | 135,006 |
44 | ケニア | アフリカ | 130,319 |
45 | ウルグアイ | 南アメリカ | 121,962 |
46 | イスラエル | アジア | 111,893 |
47 | ニカラグア | 南アメリカ | 109,029 |
48 | 中国、台湾 中国省 | アジア | 106,853 |
49 | ジンバブエ | アフリカ | 100,440 |
50 | ドミニカ共和国 | 南アメリカ | 100,009 |
51 | マダガスカル | アフリカ | 83,855 |
52 | ハイチ | 南アメリカ | 76,893 |
53 | ジャマイカ | 南アメリカ | 74,153 |
54 | マラウイ | アフリカ | 69,059 |
55 | モザンビーク | アフリカ | 67,000 |
56 | カンボジア | アジア | 65,709 |
57 | エルサルバドル | 南アメリカ | 62,734 |
58 | セネガル | アフリカ | 58,400 |
59 | ベリーズ | 南アメリカ | 53,400 |
60 | リビア | アフリカ | 53,232 |
61 | ネパール | アジア | 48,905 |
62 | ヨルダン | アジア | 46,877 |
63 | エスワティニ | アフリカ | 45,962 |
64 | ラオス人民民主共和国 | アジア | 42,376 |
65 | コートジボワール | アフリカ | 41,367 |
66 | 中央アフリカ共和国 | アフリカ | 33,933 |
67 | 日本 | アジア | 28,076 |
68 | エチオピア | アフリカ | 25,166 |
69 | ガイアナ | 南アメリカ | 23,338 |
70 | ブータン | アジア | 18,467 |
71 | スリナム | 南アメリカ | 18,302 |
72 | キプロス | アジア | 16,000 |
73 | トーゴ | アフリカ | 15,298 |
74 | ベナン | アフリカ | 14,969 |
75 | マレーシア | アジア | 14,879 |
76 | アルバニア | ヨーロッパ | 14,294 |
77 | プエルトリコ | 南アメリカ | 11,876 |
78 | ソマリア | アフリカ | 11,067 |
79 | フランス | ヨーロッパ | 9,760 |
80 | モンテネグロ | ヨーロッパ | 9,274 |
81 | アフガニスタン | アジア | 8,261 |
82 | ニュージーランド | オセアニア | 7,996 |
83 | リベリア | アフリカ | 7,795 |
84 | スリランカ | アジア | 7,607 |
85 | キューバ | 南アメリカ | 7,518 |
86 | ギニアビサウ | アフリカ | 7,026 |
87 | パレスチナ国 | アジア | 5,788 |
88 | アゼルバイジャン | アジア | 5,058 |
89 | ドミニカ | 南アメリカ | 4,884 |
90 | ボツワナ | アフリカ | 4,309 |
91 | ザンビア | アフリカ | 4,185 |
92 | トリニダード・トバゴ | 南アメリカ | 3,958 |
93 | バハマ | 南アメリカ | 3,691 |
94 | バングラデシュ | アジア | 3,550 |
95 | ルワンダ | アフリカ | 3,181 |
96 | フィジー | オセアニア | 2,328 |
97 | コンゴ | アフリカ | 2,198 |
98 | ナミビア | アフリカ | 2,019 |
99 | 東ティモール | アジア | 1,894 |
100 | タジキスタン | アジア | 1,822 |
101 | フィリピン | アジア | 1,522 |
102 | グルジア | アジア | 1,200 |
103 | ニューカレドニア | オセアニア | 944 |
104 | トンガ | オセアニア | 892 |
105 | セントビンセントおよびグレナディーン諸島 | 南アメリカ | 709 |
106 | クロアチア | ヨーロッパ | 680 |
107 | マルタ | ヨーロッパ | 640 |
108 | ブルキナファソ | アフリカ | 624 |
109 | グレナダ | 南アメリカ | 557 |
110 | フランス領ポリネシア | オセアニア | 479 |
111 | ブルネイ ダルサラーム | アジア | 455 |
112 | クウェート | アジア | 256 |
113 | セントルシア | 南アメリカ | 241 |
114 | ボスニア・ヘルツェゴビナ | ヨーロッパ | 135 |
115 | ロシア連邦 | ヨーロッパ | 71 |
116 | セーシェル | アフリカ | 45 |
117 | クック諸島 | オセアニア | 9 |
118 | ジブチ | アフリカ | 5 |
2022年の世界のオレンジ生産量ランキングによると、圧倒的な生産量を誇るのがブラジルです。この国は熱帯気候による高い栽培適性や広大な農地を背景に、オレンジジュースの主要輸出国としても知られています。実際、ブラジル一国で生産されるオレンジは、2位のインドや3位の中国を合わせた量を上回るほどで、その影響力は他国を凌駕しています。
2位と3位に位置するインドと中国も大きな生産量を誇っていますが、これらの国々は主に国内の需要を満たすための生産が中心となっています。特にインドは、自国民の購買力や現地での果汁消費文化の増加を背景に、生産量をさらなる高みに押し上げています。中国も広大な国土と多様な気候条件を活かし、主に国内消費と地域輸出をターゲットにしています。
一方、4位のメキシコや5位のエジプトも興味深い比較対象です。メキシコは南北アメリカ市場への輸出が強みであり、大規模農業と輸送網の発達を活かしています。エジプトは地中海沿岸諸国への輸出が盛んで、地理的要因を巧みに活用しています。
また、アメリカは6位にランクインしており、生産量では一定のシェアを持つものの、近年の気候変動や自然災害の影響が収穫量の維持に課題を与えています。特にフロリダ州ではハリケーン被害や柑橘グリーニング病(植物病害)の影響が深刻です。
日本に目を向けると、67位という順位は世界全体から見ると非常に控えめです。農地面積の制約や気候条件の違いにより、大規模な生産は難しいですが、一方で高品質で甘みのあるブランドオレンジの生産には成功しています。日本の消費者は輸入に頼る割合が高いものの、国内市場では国内産オレンジのニッチな需要も維持されています。
世界全体のオレンジ生産には、いくつかの課題が浮上しています。気候変動が栽培適地の変化を引き起こし、異常気象や干ばつによる収量不足が問題視されています。また、特定の主要生産国への依存が高いことも、地政学的リスクを伴う課題として認識されています。仮にブラジルのような主要生産国で自然災害や政治的混乱が起きた場合、国際市場への供給減少が価格暴騰や需給の不安定化につながる可能性があります。
こうした状況を踏まえ、今後は各国が協力してオレンジの栽培技術の共有を進めることが重要です。たとえば、日本のような小規模生産国でも効率的な農業技術や灌漑システムを取り入れることで、生産量の向上が期待されます。また、主要輸入依存国においては、供給の多様化を促す政策が必要です。具体的には、輸出先や品種の多角化、長期的輸入調達契約の締結が挙げられます。
さらに、疫病や自然災害への対策として、デジタル農業技術の活用や品種改良が検討されています。これには、より耐暑性・耐病性を備えた品種の導入や、人工知能を用いた栽培管理が含まれます。こうした未来志向のアプローチにより、安全で安定したオレンジ供給を実現することが可能でしょう。
結論として、2022年におけるオレンジ生産量ランキングは、特定地域への生産集中や気候変動の脅威といった現代農業が直面する課題を浮き彫りにしました。これを受けて、国際的な枠組みの中で気候変動への対応、技術支援、地域間協力を強化することで、持続可能な農業と食料安全保障を同時に達成することが期待されます。