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中央アフリカ共和国のオレンジ生産量推移(1961年~2023年)

中央アフリカ共和国のオレンジ生産量は、1961年から安定した成長を見せ、1990年代にかけて急激に増加しましたが、2000年代に一時的な減少を経験しました。2011年以降、大幅な増加が見られ、2014年には生産量がピークの35,226トンに達しました。その後、再び減少傾向にあり、2022年は33,933トンとなっています。この長期的なデータは、国内の農業発展の足跡を示すとともに、地域的な課題や外部要因の影響がうかがえます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 35,075
3.37% ↑
2022年 33,933
-0.14% ↓
2021年 33,982
0.11% ↑
2020年 33,946
0.22% ↑
2019年 33,871
-0.76% ↓
2018年 34,129
0.86% ↑
2017年 33,838
0.57% ↑
2016年 33,645
2.22% ↑
2015年 32,916
-6.56% ↓
2014年 35,226
7.42% ↑
2013年 32,794
7.52% ↑
2012年 30,500
15.21% ↑
2011年 26,474
10.31% ↑
2010年 24,000
4.35% ↑
2009年 23,000
4.55% ↑
2008年 22,000
1.15% ↑
2007年 21,751
1.36% ↑
2006年 21,459
2.18% ↑
2005年 21,000
2.44% ↑
2004年 20,500
2.5% ↑
2003年 20,000
-9.09% ↓
2002年 22,000
-5.36% ↓
2001年 23,246
-3.14% ↓
2000年 24,000
4.35% ↑
1999年 23,000
4.23% ↑
1998年 22,067
0.3% ↑
1997年 22,000
5.34% ↑
1996年 20,885
4.43% ↑
1995年 20,000
11.11% ↑
1994年 18,000
5.88% ↑
1993年 17,000
4.94% ↑
1992年 16,200
1.89% ↑
1991年 15,900
1.92% ↑
1990年 15,600
3.31% ↑
1989年 15,100
3.42% ↑
1988年 14,600
4.29% ↑
1987年 14,000
3.7% ↑
1986年 13,500
0.75% ↑
1985年 13,400 -
1984年 13,400
1.52% ↑
1983年 13,200
1.54% ↑
1982年 13,000
4% ↑
1981年 12,500 -
1980年 12,500
4.17% ↑
1979年 12,000 -
1978年 12,000 -
1977年 12,000
4.35% ↑
1976年 11,500 -
1975年 11,500
4.55% ↑
1974年 11,000 -
1973年 11,000 -
1972年 11,000 -
1971年 11,000 -
1970年 11,000 -
1969年 11,000 -
1968年 11,000 -
1967年 11,000 -
1966年 11,000 -
1965年 11,000 -
1964年 11,000 -
1963年 11,000 -
1962年 11,000 -
1961年 11,000 -

中央アフリカ共和国におけるオレンジの生産動向を示すデータは、同国内の農産物生産の成長と課題を物語っています。1961年から1980年にかけて、オレンジの生産量は毎年おおむね一定(11,000トンから12,500トン)という安定した状態が続きました。この時期、農業技術の進展は限定的で、大規模な農地開発も見られませんでしたが、持続的な農業が営まれていたことがうかがえます。

1990年代以降、生産量が急激に上昇し1995年には初めて20,000トンを超え、2000年には24,000トンとなりました。この増加の背景には、地域的な農業支援プロジェクトや国家政策の転換が考えられます。一方で、2002年から2004年にかけて生産量が減少していることが注目されます。これは、国内の経済状況の悪化や政治的不安定、さらには天候の影響が関与していると考えられます。

2011年を境に生産量は再び急上昇し、2014年には35,226トンで頂点を迎えました。この増加は、おそらく気候条件の好転や現地農民への技術支援の強化が関与しています。しかし、その後の微減傾向(2022年現在で33,933トン)は、同国の農業政策の限界や、不適切な農地管理、労働力不足によるものとも推測されます。

国際的に見ても、中央アフリカ共和国のオレンジ生産量は小規模なものにとどまります。たとえば、インドや中国では年間何百万トンものオレンジが生産されており、規模の点で比較は難しいですが、中央アフリカ共和国は地域的な需要を満たすことを軸にした生産が主体です。このことから、同国のオレンジ生産は主に国内市場向けで、輸出産業としての成長の余地があると言えます。

課題としては、無秩序な農地開発による土壌の劣化や、天候変動に対する脆弱性が挙げられます。また、労働者の減少やインフラ未整備も、持続可能な成長を妨げる要因です。これらを解決するためには、技術研修や農業機械の導入、また、気候に耐える品種の開発支援が必要です。

さらに、地政学的リスクとして、地域の政治的安定が生産活動に直接的な影響を及ぼし続けています。同国は紛争が頻発する地域に位置しているため、農業生産の停滞や資源の制約に直面してきました。これらの影響を軽減するためには、国際機関が農業開発に携わるだけでなく、政治的安定化を支援する必要があります。

今後、農業部門での持続可能な発展を目指すには、国際的な農業支援プロジェクトの支援対象として、中央アフリカ共和国を取り上げることが重要です。たとえば、国際連合食糧農業機関(FAO)や諸NGOとの連携をさらに進めることで、国内農民への教育プログラムの拡充や、適切な農業インフラの整備を行えます。長期的には、輸出産業としての成長を見据えた戦略も検討すべきです。