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ジャマイカのオレンジ生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、ジャマイカのオレンジ生産量は、1961年の52,013トンから、1990年代のピークにかけて増加を見せました。特に1994年に135,944トン、1996年には143,292トンと記録的な量を生産しました。その後は徐々に減少し、直近では2022年に74,153トンとなっています。生産量の推移は、天候や災害、経済的な要因と密接な関係を持つと考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 76,762
3.52% ↑
2022年 74,153
5% ↑
2021年 70,622
-0.73% ↓
2020年 71,144
-2.16% ↓
2019年 72,713
2.76% ↑
2018年 70,758
-3.06% ↓
2017年 72,990
-1.65% ↓
2016年 74,217
-0.16% ↓
2015年 74,336
10.45% ↑
2014年 67,302
-15% ↓
2013年 79,178
-13.61% ↓
2012年 91,657
-8.43% ↓
2011年 100,093
-7.64% ↓
2010年 108,376
-8.5% ↓
2009年 118,440
5.09% ↑
2008年 112,701
0.06% ↑
2007年 112,632
5.41% ↑
2006年 106,852
-4.17% ↓
2005年 111,501
-10.08% ↓
2004年 124,000
-9.49% ↓
2003年 137,000
1.48% ↑
2002年 135,000
-1.46% ↓
2001年 137,000
-0.72% ↓
2000年 138,000
-1.43% ↓
1999年 140,000
3.7% ↑
1998年 135,000
-3.57% ↓
1997年 140,000
-2.3% ↓
1996年 143,292
1.74% ↑
1995年 140,844
3.6% ↑
1994年 135,944
88.81% ↑
1993年 72,000
23.16% ↑
1992年 58,460
37.83% ↑
1991年 42,416
-33.23% ↓
1990年 63,522
3.73% ↑
1989年 61,236
13.64% ↑
1988年 53,888
-32.65% ↓
1987年 80,015
80.31% ↑
1986年 44,376
-0.53% ↓
1985年 44,611
48.67% ↑
1984年 30,006
-10.69% ↓
1983年 33,598
-3.63% ↓
1982年 34,864
5.65% ↑
1981年 33,000
-23.54% ↓
1980年 43,159
38.22% ↑
1979年 31,224
-37.13% ↓
1978年 49,665
18.13% ↑
1977年 42,042
1.96% ↑
1976年 41,234
0.94% ↑
1975年 40,849
3.92% ↑
1974年 39,309
67.93% ↑
1973年 23,408
-71.85% ↓
1972年 83,160
14.35% ↑
1971年 72,726
11.64% ↑
1970年 65,142
-11.13% ↓
1969年 73,304
-13.85% ↓
1968年 85,085
3.46% ↑
1967年 82,236
3.09% ↑
1966年 79,772
5.02% ↑
1965年 75,960
-0.5% ↓
1964年 76,345
-3.08% ↓
1963年 78,771
2.3% ↑
1962年 77,000
48.04% ↑
1961年 52,013 -

ジャマイカのオレンジ生産量は、過去数十年間にわたり大きな変動を見せてきました。この変動の背景には、天候変動、経済条件の変化、農業政策の変容など、さまざまな要因があります。初期のデータである1960年代から1970年代にかけては、安定しない推移が見られ、特に1973年には23,408トンと急激な減少を記録しました。この時期の減少は、干ばつや栽培技術の不足が原因と考えられています。その後1970年代末から1980年代にかけて、一定の回復が見られました。

1990年代初頭には、国内の農業政策と輸出志向の強化により、生産量は急激に増加しました。この増加のピークは1994年から1996年の135,944トンから143,292トンに達し、これはジャマイカのオレンジ産業の最盛期を示しています。しかしながら、この後、生産量は徐々に下降線をたどっています。この現象は、まずジャマイカだけでなく世界的にオレンジ価格が変動した点や、農業従事者の減少といった社会経済的な要因に大きく影響されました。

さらに、2004年以降のデータに目を向けると、生産量にさらなる変動が見られ、自然災害がオレンジ農業に大きな影響を及ぼしていることが観察されます。ジャマイカはカリブ海地域に位置しており、ハリケーンや嵐などの自然災害の影響を受けやすい地域です。例えば、ハリケーンによる作物の直接被害や、それに伴う農業インフラの破壊が生産量の減少につながっています。

2023年までの減少傾向の要因には、天候要因以外にも注目が必要です。オレンジ産業の収縮は、農業技術の発展が進まないことや若い世代の農業従事人口の減少にも関連しています。また、世界的な新型コロナウイルス(COVID-19)の流行は、農業部門の経済活動や国際輸出にも多大な影響を与えました。ジャマイカ国内での労働力や物流問題もオレンジ産業に悪影響を与えたと見られます。

今後の課題として、農業従事者の確保と持続可能な栽培技術の導入が大きな要素となります。具体的には、若い世代を農業に引き込むための教育プログラムや、環境に優しい農法の普及が求められるでしょう。また、天候リスクに対応した農業保険の導入や、災害時の迅速な復旧のための補助金など、政策的支援も強化する必要があります。

さらに、国際市場においてジャマイカ産オレンジの競争力を高めるため、品質管理やマーケティングの努力も重要です。輸出型農業を支えるためには、他国との協力を深め、農業技術の共有や貿易政策の緩和に取り組むべきです。例えば、アメリカやヨーロッパ市場への輸出促進も考えられる方向性です。また、生産地域を分散化させることで自然災害リスクの軽減を図ることも検討できます。

結論として、ジャマイカのオレンジ生産量の安定化と増加には、長期的な戦略が必要です。国連や国際機関の支援も活用しながら、国内外の需要に応えられる強固なオレンジ産業を構築することが期待されます。このような取り組みが、ジャマイカ農業全体の発展と、同国の経済および食品安全保障の向上に寄与することでしょう。