世界の馬飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

1988年度の国別馬飼養数ランキングで、中国が約1069万頭と圧倒的な1位を占めています。2位のメキシコ（約616万頭）、3位のブラジル（約597万頭）と続き、馬の飼養数は広大な土地や農畜産業が盛んな国々に集中していることが分かります。一方で、日本は79位にランクインし、約2万1500頭と比較的少ない馬飼養数となっており、他国との大きな差が見受けられます。このデータは、各国の国土利用や産業構造、文化的背景の違いが馬飼養数に大きく影響していることを示しています。

順位	国名	地域	飼養数(頭)
1	中国	アジア	10,691,000
2	メキシコ	南アメリカ	6,160,000
3	ブラジル	南アメリカ	5,971,494
4	アメリカ合衆国	北アメリカ	5,076,000
5	アルゼンチン	南アメリカ	2,900,000
6	モンゴル	アジア	2,047,100
7	コロンビア	南アメリカ	1,935,560
8	ポーランド	ヨーロッパ	1,050,972
9	インド	アジア	840,000
10	キューバ	南アメリカ	702,800
11	ルーマニア	ヨーロッパ	693,000
12	インドネシア	アジア	675,000
13	ペルー	南アメリカ	655,000
14	トルコ	アジア	590,000
15	カナダ	北アメリカ	550,000
16	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	495,000
17	チリ	南アメリカ	490,000
18	ドイツ	ヨーロッパ	469,000
19	ウルグアイ	南アメリカ	466,259
20	ハイチ	南アメリカ	430,000
21	エクアドル	南アメリカ	426,800
22	アフガニスタン	アジア	387,000
23	セネガル	アフリカ	380,000
24	パキスタン	アジア	378,000
25	オーストラリア	オセアニア	334,562
26	パラグアイ	南アメリカ	328,334
27	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	315,000
28	ドミニカ共和国	南アメリカ	310,000
29	フランス	ヨーロッパ	266,100
30	ニカラグア	南アメリカ	250,000
31	イタリア	ヨーロッパ	249,900
32	スペイン	ヨーロッパ	247,000
33	南アフリカ	アフリカ	230,000
34	ナイジェリア	アフリカ	212,000
35	フィリピン	アジア	200,000
36	モロッコ	アフリカ	197,600
37	ニジェール	アフリカ	194,025
38	チャド	アフリカ	187,690
39	ホンジュラス	南アメリカ	170,600
40	イギリス	ヨーロッパ	168,000
41	イラン（イスラム共和国）	アジア	155,000
42	パナマ	南アメリカ	144,000
43	ミャンマー	アジア	138,384
44	ベトナム	アジア	133,000
45	ブルガリア	ヨーロッパ	122,815
46	レソト	アフリカ	115,775
47	コスタリカ	南アメリカ	114,000
48	グアテマラ	南アメリカ	112,000
49	ニュージーランド	オセアニア	96,671
50	エルサルバドル	南アメリカ	93,000
51	ハンガリー	ヨーロッパ	87,700
52	アルジェリア	アフリカ	85,030
53	オランダ	ヨーロッパ	64,300
54	アイスランド	ヨーロッパ	63,531
55	アルバニア	ヨーロッパ	60,100
56	スウェーデン	ヨーロッパ	57,500
57	ギリシャ	ヨーロッパ	56,970
58	マリ	アフリカ	56,332
59	イラク	アジア	55,000
60	チュニジア	アフリカ	55,000
61	アイルランド	ヨーロッパ	53,100
62	ナミビア	アフリカ	50,000
63	スイス	ヨーロッパ	49,190
64	オーストリア	ヨーロッパ	45,179
65	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	43,000
66	ラオス人民民主共和国	アジア	42,000
67	フィジー	オセアニア	41,500
68	シリア・アラブ共和国	アジア	40,000
69	フィンランド	ヨーロッパ	35,600
70	デンマーク	ヨーロッパ	34,268
71	ボツワナ	アフリカ	28,600
72	ポルトガル	ヨーロッパ	26,000
73	ブータン	アジア	25,700
74	リビア	アフリカ	25,000
75	東ティモール	アジア	24,117
76	ジンバブエ	アフリカ	22,500
77	プエルトリコ	南アメリカ	22,000
78	ブルキナファソ	アフリカ	22,000
79	日本	アジア	21,500
80	タイ	アジア	18,919
81	ガンビア	アフリカ	17,407
82	ノルウェー	ヨーロッパ	17,200
83	モーリタニア	アフリカ	16,600
84	カンボジア	アジア	15,000
85	カメルーン	アフリカ	13,334
86	トンガ	オセアニア	11,000
87	ニューカレドニア	オセアニア	10,000
88	エジプト	アフリカ	9,500
89	ベリーズ	南アメリカ	5,000
90	レバノン	アジア	5,000
91	マレーシア	アジア	4,800
92	イスラエル	アジア	4,000
93	ジャマイカ	南アメリカ	3,900
94	大韓民国	アジア	3,558
95	クウェート	アジア	3,350
96	サウジアラビア	アジア	3,200
97	サモア	オセアニア	3,100
98	イエメン	アジア	3,000
99	ヨルダン	アジア	3,000
100	バヌアツ	オセアニア	3,000
101	ガイアナ	南アメリカ	2,400
102	フランス領ポリネシア	オセアニア	2,240
103	マルティニーク	南アメリカ	2,050
104	ケニア	アフリカ	2,000
105	ガーナ	アフリカ	1,854
106	ギニア	アフリカ	1,800
107	トーゴ	アフリカ	1,600
108	スリランカ	アジア	1,500
109	ギニアビサウ	アフリカ	1,400
110	パプアニューギニア	オセアニア	1,300
111	エスワティニ	アフリカ	1,280
112	ベナン	アフリカ	1,181
113	グアドループ	南アメリカ	1,100
114	カタール	アジア	1,041
115	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	1,000
116	バルバドス	南アメリカ	1,000
117	セントルシア	南アメリカ	1,000
118	中国、香港特別行政区	アジア	995
119	カーボベルデ	アフリカ	984
120	マルタ	ヨーロッパ	940
121	ソマリア	アフリカ	910
122	アンゴラ	アフリカ	850
123	キプロス	アジア	650
124	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	540
125	マダガスカル	アフリカ	420
126	中国、台湾 中国省	アジア	419
127	クック諸島	オセアニア	355
128	スリナム	南アメリカ	351
129	レユニオン	アフリカ	300
130	アラブ首長国連邦	アジア	265
131	フランス領ギアナ	南アメリカ	250
132	サントメ・プリンシペ	アフリカ	210
133	モーリシャス	アフリカ	150
134	ソロモン諸島	オセアニア	100
135	コンゴ	アフリカ	75
136	マラウイ	アフリカ	50
137	グレナダ	南アメリカ	27
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国際連合食糧農業機関（FAO）のデータから、1988年における世界各国の馬飼養数の実態が明らかになっています。1位の中国は約1069万頭の馬を飼養しており、その数は世界全体の中でも突出しています。この背景には、中国が広大な国土を持つ上に、農業や運搬の手段としての馬の利用が農村部で盛んであったことが挙げられます。続くメキシコとブラジルも農業や牧畜が主要産業であり、それゆえに馬が重用されていると考えられます。

アメリカ合衆国は4位で約507万頭を記録しており、馬術、競馬、牧畜といった多様な用途で馬を飼養している点が特徴です。他方、5位のアルゼンチンや6位のモンゴルも、農畜産業や牧歌的な生活様式を支える重要な資源として馬が利用されてきました。特にモンゴルでは、遊牧生活が文化の一部であり、人口当たりの馬の所有数が非常に高い国の一つと言われます。

一方で、日本の馬飼養数は約2万1500頭で、全体の中では79位です。この低い順位は、国土の狭さや都市化の進展により、農業や運搬のための馬の利用が急速に減少したことが主な要因と考えられます。また、馬は競馬や観光、さらには趣味としての乗馬用途に限定されているため、産業としての役割は大きく縮小しました。

地域ごとの課題を考えると、農業における馬の利用が依然として重要な役割を果たしている国々では、馬の健康管理が課題となっています。例えば、伝染性疾患が広がるリスクはグローバル化する中で増えつつあり、持続可能な飼養環境を整える必要性が高まっています。さらに、紛争地域や自然災害の多発地域では、十分な飼料供給や医療サービスが立ち遅れており、馬の生存率が懸念されています。一方で、先進国では、都市化やモータリゼーションが進む中で馬の役割が限定的となり、競技用や観光用途以外での飼養は減少の一途を辿っています。

地政学的背景としては、モンゴルやアルゼンチンといった広大な土地を持つ国々が馬資源を維持する上で、地域内での気候変動や紛争のリスクを抱えていることが挙げられます。これらの地域では、馬を含む家畜が生活基盤となっており、これによる資源争奪や配分の不均衡がさらなる社会問題を引き起こす可能性があります。

未来に向けた具体的な提言としては、以下のような点が重要です。まず、馬の健康を守るための国際的な検疫体制の整備や、伝染病の予防を強化する施策が必要です。また、アジアの遊牧民族や南アメリカの農村部では、馬を利用した農業の持続可能性を支援する国際的な協力体制が求められます。加えて、都市部へ移行しつつある先進国においては、馬の観光や文化的価値を高める取り組みを通じて、飼養の意義を再確認する必要があります。

以上のように、1988年当時の馬飼養数のランキングデータは、各国の経済、文化、地政学的背景が馬の利用状況に強く影響していることを示しています。その一方で、グローバル化する中での共通課題や地域的なリスクが浮き彫りとなっています。馬を含む家畜資源の持続可能な利用を実現するためには、世界的な協力の枠組みを強化し、地域ごとの特性と課題に応じた政策を進めていくことが求められます。