世界のヤギ飼養頭数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

1972年における世界のヤギ飼養頭数ランキングでは、インドが6,751万8,000頭で首位となり、中国が6,278万頭で続きます。これらの国々が突出した飼養数を示している一方、トップ10にはアジア、中東、アフリカ地域の国々が集まっています。一方で日本は162,568頭で87位となり、他の先進国（アメリカ37位、ドイツ88位、大韓民国90位）とともに飼養頭数が比較的少ない傾向にあります。データからは、ヤギが主に農牧業に依存する国々において重要な役割を果たしている様子がうかがえます。

順位	国名	地域	飼養頭数(頭)
1	インド	アジア	67,518,000
2	中国	アジア	62,780,000
3	トルコ	アジア	19,169,008
4	パキスタン	アジア	15,581,000
5	ソマリア	アフリカ	14,700,000
6	イラン（イスラム共和国）	アジア	13,460,000
7	バングラデシュ	アジア	9,800,000
8	メキシコ	南アメリカ	9,232,390
9	ニジェール	アフリカ	8,168,499
10	モロッコ	アフリカ	8,000,000
11	インドネシア	アジア	7,189,000
12	ブラジル	南アメリカ	6,000,000
13	アルゼンチン	南アメリカ	5,460,000
14	南アフリカ	アフリカ	5,348,000
15	マリ	アフリカ	4,600,000
16	タンザニア連合共和国	アフリカ	4,554,000
17	ナイジェリア	アフリカ	4,304,000
18	ネパール	アジア	4,250,000
19	モンゴル	アジア	4,194,800
20	ギリシャ	ヨーロッパ	4,184,703
21	ケニア	アフリカ	4,050,000
22	チャド	アフリカ	2,600,000
23	イエメン	アジア	2,554,000
24	ブルキナファソ	アフリカ	2,550,000
25	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	2,543,290
26	スペイン	ヨーロッパ	2,514,286
27	モーリタニア	アフリカ	2,500,000
28	コンゴ民主共和国	アフリカ	2,430,300
29	アルジェリア	アフリカ	2,406,960
30	イラク	アジア	2,400,000
31	アフガニスタン	アジア	2,000,000
32	ペルー	南アメリカ	1,991,500
33	ウガンダ	アフリカ	1,953,000
34	ジンバブエ	アフリカ	1,905,000
35	カメルーン	アフリカ	1,900,000
36	ガーナ	アフリカ	1,694,000
37	アメリカ合衆国	北アメリカ	1,650,000
38	ナミビア	アフリカ	1,420,000
39	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	1,278,714
40	エジプト	アフリカ	1,234,000
41	ハイチ	南アメリカ	1,166,000
42	リビア	アフリカ	1,109,000
43	マダガスカル	アフリカ	1,101,469
44	フィリピン	アジア	1,082,600
45	チュニジア	アフリカ	1,040,000
46	セネガル	アフリカ	1,000,000
47	ボツワナ	アフリカ	983,229
48	イタリア	ヨーロッパ	975,890
49	レソト	アフリカ	930,000
50	フランス	ヨーロッパ	908,600
51	チリ	南アメリカ	900,000
52	アンゴラ	アフリカ	900,000
53	コートジボワール	アフリカ	893,500
54	サウジアラビア	アジア	755,210
55	ポルトガル	ヨーロッパ	755,044
56	アルバニア	ヨーロッパ	726,100
57	シリア・アラブ共和国	アジア	697,079
58	コロンビア	南アメリカ	660,000
59	ベナン	アフリカ	636,900
60	中央アフリカ共和国	アフリカ	630,000
61	マラウイ	アフリカ	629,901
62	トーゴ	アフリカ	617,000
63	モザンビーク	アフリカ	580,337
64	ミャンマー	アジア	569,871
65	ルーマニア	ヨーロッパ	562,514
66	スリランカ	アジア	561,782
67	ブルンジ	アフリカ	560,420
68	ジブチ	アフリカ	510,000
69	ルワンダ	アフリカ	505,876
70	ヨルダン	アジア	387,200
71	キプロス	アジア	365,000
72	レバノン	アジア	354,548
73	マレーシア	アジア	346,462
74	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	340,000
75	ギニア	アフリカ	338,358
76	ドミニカ共和国	南アメリカ	328,000
77	ブルガリア	ヨーロッパ	318,441
78	アラブ首長国連邦	アジア	300,000
79	ジャマイカ	南アメリカ	300,000
80	エスワティニ	アフリカ	252,037
81	ザンビア	アフリカ	244,876
82	東ティモール	アジア	210,277
83	エクアドル	南アメリカ	200,000
84	ベトナム	アジア	189,000
85	中国、台湾 中国省	アジア	174,252
86	オマーン	アジア	165,000
87	日本	アジア	162,568
88	ドイツ	ヨーロッパ	156,437
89	リベリア	アフリカ	155,000
90	大韓民国	アジア	152,227
91	フィジー	オセアニア	142,000
92	イスラエル	アジア	131,000
93	ギニアビサウ	アフリカ	126,000
94	ガンビア	アフリカ	125,000
95	シエラレオネ	アフリカ	109,000
96	パラグアイ	南アメリカ	86,600
97	キューバ	南アメリカ	83,000
98	コモロ	アフリカ	81,000
99	グアテマラ	南アメリカ	79,000
100	ノルウェー	ヨーロッパ	76,210
101	コンゴ	アフリカ	75,000
102	クウェート	アジア	73,718
103	オーストラリア	オセアニア	70,000
104	スイス	ヨーロッパ	70,000
105	モーリシャス	アフリカ	65,000
106	ニュージーランド	オセアニア	65,000
107	オーストリア	ヨーロッパ	56,370
108	ガボン	アフリカ	50,000
109	グアドループ	南アメリカ	45,000
110	カーボベルデ	アフリカ	44,000
111	カタール	アジア	42,315
112	ガイアナ	南アメリカ	40,000
113	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	38,000
114	ハンガリー	ヨーロッパ	36,193
115	ラオス人民民主共和国	アジア	36,000
116	タイ	アジア	32,000
117	レユニオン	アフリカ	25,000
118	ホンジュラス	南アメリカ	22,000
119	プエルトリコ	南アメリカ	20,600
120	オランダ	ヨーロッパ	20,000
121	カナダ	北アメリカ	18,000
122	バルバドス	南アメリカ	18,000
123	マルティニーク	南アメリカ	17,000
124	ブータン	アジア	15,650
125	マルタ	ヨーロッパ	14,002
126	エルサルバドル	南アメリカ	14,000
127	ニューカレドニア	オセアニア	14,000
128	バーレーン	アジア	13,700
129	バハマ	南アメリカ	13,700
130	ウルグアイ	南アメリカ	12,000
131	フランス領ポリネシア	オセアニア	11,400
132	バヌアツ	オセアニア	9,670
133	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	9,500
134	セントルシア	南アメリカ	7,500
135	赤道ギニア	アフリカ	7,200
136	グレナダ	南アメリカ	7,000
137	ニカラグア	南アメリカ	6,600
138	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	6,200
139	スリナム	南アメリカ	5,500
140	パナマ	南アメリカ	5,400
141	ドミニカ	南アメリカ	5,200
142	トンガ	オセアニア	4,300
143	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	3,200
144	セーシェル	アフリカ	2,700
145	シンガポール	アジア	2,000
146	フィンランド	ヨーロッパ	1,800
147	コスタリカ	南アメリカ	1,300
148	パプアニューギニア	オセアニア	1,250
149	ベリーズ	南アメリカ	1,200
150	サントメ・プリンシペ	アフリカ	1,000
151	ブルネイ ダルサラーム	アジア	1,000
152	クック諸島	オセアニア	1,000
153	フランス領ギアナ	南アメリカ	750
154	中国、香港特別行政区	アジア	296
155	アイスランド	ヨーロッパ	235
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このランキングは、国際連合食糧農業機関（FAO）によって発表されたヤギ飼養頭数データをもとにしています。このデータは、各国におけるヤギ飼養の規模を示し、農牧業や食料供給の状況を理解する上で重要な指標となっています。ランキングのトップにはインドと中国が位置し、それぞれ6,751万8,000頭と6,278万頭を飼養しています。この二国は、広大な農村地帯を有し、農業を基盤とした社会が長く続いてきた歴史を背景に、ヤギが伝統的に食肉、乳、皮革などの重要な資源として扱われてきました。

この一覧から、ヤギ飼養は特に南アジア、中東、アフリカ地域で盛んであることがわかります。例えば、トルコ（3位）、パキスタン（4位）、ソマリア（5位）などの国々は、乾燥地帯や農村地帯が広がる環境に適応したヤギの飼育が主流となっています。これらの国々では、ヤギが畜産業において重要な地位を占め、地元の食文化や経済にも深く根付いています。

対照的に先進国でのヤギ飼養は少なく、日本は162,568頭という飼養数で87位に留まっています。同様にアメリカ（1,650,000頭、37位）やドイツ（156,437頭、88位）も比較的少ない数値を示しており、これらの国々が畜産資源を牛や豚、鶏といった他の家畜に依存していることが反映されています。また、多くの先進国では肉や乳の供給が商業化された大規模な産業であるため、小規模で多目的な飼養が多いヤギは相対的に主要産業としての位置づけが低いです。

このような地域差の要因として、ヤギの飼養が土地や気候条件における制約に合わせた対応策である点が挙げられます。例えば、アフリカでは干ばつや貧困、食料不安に対する持続可能な解決策として、小規模で管理が容易なヤギが重要な資源となっています。一方、先進国では気候条件がヤギ以外に適した家畜を飼養するのに向いているか、または輸入によって需要を賄っている場合が多いです。

これに関連して、地政学的な背景も重要です。例えば、アフリカや中東の一部地域では紛争や資源不足の中でヤギが生計維持のための基本資源として利用されています。こうした状況では、ヤギは食料自給に欠かせないだけでなく、その取引が地域経済を支える要素にもなっています。ただし、こうした環境では家畜への投資が十分に行われず、生産性の向上が難しいことが課題です。

未来を見据えると、ヤギの飼養を取り巻く問題解決に向けた具体的な方策が求められています。まず、各国がヤギに関する持続可能な農業政策を進める必要があります。例えば、アフリカ諸国では飼育技術や飼料の供給改善を通じて生産性を上げる支援が有効でしょう。また、FAOなどの国際機関が協力して、気候変動の影響に対する耐性を持つ品種を普及させる努力も重要です。

一方で、日本や他の先進国では、少ない飼養頭数を活かして高付加価値製品、例えば高品質の乳やチーズ、皮革の生産を推進することで、国内産業としての役割を見出すことが可能です。また、環境負荷の低い飼養形態を開発し、プラスチックの代替となる自然資源製品の基盤づくりに応用することも視野に入れるべきです。

結論として、このランキングデータは、ヤギ飼養が持つ多面的な意義を示すと同時に、各国・地域が抱える課題を浮き彫りにしています。地球規模での食料と資源の持続可能性を追求する中で、ヤギという資源の可能性を再評価し、それぞれの国や地域に適した育成戦略を検討していく必要があります。