世界の馬飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が公開した1982年の馬飼養数ランキングによると、1位は中国で10,972,000頭、2位はメキシコの6,134,200頭、3位はブラジルの5,259,708頭でした。日本は75位で23,200頭を飼養しており、アジアの中でも比較的低い水準に位置しています。このデータから、国ごとの馬飼養数の地域的偏りや文化的・経済的傾向が浮き彫りになりました。

順位	国名	地域	飼養数(頭)
1	中国	アジア	10,972,000
2	メキシコ	南アメリカ	6,134,200
3	ブラジル	南アメリカ	5,259,708
4	アメリカ合衆国	北アメリカ	5,051,000
5	アルゼンチン	南アメリカ	3,000,000
6	モンゴル	アジア	1,991,100
7	コロンビア	南アメリカ	1,744,000
8	ポーランド	ヨーロッパ	1,733,643
9	インド	アジア	899,000
10	キューバ	南アメリカ	810,200
11	トルコ	アジア	772,000
12	インドネシア	アジア	658,000
13	ペルー	南アメリカ	653,000
14	ルーマニア	ヨーロッパ	598,000
15	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	481,000
16	ウルグアイ	南アメリカ	465,236
17	オーストラリア	オセアニア	459,457
18	チリ	南アメリカ	450,000
19	パキスタン	アジア	447,000
20	ドイツ	ヨーロッパ	439,483
21	ハイチ	南アメリカ	420,000
22	アフガニスタン	アジア	405,000
23	カナダ	北アメリカ	370,000
24	ニジェール	アフリカ	329,445
25	フランス	ヨーロッパ	323,000
26	エクアドル	南アメリカ	322,281
27	パラグアイ	南アメリカ	311,385
28	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	310,000
29	イラン（イスラム共和国）	アジア	291,000
30	イタリア	ヨーロッパ	272,300
31	ニカラグア	南アメリカ	270,000
32	スペイン	ヨーロッパ	251,000
33	南アフリカ	アフリカ	225,000
34	ナイジェリア	アフリカ	224,000
35	ドミニカ共和国	南アメリカ	204,000
36	セネガル	アフリカ	204,000
37	フィリピン	アジア	194,000
38	チャド	アフリカ	173,000
39	モロッコ	アフリカ	171,670
40	アルジェリア	アフリカ	168,000
41	ホンジュラス	南アメリカ	166,000
42	イギリス	ヨーロッパ	155,000
43	パナマ	南アメリカ	128,000
44	ブルガリア	ヨーロッパ	118,729
45	ミャンマー	アジア	118,000
46	ベトナム	アジア	113,200
47	コスタリカ	南アメリカ	113,000
48	ハンガリー	ヨーロッパ	112,000
49	レソト	アフリカ	104,426
50	グアテマラ	南アメリカ	99,800
51	ギリシャ	ヨーロッパ	95,022
52	ニュージーランド	オセアニア	90,000
53	エルサルバドル	南アメリカ	89,000
54	マリ	アフリカ	77,000
55	アイルランド	ヨーロッパ	61,500
56	東ティモール	アジア	60,000
57	オランダ	ヨーロッパ	59,309
58	スウェーデン	ヨーロッパ	57,000
59	イラク	アジア	55,000
60	シリア・アラブ共和国	アジア	54,519
61	アイスランド	ヨーロッパ	53,650
62	チュニジア	アフリカ	52,000
63	アルバニア	ヨーロッパ	50,000
64	ナミビア	アフリカ	46,000
65	スイス	ヨーロッパ	45,000
66	オーストリア	ヨーロッパ	41,514
67	フィジー	オセアニア	40,000
68	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	40,000
69	リビア	アフリカ	38,000
70	ラオス人民民主共和国	アジア	36,000
71	デンマーク	ヨーロッパ	35,000
72	フィンランド	ヨーロッパ	34,300
73	ポルトガル	ヨーロッパ	29,000
74	ボツワナ	アフリカ	24,000
75	日本	アジア	23,200
76	カメルーン	アフリカ	20,000
77	プエルトリコ	南アメリカ	20,000
78	ブルキナファソ	アフリカ	20,000
79	ジンバブエ	アフリカ	19,500
80	タイ	アジア	18,834
81	ブータン	アジア	15,500
82	ノルウェー	ヨーロッパ	15,400
83	モーリタニア	アフリカ	14,000
84	ガンビア	アフリカ	13,500
85	トンガ	オセアニア	11,480
86	ニューカレドニア	オセアニア	10,000
87	エジプト	アフリカ	9,381
88	カンボジア	アジア	9,000
89	ベナン	アフリカ	5,946
90	ベリーズ	南アメリカ	5,000
91	マレーシア	アジア	5,000
92	クック諸島	オセアニア	4,400
93	イスラエル	アジア	4,000
94	ジャマイカ	南アメリカ	3,800
95	ガーナ	アフリカ	3,300
96	ヨルダン	アジア	3,067
97	サウジアラビア	アジア	3,046
98	イエメン	アジア	3,000
99	サモア	オセアニア	3,000
100	大韓民国	アジア	2,973
101	ガイアナ	南アメリカ	2,400
102	レバノン	アジア	2,200
103	フランス領ポリネシア	オセアニア	2,050
104	マルティニーク	南アメリカ	2,000
105	ケニア	アフリカ	2,000
106	エスワティニ	アフリカ	1,657
107	スリランカ	アジア	1,500
108	パプアニューギニア	オセアニア	1,282
109	グアドループ	南アメリカ	1,200
110	カタール	アジア	1,197
111	中国、香港特別行政区	アジア	1,090
112	バヌアツ	オセアニア	1,030
113	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	1,000
114	バルバドス	南アメリカ	1,000
115	カーボベルデ	アフリカ	1,000
116	ギニア	アフリカ	1,000
117	セントルシア	南アメリカ	1,000
118	アンゴラ	アフリカ	1,000
119	マルタ	ヨーロッパ	890
120	ギニアビサウ	アフリカ	850
121	マダガスカル	アフリカ	829
122	ソマリア	アフリカ	750
123	キプロス	アジア	700
124	トーゴ	アフリカ	621
125	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	550
126	レユニオン	アフリカ	300
127	中国、台湾 中国省	アジア	225
128	サントメ・プリンシペ	アフリカ	210
129	アラブ首長国連邦	アジア	200
130	フランス領ギアナ	南アメリカ	170
131	モーリシャス	アフリカ	150
132	マラウイ	アフリカ	110
133	ソロモン諸島	オセアニア	100
134	スリナム	南アメリカ	92
135	コンゴ	アフリカ	81
136	グレナダ	南アメリカ	25
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1982年の馬飼養数ランキングは、当時の各国における馬の利用状況や経済・文化的背景を見る上で重要な指標です。このデータは、動物資源の利用パターンや農業、輸送、競馬などの娯楽産業の動向を理解するために収集されました。総じて、上位にランクインしている国々は、広大な牧草地を持つ農牧業大国や、馬を主要な輸送手段とする農村地域が広がる国々です。

中国が約1,097万頭と圧倒的な1位を占めていますが、これは同国の広大な農村部における馬の多目的利用が背景にあります。農耕作業や輸送手段として、また一部地域では競技や儀式にも用いられています。同じく2位のメキシコや3位のブラジルも、広大な土地での放牧文化や牧畜業の一環として馬の飼養数が多くなっています。一方で、アメリカ合衆国（5,051,000頭）は娯楽産業や競馬、また馬術文化の広がりが飼養数に影響を与えていると考えられます。

これに対して、日本は23,200頭で75位という位置にあり、アジア諸国の中でも目立った頭数を持たないことがわかります。日本は農業機械化が進んでおり、馬が農耕や輸送として用いられる頻度が他国に比べて低いことが影響しています。アジア内でも、多くの馬が農地や牧草地に依存するモンゴル（1,991,100頭）や農村人口が依然として多いインド（899,000頭）の方が遥かに高い飼養数を記録しています。

地政学的に見ても興味深い点があります。たとえば、モンゴルはその地理的特徴や遊牧文化により飼養数が高いですが、気候変動が遊牧文化に与える影響や土地利用の制限の問題は将来の課題として考えられます。一方、アメリカやヨーロッパ諸国では飼養目的が農業から娯楽や嗜好にシフトしつつあります。たとえばフランスやイギリスでは競馬や乗馬が主要な理由となりつつあり、都市部での馬の需要減少が続いています。

感染症や気候リスクもまた、馬飼養数に潜在的な影響を及ぼす要因です。近年では動物の疾病流行が国を越えて広がる懸念が高まっており、馬における疾病管理も国際的な課題となっています。また、砂漠化や熱波などの気候変動の影響を受けるアフリカや中東の国々では、牧草資源の枯渇が牧畜を制約しつつあります。

今後、国際社会では国ごとの事情に応じた馬の利用法や飼養管理を検討するべきです。中国やモンゴルのように馬が生活必需品としての役割を果たしている地域では、持続可能な土地利用と馬の繁殖管理が重要です。一方で、アメリカやヨーロッパ諸国では、動物福祉や娯楽産業に合わせた飼養指針の整備が優先課題として挙げられるでしょう。さらに、アジアやアフリカにおける農村部では、適切な資源配分と馬に代わり得る技術の対策を通じて、気候変動の影響を最小限に抑える努力が必要です。

日本においても、馬を農業目的以外で活用する新しいビジネスモデルの模索が期待される一方で、伝統的な競馬文化の維持と資源の再配分が重要になるでしょう。また動物愛護の観点から、すでに飼養されている頭数の中で個体の健康や福祉を向上させる取り組みが求められます。国際連合、各国政府、地域ごとの専門家を交えた協議の場を作り、共通の課題解決に向けた連携を進めることが望まれます。