世界の牛乳生産量ランキング【1961〜2022】国別推移・年間比較データ

1981年の世界の牛乳生産量ランキングによると、1位はアメリカ合衆国で約6,000万トン、2位がインドで約3,400万トン、3位はドイツで約3,200万トンでした。これら上位3か国が世界の牛乳生産の大部分を占めています。日本は6,610,232トンで15位、アジア圏ではインド、中国、パキスタンに次ぐ順位です。全体的な生産分布を見ると北米、ヨーロッパ、アジアが上位を占め、アフリカや中南米の多くの国は比較的低い生産量に留まっています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	60,223,008
2	インド	アジア	34,300,008
3	ドイツ	ヨーロッパ	32,076,008
4	フランス	ヨーロッパ	28,019,675
5	イギリス	ヨーロッパ	15,865,000
6	ポーランド	ヨーロッパ	15,334,391
7	オランダ	ヨーロッパ	12,148,000
8	ブラジル	南アメリカ	11,780,010
9	イタリア	ヨーロッパ	11,341,400
10	トルコ	アジア	9,838,780
11	パキスタン	アジア	9,195,000
12	カナダ	北アメリカ	7,545,367
13	メキシコ	南アメリカ	7,365,140
14	ニュージーランド	オセアニア	6,683,970
15	日本	アジア	6,610,232
16	スペイン	ヨーロッパ	6,592,221
17	オーストラリア	オセアニア	5,406,000
18	アルゼンチン	南アメリカ	5,278,720
19	デンマーク	ヨーロッパ	5,037,000
20	アイルランド	ヨーロッパ	4,682,800
21	ルーマニア	ヨーロッパ	3,935,000
22	スイス	ヨーロッパ	3,680,000
23	オーストリア	ヨーロッパ	3,544,400
24	スウェーデン	ヨーロッパ	3,495,975
25	フィンランド	ヨーロッパ	3,190,000
26	中国	アジア	3,127,600
27	イラン（イスラム共和国）	アジア	2,900,000
28	ハンガリー	ヨーロッパ	2,737,799
29	南アフリカ	アフリカ	2,500,000
30	コロンビア	南アメリカ	2,392,950
31	ブルガリア	ヨーロッパ	2,295,638
32	ソマリア	アフリカ	2,207,371
33	ノルウェー	ヨーロッパ	1,990,200
34	エジプト	アフリカ	1,935,650
35	ギリシャ	ヨーロッパ	1,691,283
36	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	1,438,057
37	チリ	南アメリカ	1,247,200
38	バングラデシュ	アジア	1,187,477
39	ケニア	アフリカ	1,175,700
40	キューバ	南アメリカ	1,134,200
41	シリア・アラブ共和国	アジア	1,097,410
42	エクアドル	南アメリカ	949,380
43	ポルトガル	ヨーロッパ	930,874
44	アフガニスタン	アジア	862,100
45	モロッコ	アフリカ	832,720
46	ウルグアイ	南アメリカ	829,955
47	アルジェリア	アフリカ	827,800
48	ペルー	南アメリカ	803,770
49	ネパール	アジア	753,400
50	イスラエル	アジア	747,150
51	イラク	アジア	543,500
52	大韓民国	アジア	515,462
53	タンザニア連合共和国	アフリカ	459,285
54	マダガスカル	アフリカ	450,000
55	ドミニカ共和国	南アメリカ	440,000
56	マリ	アフリカ	421,302
57	プエルトリコ	南アメリカ	415,840
58	ジンバブエ	アフリカ	410,000
59	アルバニア	ヨーロッパ	388,130
60	ミャンマー	アジア	376,247
61	ニジェール	アフリカ	348,830
62	ウガンダ	アフリカ	332,150
63	コスタリカ	南アメリカ	319,920
64	ナイジェリア	アフリカ	292,000
65	スリランカ	アジア	265,101
66	チュニジア	アフリカ	264,100
67	サウジアラビア	アジア	255,692
68	インドネシア	アジア	253,800
69	エルサルバドル	南アメリカ	248,320
70	グアテマラ	南アメリカ	242,860
71	モーリタニア	アフリカ	230,600
72	ホンジュラス	南アメリカ	225,299
73	モンゴル	アジア	219,100
74	パラグアイ	南アメリカ	163,829
75	チャド	アフリカ	160,020
76	アンゴラ	アフリカ	155,000
77	ニカラグア	南アメリカ	152,000
78	レバノン	アジア	145,000
79	リビア	アフリカ	125,064
80	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	115,975
81	カメルーン	アフリカ	115,200
82	アイスランド	ヨーロッパ	115,000
83	イエメン	アジア	104,090
84	ボツワナ	アフリカ	93,825
85	パナマ	南アメリカ	92,695
86	セネガル	アフリカ	92,072
87	ブルキナファソ	アフリカ	90,870
88	キプロス	アジア	76,809
89	ルワンダ	アフリカ	76,480
90	モザンビーク	アフリカ	72,513
91	ナミビア	アフリカ	68,000
92	ザンビア	アフリカ	62,700
93	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	60,000
94	中国、台湾 中国省	アジア	52,007
95	フィジー	オセアニア	50,000
96	ジャマイカ	南アメリカ	48,000
97	ギニア	アフリカ	46,265
98	ベトナム	アジア	44,000
99	ヨルダン	アジア	41,970
100	ブルンジ	アフリカ	41,130
101	マレーシア	アジア	38,275
102	ハイチ	南アメリカ	37,600
103	マラウイ	アフリカ	37,300
104	エスワティニ	アフリカ	36,500
105	オマーン	アジア	32,614
106	フィリピン	アジア	32,000
107	ブータン	アジア	29,868
108	マルタ	ヨーロッパ	28,476
109	クウェート	アジア	27,800
110	タイ	アジア	25,000
111	アラブ首長国連邦	アジア	24,722
112	中央アフリカ共和国	アフリカ	24,280
113	レソト	アフリカ	20,300
114	シエラレオネ	アフリカ	19,000
115	ベナン	アフリカ	17,724
116	ガーナ	アフリカ	16,120
117	カンボジア	アジア	15,300
118	コートジボワール	アフリカ	12,200
119	ギニアビサウ	アフリカ	11,695
120	モーリシャス	アフリカ	7,500
121	スリナム	南アメリカ	7,416
122	バルバドス	南アメリカ	7,146
123	トーゴ	アフリカ	6,953
124	ガイアナ	南アメリカ	6,800
125	ジブチ	アフリカ	6,675
126	カタール	アジア	6,500
127	コンゴ民主共和国	アフリカ	6,240
128	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	6,022
129	レユニオン	アフリカ	5,827
130	バーレーン	アジア	5,602
131	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	5,500
132	ガンビア	アフリカ	5,163
133	マルティニーク	南アメリカ	4,800
134	中国、香港特別行政区	アジア	4,470
135	ベリーズ	南アメリカ	4,100
136	コモロ	アフリカ	3,350
137	ラオス人民民主共和国	アジア	3,300
138	ドミニカ	南アメリカ	3,000
139	カーボベルデ	アフリカ	2,936
140	バヌアツ	オセアニア	1,870
141	フランス領ポリネシア	オセアニア	1,806
142	バハマ	南アメリカ	1,720
143	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	1,420
144	グアドループ	南アメリカ	1,339
145	ソロモン諸島	オセアニア	1,300
146	グレナダ	南アメリカ	1,160
147	ニューカレドニア	オセアニア	1,140
148	サモア	オセアニア	1,000
149	セントルシア	南アメリカ	970
150	コンゴ	アフリカ	875
151	リベリア	アフリカ	780
152	東ティモール	アジア	625
153	トンガ	オセアニア	554
154	セーシェル	アフリカ	538
155	フランス領ギアナ	南アメリカ	371
156	パプアニューギニア	オセアニア	366
157	ガボン	アフリカ	203
158	サントメ・プリンシペ	アフリカ	99
159	ブルネイ ダルサラーム	アジア	96
160	ニウエ	オセアニア	48
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国際連合食糧農業機関（FAO）が発表したデータによると、1981年の牛乳生産量のランキングでアメリカ合衆国がトップに立っています。同国の牛乳生産量は60,223,008トンで、他国を大きく引き離しました。この結果は、アメリカの広大な農地、先進的な農業技術、大規模な酪農産業インフラなどが寄与していると考えられます。同時に、アメリカの乳製品市場の強さが、世界的な酪農の中心としての地位を支えています。

次にランクインしたインドは34,300,008トンと、依然としてアメリカには差をつけられていました。しかしこの時期、インドでは「ホワイト・レボリューション」と呼ばれる牛乳生産拡大政策が進められており、小規模農家の酪農促進や乳業インフラ投資が効果を上げ始めていました。この流れがインドの牛乳生産を後年、爆発的に増加させる基礎を築いたといえます。

ヨーロッパ諸国では、ドイツが32,076,008トンで3位、西欧のフランス（28,019,675トン）やイギリス（15,865,000トン）も上位にランクインしています。これらの欧州諸国は一人あたりの乳製品消費量が多いため、国内生産が需要を支える構造になっています。一方で、東側陣営のポーランド（15,334,391トン）も比較的高い生産量を持ち、冷戦下においても農業が国家経済の重要な柱であることを示しています。また、オランダ（12,148,000トン）やデンマーク（5,037,000トン）のような小国も、大規模な牧畜技術や輸出志向産業を背景に競争力を保っていました。

アジアで注目される国の一つが中国（3,127,600トン）です。この時期の中国の牛乳生産量は他の主要諸国に比べて低く、食文化や経済の発展段階が要因となっていました。しかし、経済改革が進む中、この低い数値は後の急速な成長への余地を物語っています。

日本は15位で6,610,232トンとアジア圏では4番目に位置します。国内市場を主軸にした安定した乳製品需要と、北海道を中心とする酪農の拡大が背景にありますが、この時期は国内需要が主要な制約となり、生産増加には限界がありました。さらに、日本の地理的条件や土地不足も、酪農業の規模拡大を難しくさせた要因の一つです。一方で、韓国は515,462トンと大きく遅れており、酪農業が成長途上にあったことがうかがえます。

地域的課題に目を向けると、アフリカや南アジアの多くの国で生産量が低い傾向が確認されます。例えば、ケニア（1,175,700トン）やバングラデシュ（1,187,477トン）など、気候条件や経済インフラの未整備が酪農の発展を阻害している例が散見されます。また、内戦や政情不安が酪農産業に影響を与えた国もあります。例えば、ソマリアでは牛乳生産が2,207,371トンと比較的高い水準にありますが、長期的な安定が課題です。

将来的な課題としては、人口増加に伴う需要拡大、特に新興国における牛乳や乳製品の消費が増加すると予想されるため、持続可能な生産システムの構築が急務となります。また、地政学的リスクや気候変動が牧畜業に与える影響も重要なテーマです。特に、干ばつや洪水などの自然災害は牧草地や水資源に影響を与え、生産効率を低下させる可能性があります。

対策としては、新興国を中心とした酪農基盤整備の拡大や技術支援が考えられます。同時に、生産効率向上のための研究開発や、国際協力による持続可能な牧畜業支援が求められるでしょう。日本においては、自給率の向上や地方活性化の一環としての酪農業支援が重要な政策テーマとなるでしょう。

結論として、1981年のデータは各国の酪農業の位置づけや課題を明らかにし、未来への展望を示唆する重要な情報を提供しています。国際的協力を深めることが、世界的な食料安全保障の実現への一歩となるでしょう。