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ベトナムの牛乳生産量推移(1961年~2022年)

国連の食糧農業機関(FAO)が発表した2024年最新データによると、ベトナムの牛乳生産量は1961年の16,000トンから2022年の1,184,673トンへと大幅な増加を示しました。この61年間で、牛乳生産量は約74倍に拡大しており、特に2000年以降は加速度的な成長を遂げています。この背景には、農業の近代化、経済発展、乳製品需要の増加が関与していると考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2022年 1,184,673
4.9% ↑
2021年 1,129,369
1.96% ↑
2020年 1,107,634
6.2% ↑
2019年 1,042,959
5.18% ↑
2018年 991,569
5.96% ↑
2017年 935,806
10.46% ↑
2016年 847,208
9.59% ↑
2015年 773,072
30.1% ↑
2014年 594,209
18.58% ↑
2013年 501,084
17.85% ↑
2012年 425,193
9.73% ↑
2011年 387,477
11.5% ↑
2010年 347,528
8.89% ↑
2009年 319,159
5.79% ↑
2008年 301,682
10.07% ↑
2007年 274,085
8.28% ↑
2006年 253,117
7.59% ↑
2005年 235,253
26.36% ↑
2004年 186,171
15.94% ↑
2003年 160,572
44.04% ↑
2002年 111,476
15.51% ↑
2001年 96,505
15.69% ↑
2000年 83,419
20.22% ↑
1999年 69,387
11.03% ↑
1998年 62,494
5.86% ↑
1997年 59,035
9.96% ↑
1996年 53,688
-55.75% ↓
1995年 121,338
3.05% ↑
1994年 117,750
7.09% ↑
1993年 109,952
-1.52% ↓
1992年 111,648
-34.1% ↓
1991年 169,409
180.15% ↑
1990年 60,471
-0.54% ↓
1989年 60,800
8.57% ↑
1988年 56,000
1.45% ↑
1987年 55,200
2.99% ↑
1986年 53,600 -
1985年 53,600
8.94% ↑
1984年 49,200
3.36% ↑
1983年 47,600
2.59% ↑
1982年 46,400
5.45% ↑
1981年 44,000
6.28% ↑
1980年 41,400
4.02% ↑
1979年 39,800
6.42% ↑
1978年 37,400
6.86% ↑
1977年 35,000
4.79% ↑
1976年 33,400
11.33% ↑
1975年 30,000
10.62% ↑
1974年 27,120
1.01% ↑
1973年 26,848
3.07% ↑
1972年 26,048
4.04% ↑
1971年 25,036
3.4% ↑
1970年 24,212
4.24% ↑
1969年 23,228
2.06% ↑
1968年 22,760
-3.23% ↓
1967年 23,520
13.51% ↑
1966年 20,720
5.71% ↑
1965年 19,600
16.67% ↑
1964年 16,800 -
1963年 16,800
5% ↑
1962年 16,000 -
1961年 16,000 -

ベトナムの牛乳生産量の推移を見ると、1960年代から1980年代までは緩やかな成長傾向が続いています。1961年から1980年にかけて生産量は2.6倍となり、主要な増加要因は農業技術の改良や農村地域の生産拡大でした。しかし、この時期の牛乳生産量は依然として他国と比較すると低い水準にとどまっていました。例えば、同じ時期の日本では牛乳生産量が約4,000,000トン、アメリカでは約25,000,000トンを超えており、ベトナムとの差が著しい状況でした。

1990年代に入ると一時的な生産量の急増と減少が見られます。1991年には169,409トンと急増したものの、1992年以降再び減少しました。この不規則な変動は、経済構造の改革や農業政策の過渡期による影響と関連があると推察されます。

ベトナムの牛乳生産が本格的に転換を遂げたのは2000年以降です。この時期から生産量は急速に増加し、特に2015年以降の成長が顕著です。2015年には773,072トン、2022年には1,184,673トンとなり、ここ7年間で50%以上の成長を記録しています。この拡大の主要因には、国内市場での乳製品需要の増加や、農業技術の近代化、官民共同プロジェクトの推進が挙げられます。また、人口増加や所得の向上により、乳製品の消費習慣が広まっていることも重要な背景です。

この成長を支えるには、国内外の協力が重要となります。例えば、最近の自由貿易協定により国際市場へのアクセスが広がり、乳業製品に対する輸出機会が増えています。しかし、依然としていくつかの課題が残っています。まず、持続可能な農業の実現に向けて、環境への影響を最小限に抑える生産技術の採用が求められます。過去数十年の間に気候変動や土地劣化が農業生産に与える影響が増加しつつあり、特に牛乳生産のような集中型の農業活動ではこれが顕著です。第二に、生産効率をさらに向上させるため、飼育技術や家畜の管理における革新が必要とされています。

国際的な視点で見ると、中国やアメリカ、インドなどの主要生産国と比べ、ベトナムの生産量はまだ中規模のレベルに位置しています。例えば、2022年のインドの牛乳生産量は約220,000,000トンに達しており、ベトナムとの差は依然として大きいです。ただし、ベトナムの成長率は他国を上回るペースで伸び続けているため、中長期的にはアジア地域内での存在感が増すことが期待されます。

今後の具体的な対策として、国内での農業教育の強化と技術支援の充実が挙げられます。また、国際的な協力フレームワークを活用し、乳産業における技術や資本の輸入を強化することが重要です。さらに、環境への配慮を進め、再生可能エネルギーの利用や排出ガス削減への取り組みを加速することが持続可能な発展に寄与するでしょう。

結論として、ベトナムの牛乳生産量は過去60年以上にわたり大幅な増加を遂げ、中長期的にはアジア全体の乳製品市場における主導的なプレーヤーとして成長する可能性を秘めています。ただし、環境保全と持続可能な成長のバランスを保つことが今後の重要な課題となるでしょう。国際的な協力と技術革新を通じて、それを実現するための努力が不可欠です。