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ブルンジの牛乳生産量推移(1961年~2022年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、ブルンジの牛乳生産量は、1961年の30,910トンから始まり、2022年には112,871トンを記録しました。この期間での総傾向は増加しているものの、特定の年代に大きな変動が見られます。1980年代後半には減少が目立ち、2014年には一時的に10万トンを超えた後、2022年には再び減少しています。この過程は、ブルンジの経済、社会、地政学的背景と密接に関連していると考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2022年 112,871
-2.53% ↓
2021年 115,802
-1.02% ↓
2020年 116,994
10.77% ↑
2019年 105,616
-15.25% ↓
2018年 124,625
2.1% ↑
2017年 122,065
-4.6% ↓
2016年 127,947
24.66% ↑
2015年 102,633
-1.11% ↓
2014年 103,781
26.5% ↑
2013年 82,044
13% ↑
2012年 72,604
-13.85% ↓
2011年 84,272
19.09% ↑
2010年 70,766
10.87% ↑
2009年 63,829
4.48% ↑
2008年 61,092
6.88% ↑
2007年 57,157
23.21% ↑
2006年 46,388
15.59% ↑
2005年 40,133
1.79% ↑
2004年 39,427
-1.36% ↓
2003年 39,969
-0.57% ↓
2002年 40,197
3.53% ↑
2001年 38,825
-5.65% ↓
2000年 41,149
-9.48% ↓
1999年 45,460
-13.31% ↓
1998年 52,442
6.27% ↑
1997年 49,347
-4.27% ↓
1996年 51,550
-5.89% ↓
1995年 54,779
-8.15% ↓
1994年 59,637
-8.81% ↓
1993年 65,396
0.82% ↑
1992年 64,867
3.08% ↑
1991年 62,927
43.11% ↑
1990年 43,970
5.07% ↑
1989年 41,850
-0.59% ↓
1988年 42,100
1.67% ↑
1987年 41,410
-8.61% ↓
1986年 45,310
19.9% ↑
1985年 37,790
-8.48% ↓
1984年 41,290
1.35% ↑
1983年 40,740
-1.67% ↓
1982年 41,430
0.73% ↑
1981年 41,130
-17.44% ↓
1980年 49,820
-15.06% ↓
1979年 58,650
2.68% ↑
1978年 57,120
0.23% ↑
1977年 56,990
0.41% ↑
1976年 56,760
-0.72% ↓
1975年 57,170
3.03% ↑
1974年 55,490
1.52% ↑
1973年 54,660
3.98% ↑
1972年 52,570
7.53% ↑
1971年 48,890
4.98% ↑
1970年 46,570
-3.46% ↓
1969年 48,240
19.02% ↑
1968年 40,530
2.48% ↑
1967年 39,550
4.63% ↑
1966年 37,800
2.25% ↑
1965年 36,970
8.23% ↑
1964年 34,160
7.49% ↑
1963年 31,780
0.82% ↑
1962年 31,520
1.97% ↑
1961年 30,910 -

ブルンジの牛乳生産量のデータを分析すると、1961年から2022年の間、牛乳生産は全体としては大幅に増加していることが分かります。特に、2010年以降に急激な上昇が見られ、この時期には70,766トン(2010年)から127,947トン(2016年)へと約7年間で大幅な伸びを記録しました。この増加は、農業政策や家畜の飼育技術の改善、また地域の発展による農業基盤の強化が背景にあると推測されます。しかし、2020年以降、再び減少傾向が見られ、2022年には112,871トンにまで減少しました。

1960年代から1970年代にかけての安定した成長期と比較すると、1980年代では生産量に大きな変動が見られます。1980年の49,820トンから1981年には41,130トンへと急落があり、以降しばらく平坦な推移が続きます。この時期の背景には、ブルンジ内戦による社会的混乱が影響を与えたと考えられます。牛乳の生産は農村部の安定や家畜の飼育環境に依存しているため、社会的不安や紛争、資源の制限が直接的に生産量の変化を引き起こした可能性があります。

また、2010年代の顕著な増加は、国内外からの支援や食糧安全保障を目指した政策の実施が関連していると考えられます。この頃、ブルンジ農村部では家畜の飼育プログラムが推進され、乳生産量を増やすことを目的とした施策が導入されていたことがデータからも裏付けられます。特に2014年には103,781トンを記録し、生産が安定的に拡大していることが確認できます。

しかし、近年の2020年以降、牛乳生産が減少しているのは懸念すべき点です。この背景には、新型コロナウイルスのパンデミックが地域のサプライチェーンに悪影響を及ぼした可能性があります。また、食料生産の持続可能性を確保するために必要なインフラ投資や地方の安定が不足している点も課題と考えられます。

ブルンジでは、農業が重要な経済基盤であり、乳製品の生産は国民の栄養状況を改善し、輸出を通じて外貨を獲得する可能性を秘めています。したがって、将来的には、家畜の健康管理や飼料生産の効率化、そして乳加工品の市場拡大を図ることが重要です。また、国際援助や地域協力の枠組みを拡大し、近隣国と連携して技術共有や輸出入の強化を進めることが、ブルンジの乳産業発展に貢献すると予想されます。

全体として、ブルンジの牛乳生産量の推移からは、多くの可能性と課題が見て取れます。地政学的リスクの軽減、農業技術の向上、地域間協力の強化が、持続可能な発展のための鍵となるでしょう。