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ボリビア (多民族国家)の牛乳生産量推移(1961年~2022年)

最新のデータによると、2022年時点でボリビアの牛乳生産量は約62万9千トンを記録しています。牛乳生産量は1961年から2022年にかけてほぼ一貫して増加し、とくに1990年代から2000年代初頭に加速度的な伸びを示しました。しかし、2016年以降は一時減少や停滞も見られ、成長が安定的ではないことが分かります。この背景には地政学的要因や経済的課題、天候の影響などが関与していると考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2022年 629,666
1.32% ↑
2021年 621,449
0.29% ↑
2020年 619,670
0.65% ↑
2019年 615,640
-1% ↓
2018年 621,875
-0.54% ↓
2017年 625,231
2.35% ↑
2016年 610,890
-4.18% ↓
2015年 637,544
2.01% ↑
2014年 624,964
2.4% ↑
2013年 610,320
8.36% ↑
2012年 563,240
10.83% ↑
2011年 508,213
3.93% ↑
2010年 488,994
3.65% ↑
2009年 471,762
3.44% ↑
2008年 456,074
3.43% ↑
2007年 440,939
1.92% ↑
2006年 432,646
1.82% ↑
2005年 424,905
2.67% ↑
2004年 413,861
3.93% ↑
2003年 398,228
1.7% ↑
2002年 391,553
2.29% ↑
2001年 382,775
2.29% ↑
2000年 374,194
3.7% ↑
1999年 360,851
4.39% ↑
1998年 345,674
1.96% ↑
1997年 339,017
3.58% ↑
1996年 327,290
4.52% ↑
1995年 313,123
3.3% ↑
1994年 303,107
5.66% ↑
1993年 286,872
5.07% ↑
1992年 273,036
14.43% ↑
1991年 238,599
54.53% ↑
1990年 154,398
2.93% ↑
1989年 150,000
3.77% ↑
1988年 144,550
2.52% ↑
1987年 141,000
8.05% ↑
1986年 130,500
-3.33% ↓
1985年 135,000
3.91% ↑
1984年 129,925
3.61% ↑
1983年 125,400
3.74% ↑
1982年 120,875
4.23% ↑
1981年 115,975
2.05% ↑
1980年 113,650
5.92% ↑
1979年 107,300
5.09% ↑
1978年 102,100
4.4% ↑
1977年 97,800
3.06% ↑
1976年 94,900
4.4% ↑
1975年 90,900
5.15% ↑
1974年 86,450
3.04% ↑
1973年 83,900
3.97% ↑
1972年 80,700
5.49% ↑
1971年 76,500
18.88% ↑
1970年 64,350
-6.74% ↓
1969年 69,000
6.98% ↑
1968年 64,500
4.45% ↑
1967年 61,750
2.92% ↑
1966年 60,000
8.16% ↑
1965年 55,472
3.01% ↑
1964年 53,853
3.13% ↑
1963年 52,218
3.2% ↑
1962年 50,598
3.38% ↑
1961年 48,942 -

1961年から2022年にかけて、ボリビアの牛乳生産量は約48,942トンから629,666トンへと大幅に増加しました。この変化は、ボリビアが農業および畜産業を近代化し、地元の需要と輸出市場の成長に対応してきたことを示しています。特に1990年代以降、牛乳生産量は年平均で急速に増加しており、1991年には238,599トン、2000年には374,194トンを達成し、その後も顕著な伸びを続けました。2022年までのデータを見るとわかるように、2000年代初頭から持続可能な生産の基盤を強化する動きが伺えます。

しかし、2016年以降は、牛乳生産の伸びが一部懸念される傾向を示しています。この時期、ボリビアの牛乳生産量は610,890トンを記録しましたが、その後の伸びは停滞し、小幅な増減が続いています。特に2018年から2020年は、621,875トンから619,670トンへとわずかな後退を示しました。この停滞の原因としては、天候不順や、牧草地の減少、農村部におけるインフラ不足、そして新型コロナウイルスによる社会経済への影響などが考えられます。例えば、コロナ禍においてサプライチェーンが混乱し、輸送や流通の課題が増大しました。

ボリビアの牛乳生産には、地政学的な要因も少なからず影響を与えています。同国は内陸国であり、輸送コストが高く、地域間の流通の効率化が難しいという課題を抱えています。このため、国内市場の需要に応じるだけでなく、近隣諸国への輸出市場拡大に向けた戦略的な政策が求められています。さらに、近年では気候変動が牧草地の利用可能性や水供給に影響を与える、新たな課題も浮かび上がっています。

未来の牛乳生産を支えるためには、いくつかの具体的な対策が必要です。まず、持続可能な農業技術の導入が挙げられます。効率的な牧草管理や、気候変動適応型の技術導入を進めることで、生産安定性を高めることができます。次に、生産者のインセンティブ強化が必要です。金融支援や税制優遇措置を提供することで、小規模農家が生産規模を拡大しやすくなります。さらには、国内外市場への流通インフラの整備も優先事項です。例えば、冷蔵輸送網を整えることによって、品質を保ったまま輸送することが可能になります。

ボリビアの牛乳生産量は、国が経済成長を達成し、食料の自己供給率を高める上で重要な指標です。ただし、継続的な成長を維持するには、前述のような気候変動や国内外市場の状況、地政学的要因への適切な対応が欠かせません。今後、政府だけでなく、国際機関や民間セクターが連携し、技術革新や地域間協力を推進することで、この重要な分野のさらなる発展が期待されます。