世界のジャガイモ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

FAO（国際連合食糧農業機関）のデータによると、1999年度における世界のジャガイモ生産量ランキングで、中国が約5610万トンと圧倒的な1位となっています。その後に続くのはロシア連邦（約2800万トン）とインド（約2249万トン）で、これら3か国が全体の生産量を大きく牽引しています。日本は約296万トンで18位にランクインしており、アジアの中では中国やインドに次ぐ中規模生産国としての地位を占めています。一方では、アフリカや中南米の地域での生産量は比較的低めで、国家間の、生産能力と農業システムの差異が顕著であることが分かります。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	56,104,000
2	ロシア連邦	ヨーロッパ	27,997,731
3	インド	アジア	22,494,700
4	アメリカ合衆国	北アメリカ	21,685,930
5	ポーランド	ヨーロッパ	19,926,716
6	ウクライナ	ヨーロッパ	12,723,000
7	ドイツ	ヨーロッパ	11,568,439
8	オランダ	ヨーロッパ	8,331,000
9	ベラルーシ	ヨーロッパ	7,491,100
10	イギリス	ヨーロッパ	7,130,900
11	フランス	ヨーロッパ	6,534,363
12	トルコ	アジア	6,000,000
13	カナダ	北アメリカ	4,277,000
14	ルーマニア	ヨーロッパ	3,957,115
15	イラン（イスラム共和国）	アジア	3,433,109
16	スペイン	ヨーロッパ	3,367,400
17	ペルー	南アメリカ	3,064,900
18	日本	アジア	2,963,000
19	ブラジル	南アメリカ	2,904,950
20	コロンビア	南アメリカ	2,775,230
21	バングラデシュ	アジア	2,762,000
22	アルゼンチン	南アメリカ	2,700,000
23	イタリア	ヨーロッパ	2,068,600
24	マラウイ	アフリカ	1,840,401
25	パキスタン	アジア	1,810,400
26	エジプト	アフリカ	1,808,890
27	南アフリカ	アフリカ	1,788,508
28	リトアニア	ヨーロッパ	1,708,100
29	カザフスタン	アジア	1,694,700
30	デンマーク	ヨーロッパ	1,502,137
31	メキシコ	南アメリカ	1,477,348
32	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	1,473,000
33	チェコ	ヨーロッパ	1,406,832
34	オーストラリア	オセアニア	1,326,760
35	ハンガリー	ヨーロッパ	1,198,681
36	モロッコ	アフリカ	1,140,780
37	ネパール	アジア	1,091,218
38	ケニア	アフリカ	1,047,572
39	アルジェリア	アフリカ	996,268
40	チリ	南アメリカ	994,694
41	スウェーデン	ヨーロッパ	990,800
42	ギリシャ	ヨーロッパ	978,592
43	ポルトガル	ヨーロッパ	972,881
44	キルギスタン	アジア	957,195
45	インドネシア	アジア	924,058
46	ラトビア	ヨーロッパ	795,500
47	フィンランド	ヨーロッパ	791,100
48	イラク	アジア	730,000
49	クロアチア	ヨーロッパ	728,646
50	オーストリア	ヨーロッパ	711,729
51	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	708,851
52	大韓民国	アジア	678,305
53	ウズベキスタン	アジア	657,800
54	タンザニア連合共和国	アフリカ	582,208
55	ナイジェリア	アフリカ	573,000
56	ブルガリア	ヨーロッパ	566,359
57	エクアドル	南アメリカ	562,657
58	アイルランド	ヨーロッパ	559,000
59	ニュージーランド	オセアニア	500,000
60	シリア・アラブ共和国	アジア	496,503
61	スイス	ヨーロッパ	484,000
62	ウガンダ	アフリカ	449,000
63	グルジア	アジア	443,311
64	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	437,809
65	アルメニア	アジア	414,123
66	エストニア	ヨーロッパ	403,700
67	サウジアラビア	アジア	394,000
68	イスラエル	アジア	390,700
69	エチオピア	アフリカ	390,000
70	スロバキア	ヨーロッパ	384,462
71	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	384,050
72	ノルウェー	ヨーロッパ	380,600
73	アゼルバイジャン	アジア	361,594
74	キューバ	南アメリカ	344,208
75	ベトナム	アジア	330,000
76	モルドバ共和国	ヨーロッパ	329,489
77	チュニジア	アフリカ	320,000
78	マダガスカル	アフリカ	291,000
79	レバノン	アジア	281,600
80	ミャンマー	アジア	250,700
81	タジキスタン	アジア	239,609
82	アフガニスタン	アジア	235,000
83	イエメン	アジア	211,121
84	グアテマラ	南アメリカ	206,661
85	スロベニア	ヨーロッパ	194,200
86	ルワンダ	アフリカ	175,889
87	北マケドニア	ヨーロッパ	169,258
88	アルバニア	ヨーロッパ	161,900
89	キプロス	アジア	161,500
90	ウルグアイ	南アメリカ	159,376
91	リビア	アフリカ	138,200
92	カメルーン	アフリカ	126,089
93	タイ	アジア	100,122
94	ヨルダン	アジア	96,338
95	コンゴ民主共和国	アフリカ	89,046
96	レソト	アフリカ	85,000
97	コスタリカ	南アメリカ	68,854
98	モザンビーク	アフリカ	67,127
99	モンゴル	アジア	63,765
100	フィリピン	アジア	63,584
101	マリ	アフリカ	58,833
102	パレスチナ国	アジア	52,927
103	エリトリア	アフリカ	40,000
104	マルタ	ヨーロッパ	36,274
105	中国、台湾 中国省	アジア	36,097
106	ラオス人民民主共和国	アジア	33,000
107	ドミニカ共和国	南アメリカ	29,322
108	トルクメニスタン	アジア	28,100
109	ニカラグア	南アメリカ	28,000
110	ジンバブエ	アフリカ	27,664
111	スリランカ	アジア	27,170
112	チャド	アフリカ	27,000
113	クウェート	アジア	24,446
114	ブルンジ	アフリカ	24,393
115	ブータン	アジア	22,002
116	ホンジュラス	南アメリカ	21,038
117	アンゴラ	アフリカ	19,109
118	オマーン	アジア	15,600
119	モーリシャス	アフリカ	15,322
120	エルサルバドル	南アメリカ	13,984
121	パナマ	南アメリカ	13,659
122	ハイチ	南アメリカ	11,000
123	ザンビア	アフリカ	10,000
124	アイスランド	ヨーロッパ	9,013
125	レユニオン	アフリカ	8,100
126	セネガル	アフリカ	7,810
127	ジャマイカ	南アメリカ	7,697
128	ニジェール	アフリカ	7,590
129	エスワティニ	アフリカ	5,500
130	アラブ首長国連邦	アジア	5,256
131	コンゴ	アフリカ	3,878
132	カーボベルデ	アフリカ	2,500
133	ブルキナファソ	アフリカ	2,200
134	フェロー諸島	ヨーロッパ	1,494
135	ニューカレドニア	オセアニア	1,465
136	モーリタニア	アフリカ	1,400
137	パラグアイ	南アメリカ	1,391
138	コモロ	アフリカ	1,300
139	中央アフリカ共和国	アフリカ	987
140	ベリーズ	南アメリカ	926
141	フランス領ポリネシア	オセアニア	869
142	パプアニューギニア	オセアニア	600
143	東ティモール	アジア	453
144	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	211
145	ドミニカ	南アメリカ	112
146	フィジー	オセアニア	73
147	カタール	アジア	56
148	ベナン	アフリカ	35
149	バーレーン	アジア	10
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1999年における世界のジャガイモ生産量データを見ると、中国が全世界の生産をリードするトップランナーとなっており、全体の約23％を占めています。中国の農業政策や広大な農地、特にジャガイモの栽培に適した気候条件が、この生産量の背景にあります。ロシア連邦とインドも同じく生産大国ですが、それぞれ異なる性質が見られます。ロシア連邦は伝統的にジャガイモが主要な農作物として利用されており、国内消費量の多さが特徴です。インドでは農薬や灌漑技術の普及による耕作効率の向上が生産量を後押ししています。

一方、アメリカ合衆国やポーランド、ドイツ、フランスといった欧米諸国も上位にランクインしています。これらの国々は、長年にわたる精密な農業技術の発展によって効率的な生産体制を確立しており、特にポーランドなど東欧の国々は、国内での主食としての需要に対応する形でジャガイモ栽培を行っています。これに対して、ウクライナをはじめとする一部の東欧諸国は、農業インフラが未整備であったり、経済的課題を抱えている関係から、生産量が一定の水準にとどまる傾向が見られます。

日本は18位で、約296万トンの生産量を記録しています。地理的条件や農地面積の問題から大量生産は難しいものの、北海道を中心とした地域で安定したジャガイモ栽培が行われています。国内需要向けとしては一定の役割を果たしていますが、世界的な生産と比較すると規模では劣るため、輸入に依存している部分も課題といえます。

また、アフリカの諸国や中南米の国々に目を向けると、生産量は全体的に少なく、気候や土壌の問題、または資本不足による農業生産基盤の未整備が背景にあると考えられます。これらの地域では資源が限られているため、効率的な灌漑設備や改良された種子の普及といった外部からの技術的援助が必要となるでしょう。

ジャガイモ生産量の高い国々と低い国々との差は、食物供給の安定性や栄養状況にも影響を与えます。この観点から考えると、世界的な食糧安全保障の実現には、特に低生産地域での農業支援が重要です。例えば、アフリカ諸国では耐旱性（かんばつ耐性）をもつジャガイモの品種改良や、新規栽培地域の開拓を進めることが考えられます。また、温帯地域の各国では気候変動への適応がすでに課題であり、気温上昇による収穫量低下が懸念されています。このため、持続可能な技術への投資が不可欠となるでしょう。

地政学的背景についても留意が必要です。ウクライナやロシアなどの地域では、政治的な緊張が農業生産や輸出に影響を与える可能性があります。こうした紛争地域では安定した農業活動が制約されるため、国際機関による調整と支援が求められます。

結論として、1999年度のジャガイモ生産量ランキングは、各国の農業政策や技術レベル、気候条件がいかに物を言うかを明確に示しています。将来的には、地域ごとの課題に対応するために国際的な協力体制を強化し、技術支援や繁殖可能な種の開発支援を行うことが求められます。また、気候変動時代に即した新たな農業モデルの確立も重要なテーマとなるでしょう。