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中央アフリカ共和国のジャガイモ生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が2024年7月に公表したデータによると、中央アフリカ共和国におけるジャガイモの生産量は、1961年の180トンから2022年の1,337トンへと着実に増加傾向を示しています。特に1990年代後半から2000年代初頭にかけては顕著な成長が見られましたが、2015年以降は停滞やわずかな減少傾向が確認されています。このデータは、国内農業の長期的な推移を追跡し、生産力や課題を浮き彫りにしています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 1,378
3.09% ↑
2022年 1,337
-0.15% ↓
2021年 1,339
0.07% ↑
2020年 1,338
0.3% ↑
2019年 1,334
-0.81% ↓
2018年 1,345
0.73% ↑
2017年 1,335
1.01% ↑
2016年 1,322
-2.29% ↓
2015年 1,353
3.05% ↑
2014年 1,313
0.98% ↑
2013年 1,300 -
2012年 1,300
4% ↑
2011年 1,250
4.17% ↑
2010年 1,200
2.13% ↑
2009年 1,175
2.27% ↑
2008年 1,149
2.19% ↑
2007年 1,124
2.13% ↑
2006年 1,101
0.6% ↑
2005年 1,094
1.77% ↑
2004年 1,075
1.88% ↑
2003年 1,055
1.74% ↑
2002年 1,037
1.72% ↑
2001年 1,020
1.99% ↑
2000年 1,000
1.33% ↑
1999年 987
1.74% ↑
1998年 970
0.99% ↑
1997年 960
1.1% ↑
1996年 950
0.77% ↑
1995年 943
0.85% ↑
1994年 935
0.52% ↑
1993年 930
2.05% ↑
1992年 911
1.26% ↑
1991年 900
6.13% ↑
1990年 848
6% ↑
1989年 800
14.29% ↑
1988年 700 -
1987年 700
16.67% ↑
1986年 600 -
1985年 600
20% ↑
1984年 500
8.7% ↑
1983年 460 -
1982年 460
2.22% ↑
1981年 450
4.65% ↑
1980年 430
7.5% ↑
1979年 400 -
1978年 400
-55.56% ↓
1977年 900
12.5% ↑
1976年 800
14.29% ↑
1975年 700
16.67% ↑
1974年 600
20% ↑
1973年 500
25% ↑
1972年 400
-20% ↓
1971年 500
25% ↑
1970年 400 -
1969年 400
14.29% ↑
1968年 350
-12.5% ↓
1967年 400 -
1966年 400
-4.76% ↓
1965年 420
-19.23% ↓
1964年 520
4% ↑
1963年 500
42.86% ↑
1962年 350
94.44% ↑
1961年 180 -

中央アフリカ共和国におけるジャガイモ生産量のデータは、1961年から2022年までの長期間にわたり、同国の経済・農業状況の変遷を示す重要な指標です。当初の生産量は年間180トンと控えめでしたが、1970年代中期から1990年代にかけては安定した増加を見せ、特に2000年代に入ってからは1,000トンを超える持続的な成長を遂げました。

この成長の背景には、農業技術の向上や農業政策の努力があると推察されます。また、ジャガイモは栄養価が高く、多様な気候条件にも適応可能なため、中央アフリカ共和国のような食料不足のリスクが高い国において重要な作物として位置付けられてきました。しかしながら、2015年前後から生産量の成長が鈍化し、2022年時点では1,337トンとピークの2015年1,353トンをわずかに下回る結果となっています。

生産量の変化にはいくつかの関連要因が考えられます。主に、中央アフリカ共和国における紛争や政治的な不安定さが農業の持続性や拡張を妨げている可能性があります。同国は自然資源に恵まれた一方で、地政学的リスクや内戦が頻発しており、農業従事者が安定した農作業を行うことが困難な状況に直面しています。特に農村部ではインフラが脆弱であり、作物の流通や市場アクセスも限られているため、これらが収益機会の喪失を引き起こしているのかもしれません。

さらに、気候変動の影響も無視できません。他の開発途上国と同様に中央アフリカ共和国でも、高温や干ばつ、災害などが農作物の生産に悪影響を与えることが増えてきています。そのため、作物の多様化や気候変動に強い農法への投資が一層の課題として浮き彫りになります。

生産量拡大を再び推進するためには、いくつかの対策が考えられます。まず、紛争の影響を和らげるための地域の安定化が重要です。これには国連を含めた国際機関と協力して、持続可能な平和構築プログラムを実施し、農村部の安全を確保するための支援が必要です。また、農業技術の普及と生産性向上に向けた研修や資材提供を強化することも有効です。例えば、品質の高い種芋やジャガイモ栽培に適した肥料・技術の提供は、特に生産性の低い小規模農家を支援するうえで効果的です。

さらに、気候変動への対応策として、灌漑設備の整備や気候変動に適応した耐性品種の開発・導入を推奨します。同時に、国内外の物流網の改善や農産品の販売促進を図ることが、収益の安定化に寄与するでしょう。これには、近隣国との農業協力や貿易枠組みの強化も含まれます。

結論として、中央アフリカ共和国のジャガイモ生産量推移は、農業の成長と停滞の両側面を示す興味深いデータです。これを元に、農業従事者の生計向上と国の食糧自給、ひいては経済的安定に向けた政策が必要であると示唆されます。今後は、安定した農業基盤を築くため、内政の安定、農業技術の普及、気候変動対策の強化など、多角的なアプローチが求められることでしょう。