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パラグアイのジャガイモ生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、パラグアイのジャガイモ生産量は1961年から2022年までの間で激しい変動を見せてきました。1960年代から1970年代は増加傾向にあったものの、その後は減少と停滞が続きました。しかし、2011年以降、徐々に回復基調が見られ、2022年には4,167トンに達しています。この一連の推移には、国内外の経済条件や自然災害、農業政策の影響が強く反映されています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 3,959
-5.01% ↓
2022年 4,167
1.91% ↑
2021年 4,089
2.66% ↑
2020年 3,983
3% ↑
2019年 3,867
0.42% ↑
2018年 3,851
2.42% ↑
2017年 3,760
3.72% ↑
2016年 3,625
3.66% ↑
2015年 3,497
-2.86% ↓
2014年 3,600
2.86% ↑
2013年 3,500
-8.85% ↓
2012年 3,840
9.71% ↑
2011年 3,500
159.07% ↑
2010年 1,351
568.81% ↑
2009年 202
-83.84% ↓
2008年 1,250
-3.85% ↓
2007年 1,300
5.69% ↑
2006年 1,230
16.04% ↑
2005年 1,060
8.05% ↑
2004年 981
13.54% ↑
2003年 864
-21.31% ↓
2002年 1,098
0.18% ↑
2001年 1,096
11.16% ↑
2000年 986
-29.12% ↓
1999年 1,391
-25.61% ↓
1998年 1,870
0.54% ↑
1997年 1,860
1.2% ↑
1996年 1,838
4.37% ↑
1995年 1,761
2.62% ↑
1994年 1,716
8.33% ↑
1993年 1,584 -
1992年 1,584
27.13% ↑
1991年 1,246
-7.01% ↓
1990年 1,340
-7.01% ↓
1989年 1,441
34.05% ↑
1988年 1,075
37.29% ↑
1987年 783
-37.11% ↓
1986年 1,245
-10.04% ↓
1985年 1,384
3.05% ↑
1984年 1,343
-53.69% ↓
1983年 2,900
-36.26% ↓
1982年 4,550
44.95% ↑
1981年 3,139
-28.5% ↓
1980年 4,390
-50.27% ↓
1979年 8,828
19.17% ↑
1978年 7,408
39.56% ↑
1977年 5,308
51.66% ↑
1976年 3,500
-4.87% ↓
1975年 3,679
-16.75% ↓
1974年 4,419
42.55% ↑
1973年 3,100
-34.04% ↓
1972年 4,700
80.77% ↑
1971年 2,600
-31.52% ↓
1970年 3,797
-67.3% ↓
1969年 11,610
14.95% ↑
1968年 10,100
3.06% ↑
1967年 9,800
-2% ↓
1966年 10,000
13.64% ↑
1965年 8,800
4.76% ↑
1964年 8,400
31.25% ↑
1963年 6,400
60% ↑
1962年 4,000
2.56% ↑
1961年 3,900 -

パラグアイのジャガイモ生産量のデータを1961年から2022年まで分析すると、国内農業の発展とその課題が浮き彫りになります。1961年には3,900トンから生産が始まり、その後1969年の11,610トンを頂点として急上昇しました。この成長は当時の農業技術の導入や農地拡大の結果と考えられます。しかし1970年代には急激な生産量の波が見られ、1980年代に入ると生産量は大きく低迷し始め、1987年にはわずか783トンという最小値を記録しました。この原因として、経済的不安定性、農業従事者の減少、そして気候条件の悪化などが挙げられます。

2000年代に入ると、生産量は1,000トン前後で推移する時期が続きましたが、2009年では再び202トンという極端な減少が見られました。この年の減少は、干ばつや耕地管理の不足といった自然および人的要因が影響した可能性があります。しかし、その後2011年以降は、再び回復基調に転じ、2021年には過去の減少期を乗り越えた4,089トンを記録。2022年にはさらに生産量が伸び、4,167トンと持続的な成長を見せるまでに至りました。

この長期的なデータを見ると、パラグアイのジャガイモ生産量は多くの試練を経験してきたことがわかります。特に過去における生産量の激しい上下動は、農業の基盤が脆弱であることを示しています。経済の不安定さ、大規模な干ばつ、洪水、さらには気候変動に伴う影響がこれらの問題を助長してきました。加えて、農業における技術革新の遅れや資金的支援の不足が生産量の足を引っ張ってきたとも考えられます。

2022年におけるジャガイモ生産量の持続的な増加は、近年の農業政策や技術改良の成果と見ることが可能です。しかし、ほかの国と比較すると、まだまだ規模は小さいのが現状です。たとえば、日本のような先進国では、農業機械化の進展によりジャガイモ生産量は膨大で、安定して需要を満たしています。同じような改革をパラグアイが進める必要があります。また、中国やインドなど、その人口規模に基づく大規模な農地利用と比べても、パラグアイの農業利用の最適化にはまだ課題が多いといえます。

将来的な課題としては、特に気候変動への適応が必要となります。ジャガイモ生産は水分と温度管理が重要なため、灌漑技術の普及や気温管理が可能な設備投資が求められます。また、農業従事者の教育や、新しい市場への輸出支援も生産の安定化には不可欠です。さらに、政府は、金融的支援や低金利ローンの提供によって、生産者が設備投資を行いやすい環境を整えるべきです。

国際的に見ると、パラグアイの農業生産形態は比較的小規模で、収益性に課題を抱えています。そのため、近隣諸国との協力を強化し、経済圏を活用することも重要です。たとえば、南米での農業技術交流、地域経済共同体での農産物貿易促進などが考えられます。また、気候変動への対応策として、国際的な協力を活用し、災害リスクの軽減を目指すことも必要です。

結論として、パラグアイのジャガイモ生産量は過去の困難を越え、徐々に安定した成長を見せつつあります。しかし、安定性を確保し、更なる成長を遂げるためには、国内の農業基盤を強化し、外的要因に影響されにくい構造をつくることが求められます。そのためには、気候変動対策の強化、新たな技術の導入、地域・国際的な協力体制の構築が鍵となるでしょう。