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モーリタニアのジャガイモ生産量推移(1961-2022)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表したデータによると、モーリタニアのジャガイモ生産量は1961年の1,800トンから2022年の2,233トンまで増加しました。この期間には幾つかの大きな変動があり、特に1978年から1979年の急増や1982年の生産量急落が目立ちます。近年では、2020年以降安定した生産量を維持しています。

年度 生産量(トン)
2022年 2,233
2021年 2,229
2020年 2,226
2019年 2,226
2018年 2,374
2017年 2,353
2016年 2,333
2015年 2,233
2014年 2,220
2013年 2,200
2012年 2,000
2011年 2,120
2010年 2,200
2009年 2,198
2008年 2,189
2007年 2,182
2006年 2,171
2005年 2,200
2004年 2,100
2003年 2,038
2002年 2,000
2001年 1,800
2000年 1,600
1999年 1,400
1998年 1,200
1997年 1,000
1996年 830
1995年 668
1994年 500
1993年 300
1992年 500
1991年 398
1990年 661
1989年 630
1988年 630
1987年 620
1986年 600
1985年 600
1984年 510
1983年 500
1982年 400
1981年 2,000
1980年 1,500
1979年 4,200
1978年 4,160
1977年 2,500
1976年 2,500
1975年 1,800
1974年 1,600
1973年 1,500
1972年 1,800
1971年 2,000
1970年 2,100
1969年 2,100
1968年 2,000
1967年 2,100
1966年 2,000
1965年 2,000
1964年 2,000
1963年 1,900
1962年 1,900
1961年 1,800

モーリタニアのジャガイモ生産量の歴史的な推移を見ると、初期の比較的安定した生産量(1960年代平均約2,000トン)から、1970年代後半にかけて著しい増加が見られます。特に1978年から1979年にかけての生産量は、過去平均を大きく上回る4,160トンおよび4,200トンという記録的な増加がありました。この時期は比較的降水量が安定し農業条件が好調であった可能性が考えられます。その後、1980年代は1,500トン以下にまで落ち込む厳しい時期が続き、1982年の400トンは最も低い生産量となりました。この背景には、干ばつやその他の気候的・社会的要因による農業環境の悪化があったと推察されます。

1990年代以降は回復の兆しが見られ、2000年には1,600トンと徐々に安定した成長を取り戻し始め、2010年以降の生産量は年間2,000トン前後で安定しています。2016年以降は緩やかな増加傾向を示しており、2022年には2,233トンと微増しました。ただし、この生産量は世界的な基準と比較すると依然として低いレベルです。例えば、同じ乾燥地域であるエジプトのジャガイモ生産量は年間500万トンを超える規模であり、またモーリタニアの近隣国であるセネガルでもモーリタニアの10倍近い生産量が記録されています。

モーリタニアのジャガイモ生産は地域的な地政学的条件や気候変動の影響を非常に受けやすい構造となっています。特に降雨量が限られる同国では、安定した灌漑システムの整備が最も重要な課題の一つです。また、1980年代の生産量急落は、干ばつや砂漠化の進行が直接的な要因であると考えられます。このような地理的なリスクが高い地域では、農業の多角化や耐乾性作物の導入も課題として挙げられます。

また、モーリタニアは農業を国家経済の主軸とする政策を進めている国ではなく、農業技術の導入や労働力の訓練が他国と比較して限定的であることも認識すべきです。一方で、国際的な支援を受けやすい地域でもあり、食糧安全保障の観点からもジャガイモ生産の増加は今後の政策目標として重要視される可能性があります。

将来的には、灌漑設備の拡大や土壌改良の技術導入を進めることが必要です。具体的には、より少ない水分で耐えることができる品種の育成や、水資源の効率的な分配を可能にする技術を導入することで、生産力の伸長が期待されます。そのほか、近隣諸国との協力を通じて技術や知識の共有を進めることも効果的です。

結論として、モーリタニアのジャガイモ生産は過去の変動から段階的な成長を遂げていますが、気候的および技術的な課題が障壁となり、効率的な生産が困難な状況にあります。国や国際機関が持続可能な農業政策を構築し、同国の独自の環境に適合した施策を実行することが、生産のさらなる安定と向上を実現する鍵となるでしょう。