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リビアのジャガイモ生産量推移(1961-2022)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、リビアのジャガイモ生産量は1961年の14,000トンから2022年の321,044トンまで増加しており、特に1970年代以降に急激な成長を見せました。近年では2011年から2020年の間に最大値(366,750トン)を記録しましたが、2021年以降は若干の減少傾向にあります。リビアの農業生産においてジャガイモは重要な作物であり、農業政策や地政学的要因、気候変動の影響を受けつつも、依然として高い生産を維持しています。

年度 生産量(トン)
2022年 321,044
2021年 328,887
2020年 366,750
2019年 359,460
2018年 357,590
2017年 319,112
2016年 337,465
2015年 336,485
2014年 283,385
2013年 295,000
2012年 360,000
2011年 352,000
2010年 298,668
2009年 261,808
2008年 290,000
2007年 290,000
2006年 300,000
2005年 250,000
2004年 195,000
2003年 208,985
2002年 195,000
2001年 195,000
2000年 190,000
1999年 138,200
1998年 180,000
1997年 205,000
1996年 206,000
1995年 198,320
1994年 175,000
1993年 154,480
1992年 150,000
1991年 148,000
1990年 145,000
1989年 131,000
1988年 127,000
1987年 122,000
1986年 110,000
1985年 110,000
1984年 93,491
1983年 114,550
1982年 107,956
1981年 96,970
1980年 102,857
1979年 90,354
1978年 89,182
1977年 98,917
1976年 79,870
1975年 88,881
1974年 78,666
1973年 78,352
1972年 49,046
1971年 22,813
1970年 9,982
1969年 11,958
1968年 11,803
1967年 10,196
1966年 8,989
1965年 8,219
1964年 12,500
1963年 12,600
1962年 15,000
1961年 14,000

リビアのジャガイモ生産量の歴史を振り返ると、1960年代は小規模な農業活動に留まっていましたが、1970年代に入ると機械化や農業分野への投資の増加により、生産量が急激に向上しました。この時期において、1971年に22,813トン、1972年には49,046トンと顕著な成長が見られました。その後1980年代から1990年代にかけて、ジャガイモの生産量は10万トンから20万トンを超える規模に達し、緩やかながら安定した成長を続けています。

2000年代以降、特に2005年には25万トン、2006年には30万トンと、過去のデータと比べても生産量の規模が大幅に拡大しています。これは、灌漑設備の向上や農業用の技術革新を背景にしたものであり、砂漠気候を持つリビアが水資源を効率的に活用するための努力の結果といえます。その後2011年にはアラブの春を契機に国内の混乱が生じたものの、ジャガイモ生産においてはむしろ高い生産量となり、360,000トン近くを記録しました。しかしこの混乱が解決されるのと並行して、2013年以降は一時的な減少が見られました。この背景には、生産コストの上昇や労働力の不足、さらに輸送力の制限などの問題が関係していると考えられます。

さらに2020年には新型コロナウイルスのパンデミックによる物流の停滞がありましたが、それでも366,750トンという記録的な生産量を達成しました。この点はリビアがジャガイモ生産において比較的自給率を保持し、国の一部地域で持続的な作用を維持していたことを示しています。一方、2021年以降に再び生産量が減少している点については、パンデミック後の供給チェーンの回復遅れや地政学的リスク、引き続く経済的課題との関連性が指摘されます。

現在、リビアにはいくつかの課題が存在します。まず、地理的な条件として、大部分が砂漠気候であるリビアでは水資源の不足が深刻な問題です。農業全体の生産性を向上させるためには、さらなる灌漑設備の整備や水の再利用技術の導入が必要です。また、生産量が減少傾向にある近年の傾向については、労働力の確保、農業機械の適切な利用、安定的な輸送ネットワークの整備が求められます。さらに、気候変動が中・長期的にジャガイモの収穫量に影響を与える可能性も高いことから、多雨や高温に耐える品種の開発が重要です。

これらの問題に対応するため、リビア国内の農業政策だけでなく地域間の協調が鍵となります。特に地中海諸国や国際機関との連携を強化し、技術移転や資金提供を受けることで、長期的な持続可能な生産体制を構築することが望ましいと言えます。また、これに加えてジャガイモを含む他の主要農作物の輸出拡大を通じて経済の多様化を図ることが、国内の経済基盤の強化に寄与するでしょう。

今後、より安定的で持続可能なジャガイモ生産を目指し、農業技術のイノベーションと国家レベルでの政策支援、さらには地域間協力の強化という三方策が必要です。これにより、さらなる生産量向上を実現し、リビアの農業自給率や経済安定に大きく寄与することが予測されます。