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ウルグアイのジャガイモ生産量推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organizationが発表した最新データによると、ウルグアイのジャガイモ生産量は1960年代以降、長期的に大きな変動が見られています。ピーク時の生産量である1966年の142,253トンや1981年の176,564トンから比べると、近年2022年の生産量である46,500トンにまで減少するなど、著しい低迷傾向が確認できます。このデータから、ウルグアイにおけるジャガイモ生産量の推移には明確な課題と背景が存在していることが示唆されます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 68,000
46.24% ↑
2022年 46,500
-50.06% ↓
2021年 93,121
26.34% ↑
2020年 73,706
-21.92% ↓
2019年 94,400
8.51% ↑
2018年 87,000
-7.77% ↓
2017年 94,327
5.99% ↑
2016年 89,000
22.06% ↑
2015年 72,913
-11.69% ↓
2014年 82,561
-7.27% ↓
2013年 89,033
-18.32% ↓
2012年 109,000
20.9% ↑
2011年 90,155
-21.37% ↓
2010年 114,662
12.1% ↑
2009年 102,287
-4.01% ↓
2008年 106,557
-9.97% ↓
2007年 118,362
-20.02% ↓
2006年 147,981
-6.12% ↓
2005年 157,636
14.27% ↑
2004年 137,950
-20.63% ↓
2003年 173,812
23.08% ↑
2002年 141,213
16.57% ↑
2001年 121,135
11.58% ↑
2000年 108,565
-31.88% ↓
1999年 159,376
9.96% ↑
1998年 144,945
20.24% ↑
1997年 120,542
-1.2% ↓
1996年 122,000
4.54% ↑
1995年 116,700
0.86% ↑
1994年 115,700
-24.15% ↓
1993年 152,540
-1.59% ↓
1992年 155,000
-21.06% ↓
1991年 196,360
12.95% ↑
1990年 173,850
35.56% ↑
1989年 128,250
-10.36% ↓
1988年 143,070
13.13% ↑
1987年 126,465
14.38% ↑
1986年 110,570
-32.29% ↓
1985年 163,293
13.52% ↑
1984年 143,850
31.68% ↑
1983年 109,246
-26.75% ↓
1982年 149,148
-15.53% ↓
1981年 176,564
77.52% ↑
1980年 99,464
-26.53% ↓
1979年 135,372
32.35% ↑
1978年 102,286
-14.69% ↓
1977年 119,896
-27.66% ↓
1976年 165,745
37.27% ↑
1975年 120,746
-6.54% ↓
1974年 129,193
-3.07% ↓
1973年 133,285
25.66% ↑
1972年 106,068
-29.45% ↓
1971年 150,355
27.88% ↑
1970年 117,574
-14.52% ↓
1969年 137,538
163.1% ↑
1968年 52,276
-50.03% ↓
1967年 104,625
-26.45% ↓
1966年 142,253
13.67% ↑
1965年 125,151
25.71% ↑
1964年 99,557
-13.06% ↓
1963年 114,512
32.26% ↑
1962年 86,581
-26.58% ↓
1961年 117,918 -

ウルグアイにおけるジャガイモ生産量の推移は、農業の生産性や環境要因、経済動向によって年々変動を繰り返してきました。このデータから浮かび上がるキーとなるポイントは、1960年代の好調な時期と比較して、2020年代に生産量が大幅に減少していることです。特に2022年の46,500トンはここ数十年で最低水準といえます。長期的に見れば60年間の平均生産量は概ね120,000トンを超えているものの、この平均を下回る年が2000年以降増加している点が顕著です。

このような減少傾向の原因は、気候変動、土壌の劣化、生産技術の停滞、農業従事者の減少などが挙げられます。ウルグアイの農業は、ジャガイモを含む収穫物が雨量や気温といった気候環境に大きく左右される傾向が強いです。昨今の世界的な気候変動は、不適切な天候パターンをもたらし、生産性の低下に拍車をかけています。さらに、土壌の栄養素が年々減少し持続可能な農業の実現が困難になっていることも重要な要因です。また、ウルグアイでは農業分野の技術革新が他国に比べ遅れており、ジャガイモの生産性向上に寄与する新しい品種開発や施肥管理などが十分に進んでいないことが課題となっています。

国際的な比較をすると、例えば中国やインドなどの多雨・高温地域は技術革新と政策的後押しにより生産量を飛躍的に伸ばしてきました。一方で、ヨーロッパ各国は持続可能性を重視し、環境に配慮した農業政策を導入していますが、それらに比べるとウルグアイは依然として十分な体制を整えていない現状といえます。

また、近年の新型コロナウイルス感染症の流行も、農業従事者不足や輸出制限を通じて間接的に生産量減少を招いています。この外部環境の影響に加えて、国内での労働環境が悪化し農業人口が減少している点も見逃せません。さらに2022年には史上最低水準の生産量となっており、干ばつなど地域特有の自然災害が影響を与えた可能性が考えられます。

これらのデータを踏まえると、次のような具体的な対策が必要です。まず、農業技術革新の強化が求められています。例えば、耐乾性のある品種の導入や効率的な灌漑技術の活用などが挙げられます。次に、農地の持続可能性を考慮し、土壌改良や輪作の促進が重要です。また、政府は農家支援策を拡充し、特に気候変動などの地政学的リスクに対応する政策枠組みを整えることが求められます。加えて、地域内外の協力、特にラテンアメリカ各国との連携を強化することで技術やノウハウを共有し、競争力を向上させる必要があります。

最後に、ウルグアイのジャガイモ生産は国民の食料安全保障と結びついており、単なる経済分野の課題ではありません。これらの状況を考慮すれば、国際機関との協力を含めた包括的な対策が今後の発展に鍵となるでしょう。これまで表面化してきた問題に対処し、持続可能な農業モデルを構築することで、ウルグアイの農業は再び安定した生産を維持できる可能性があります。