FAO(国際連合食糧農業機関)が発表した2024年最新データによると、ホンジュラスのジャガイモ生産量は、1961年の2,179トンから2022年には26,804トンへと大幅に増加しています。特に1980年代から1990年代にかけて急激な成長を見せ、2000年代以降は安定した推移を見せています。近年の生産量は26,000トン台で横ばいの状態にありますが、これは過去の劇的な増加時期と比較して成長が鈍化していることを示しています。
ホンジュラスのジャガイモ生産量推移(1961-2022)
年度 | 生産量(トン) |
---|---|
2022年 | 26,804 |
2021年 | 26,748 |
2020年 | 26,790 |
2019年 | 26,875 |
2018年 | 26,578 |
2017年 | 26,053 |
2016年 | 25,500 |
2015年 | 25,500 |
2014年 | 25,500 |
2013年 | 26,452 |
2012年 | 26,795 |
2011年 | 24,950 |
2010年 | 22,552 |
2009年 | 22,615 |
2008年 | 29,326 |
2007年 | 23,650 |
2006年 | 22,000 |
2005年 | 21,469 |
2004年 | 21,334 |
2003年 | 20,700 |
2002年 | 19,054 |
2001年 | 23,659 |
2000年 | 22,310 |
1999年 | 21,038 |
1998年 | 20,751 |
1997年 | 20,118 |
1996年 | 19,086 |
1995年 | 17,400 |
1994年 | 17,328 |
1993年 | 19,495 |
1992年 | 18,647 |
1991年 | 18,026 |
1990年 | 19,227 |
1989年 | 18,577 |
1988年 | 14,409 |
1987年 | 12,000 |
1986年 | 11,800 |
1985年 | 11,200 |
1984年 | 10,600 |
1983年 | 9,500 |
1982年 | 8,900 |
1981年 | 8,300 |
1980年 | 8,100 |
1979年 | 6,323 |
1978年 | 5,835 |
1977年 | 4,484 |
1976年 | 4,289 |
1975年 | 4,102 |
1974年 | 3,923 |
1973年 | 3,752 |
1972年 | 4,038 |
1971年 | 3,936 |
1970年 | 3,833 |
1969年 | 3,731 |
1968年 | 3,628 |
1967年 | 2,707 |
1966年 | 3,423 |
1965年 | 2,355 |
1964年 | 1,951 |
1963年 | 2,328 |
1962年 | 1,833 |
1961年 | 2,179 |
ホンジュラスのジャガイモ生産量の推移には、いくつかの重要な特徴が見られます。FAOのデータを振り返ると、1961年から1970年代にかけて生産量はわずかな増加にとどまりました。この時期、ジャガイモが主要な農産物として国内で普及しきれておらず、生産技術や市場ニーズの成熟が遅れていたと考えられます。
しかし、1978年以降、生産量は顕著に増加を見せました。この上昇傾向は経済の発展や農業技術の導入、政府の農業振興政策が影響したと分析されます。1988年には14,409トンという飛躍的な伸びを記録し、翌1989年には18,577トン、1993年には19,495トンに達しています。この成長は、国内需要の増大に応えるとともに輸出市場への参入を目指した取り組みにも関連しています。また、同時期にはインフラ整備が進み、農作物の流通が大幅に改善したことが影響した可能性があります。
2000年代に入ると、全体的な生産量はさらに増加し、2008年のピーク時には29,326トンを記録しました。その後、いくつかの年では減少が見られるものの、2012年以降は26,000トン前後で安定推移しています。この安定期に入った背景には、気候変動が一因である可能性が考えられます。例えば、ホンジュラスでは頻発する豪雨、干ばつ、さらには2010年代後半には土壌肥沃度の低下という課題も浮上しています。また、2020年からの新型コロナウイルスの影響で農業労働力が一時的に不足したことや、輸送などサプライチェーンの停滞も生産量の横ばい状態に寄与しているとみられます。
このような状況を踏まえると、現在の課題と今後の展望について議論することが重要です。ホンジュラスは、ジャガイモ生産を増強し続けるためには、気候変動や土壌問題に対処する必要があります。具体的には、持続的農業技術の導入、灌漑システムの整備、耐候性品種の導入などが挙げられます。さらに、農家の教育を通じて農業技術の普及を図ることや、政府と国際機関による資金提供・政策協力を強化することも有効でしょう。
また、地域間での連携も欠かせません。中米諸国と協力し、農産物市場の拡大や生産ノウハウの共有を進めることは、競争力の強化につながります。これらの対策は、農業従事者の生活水準の向上や国全体の食糧安全保障にも寄与します。
結論として、ホンジュラスのジャガイモ生産量は過去60年以上にわたり著しい成長を遂げましたが、近年は気候的、経済的な制約によって成長が鈍化しています。今後は、持続可能な農業を実現するための具体策を講じることが不可欠であり、地域や国際社会との協力もその道を切り拓く鍵となるでしょう。