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フィジーのジャガイモ生産量の推移【1961年~2023年】世界ランキング・統計データ

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、フィジーのジャガイモの生産量は1961年の20トンから始まり、2012年にピークの854トンに達しました。その後劇的に減少し、2018年には24トンまで落ち込みました。ここ数年は微増傾向にあるものの、依然として低水準です。この振れ幅の大きな推移は、気象条件や政策、農業技術、水害や自然災害など多くの要因と関連しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2019年 44
83.33% ↑
2018年 24
-91.11% ↓
2017年 270
1.5% ↑
2016年 266
-0.37% ↓
2015年 267
493.33% ↑
2014年 45
-74.72% ↓
2013年 178
-79.16% ↓
2012年 854
63.92% ↑
2011年 521
20.05% ↑
2010年 434
49.62% ↑
2009年 290
25.59% ↑
2008年 231
47.49% ↑
2007年 157
95.75% ↑
2006年 80
14.29% ↑
2005年 70
-9.79% ↓
2004年 78
0.65% ↑
2003年 77
0.26% ↑
2002年 77
-22.35% ↓
2001年 99
29.45% ↑
2000年 77
4.41% ↑
1999年 73
-17.99% ↓
1998年 89
11.7% ↑
1997年 80
-5.88% ↓
1996年 85 -
1995年 85
-16.67% ↓
1994年 102
308% ↑
1993年 25
-73.12% ↓
1992年 93
-22.5% ↓
1991年 120
-6.25% ↓
1990年 128
16.36% ↑
1989年 110
-15.38% ↓
1988年 130
-13.33% ↓
1987年 150 -
1986年 150
-25% ↓
1985年 200 -
1984年 200
-20% ↓
1983年 250
-16.67% ↓
1982年 300 -
1981年 300
-25% ↓
1980年 400
-27.27% ↓
1979年 550
10% ↑
1978年 500
-28.57% ↓
1977年 700
-6.67% ↓
1976年 750
7.14% ↑
1975年 700
100% ↑
1974年 350
62.04% ↑
1973年 216
-28% ↓
1972年 300 -
1971年 300
-70.47% ↓
1970年 1,016
122.32% ↑
1969年 457
204.67% ↑
1968年 150
50% ↑
1967年 100
-9.09% ↓
1966年 110
120% ↑
1965年 50
-58.33% ↓
1964年 120
200% ↑
1963年 40
100% ↑
1962年 20 -
1961年 20 -
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フィジーにおけるジャガイモ生産量の推移データを見ると、特に1960年代から1970年代にかけて安定性の欠如が顕著です。例えば、1968年には150トンでしたが、翌1969年には457トン、1970年にはさらに1,016トンの生産量に急増しました。一方、1971年には300トンに反落し、不安定な生産傾向が続きました。この変動の背景には、気候条件の変化や農業に対する支援政策の有無があると考えられます。また、ジャガイモがフィジーの伝統的な主食ではなく、輸出産業としての位置づけも確立していないことから、農業計画における優先順位が低い可能性があります。

1980年代は、比較的継続して生産量が減少傾向にありました。1960年代後半から1970年代の高生産量時期と比較して、1983年以降では年間200トン未満が常態化しました。同時期フィジー全体では、サトウキビやコプラ(乾燥ココナッツ)のほうが主産業として注目され、特に輸出市場でのジャガイモの競争力が他国に比べて弱いことが根本的要因であると言えます。

2012年に854トンと一時的なピークに達した背景には、農業技術や灌漑設備の改善が寄与したと推測されます。しかしその後急速に低下し、2013年には178トンに落ち込みました。このような劇的な変化の原因として考えられるのは、自然災害や気候変動の影響です。フィジーは熱帯地域に位置しており、台風や洪水などの甚大な被害に頻繁に見舞われます。例えば、気候の不安定さで播種期や収穫期がズレた場合、ジャガイモの栽培には致命的な影響を与える可能性があります。また、価格変動による農業従事者のモチベーション低下も原因の一つと考えられます。

さらに、2018年の24トンという極端な低水準まで生産量が減少した原因は、サイクロンや猛烈な降雨の影響が指摘されています。この時期、フィジーだけではなく、太平洋諸島全体で農業に壊滅的な打撃がもたらされました。これにより輸入への依存度が高まった結果、ジャガイモ栽培そのものが衰退している可能性もあります。

生産量の大幅な増減が繰り返される現状を考えると、フィジーではジャガイモ栽培が安定した産業とは言えない状況にあります。この課題を克服するためには、灌漑システムの導入や自然災害に対する防災インフラ整備が不可欠です。農業従事者に対する技術研修や、気候変動に対応した品種改良も効果的でしょう。例えば、旱魃や塩害にも耐性を持つジャガイモの品種を導入することで、生産量の安定化を目指すことができます。

また、地域間での協力体制強化も重要です。フィジー以外の南太平洋の国々が抱える農業の課題は多くが共通しており、水資源の効率利用や台風予測技術の共有化が最適な対策になる可能性があります。さらに、気候変動の影響を考慮した作付け計画と収穫後の物流網の整備も喫緊の課題と言えます。

結論として、フィジーにおけるジャガイモ生産量のデータが示すのは、構造的な変化と外的要因が複雑に絡み合った状況です。今後、気候の不確実性や災害リスクを軽減する施策を推進し、地元農家への継続的な技術支援と金融支援を行うことで、生産量の回復と農業の持続可能性が期待されます。国連や地域協力機関が中心となり、包括的な農業再生計画を策定することが、未来の安定した食料生産につながる鍵となるでしょう。

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