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スリランカのジャガイモ生産量推移(1961-2022)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表した最新のデータによると、スリランカのジャガイモ生産量は、1961年の3,928トンから2019年の101,642トンまで増加傾向を示していましたが、その後2022年には47,614トンと大幅に減少しました。この長期的なデータは、生産量の波動が顕著で、気象条件や政策、経済情勢などの影響を受けやすい状況を物語っています。

年度 生産量(トン)
2022年 47,614
2021年 75,911
2020年 65,085
2019年 101,642
2018年 88,897
2017年 73,358
2016年 80,458
2015年 70,377
2014年 82,372
2013年 78,750
2012年 72,200
2011年 59,360
2010年 51,930
2009年 61,700
2008年 74,820
2007年 77,390
2006年 78,490
2005年 79,450
2004年 81,270
2003年 71,750
2002年 88,710
2001年 57,680
2000年 48,410
1999年 27,170
1998年 25,900
1997年 66,484
1996年 100,755
1995年 81,657
1994年 79,385
1993年 78,180
1992年 78,562
1991年 66,737
1990年 87,200
1989年 83,500
1988年 87,500
1987年 81,042
1986年 82,482
1985年 89,000
1984年 68,300
1983年 89,800
1982年 76,893
1981年 66,000
1980年 51,121
1979年 37,900
1978年 29,098
1977年 29,102
1976年 27,876
1975年 21,924
1974年 26,896
1973年 26,384
1972年 31,279
1971年 30,500
1970年 31,741
1969年 26,927
1968年 18,270
1967年 11,509
1966年 7,361
1965年 2,117
1964年 4,721
1963年 7,271
1962年 1,148
1961年 3,928

スリランカのジャガイモ生産量は、1961年から2022年までの60年以上のデータにおいて非常に多様な変動を示しています。初期の1960年代には年間生産量が数千トンにとどまりましたが、1970年代以降は徐々に増加し、1980年代には大幅な生産拡大を見せました。特に1983年の89,800トンや1990年代後半にかけての安定した上昇傾向は、技術革新や農業政策の改善、農地面積の増加といった背景から説明できます。

しかし、1997年や1998年のように突然の生産減少が見られた年もあり、これには気候変動、自然災害、栽培面積の減少、または市場の需給状況に関連した経済問題が影響していると考えられます。例えば、1990年代末に見られる急激な落ち込みは、農業セクター全体が直面した不安定な経済情勢に起因している可能性があります。

2000年代に入ると、スリランカのジャガイモ生産は概ね70,000〜90,000トンの範囲で推移しましたが、2009年から2012年の再び顕著な変動が見られました。この間には、特に国内外の市場動向の影響、農地の利用方法の変化、そして政府による農業支援策の強化・弱化が絡み合った影響があると考えられます。

2019年には101,642トンと最高値を記録しましたが、その後の2020年以降は再び急激な減少が起こり、2022年には2010年代前半の水準をも下回る47,614トンとなりました。特に2020年以降の急減では、新型コロナウイルスの感染拡大が引き金となり、輸送の遅延や労働者不足が生産量に直接的な影響を与えたと分析できます。また、この時期は極端な気候変動──例えば洪水や干ばつなど──の影響も生産量の低下を招いた要因として挙げられるでしょう。

この変動状況は、スリランカのジャガイモ生産が極めて脆弱な条件に左右されることを示唆しており、生産の安定化が求められます。そのためには、まず気候変動への適応力を向上させるための農法の改善や、灌漑設備の強化が必要です。同時に、市場の競争力を高めるため、輸入に依存せず自給率を上げる方策を検討すべきです。具体的には、高付加価値品種の開発や生産者支援のための補助金制度の整備が効果的と考えられます。

さらに、スリランカ国内のもろい社会・経済構造からくるリスクを低減するため、ジャガイモ栽培地域の多角的な農業発展が重要です。たとえば、代替作物の導入や、地域の農業団体が連携して経営の効率化を図る仕組みを確立することが挙げられます。また、地政学的背景として、スリランカの輸出入依存度が高い経済構造の見直しと合わせて、国際的な農業支援協力を取り入れることが有効でしょう。

結論として、スリランカのジャガイモ生産は経年的に見て大きく増加してきたものの、近年の生産低下は顕著であり、それに応じた具体的な政策的・技術的努力が求められています。安定した農業基盤を構築することで、長期的な収量向上だけでなく、農家の生活水準や地域経済全般の向上にも寄与できることが期待されています。