世界のトウモロコシ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した1975年度のトウモロコシ生産量ランキングでは、アメリカ合衆国が1位で約1億4836万トン、中国が2位で約4722万トン、ブラジルが3位で約1633万トンの生産量を記録しています。これらの上位3カ国は世界全体のトウモロコシ生産の大部分を占めており、その中でもアメリカは際立った生産量を誇ります。一方、日本は14,000トンでランキング96位に位置し、生産力の面ではかなり後方に位置しています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	148,361,072
2	中国	アジア	47,220,000
3	ブラジル	南アメリカ	16,334,516
4	ルーマニア	ヨーロッパ	9,240,661
5	南アフリカ	アフリカ	9,139,000
6	メキシコ	南アメリカ	8,448,708
7	フランス	ヨーロッパ	8,209,000
8	アルゼンチン	南アメリカ	7,700,000
9	インド	アジア	7,255,800
10	ハンガリー	ヨーロッパ	7,171,695
11	イタリア	ヨーロッパ	5,258,800
12	カナダ	北アメリカ	3,644,866
13	インドネシア	アジア	2,902,890
14	タイ	アジア	2,863,168
15	ブルガリア	ヨーロッパ	2,822,482
16	エジプト	アフリカ	2,780,519
17	フィリピン	アジア	2,717,320
18	ケニア	アフリカ	2,050,000
19	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	2,000,000
20	スペイン	ヨーロッパ	1,793,600
21	ジンバブエ	アフリカ	1,763,075
22	ザンビア	アフリカ	1,483,133
23	タンザニア連合共和国	アフリカ	1,367,000
24	ナイジェリア	アフリカ	1,332,000
25	トルコ	アジア	1,200,000
26	マラウイ	アフリカ	1,000,000
27	オーストリア	ヨーロッパ	980,532
28	グアテマラ	南アメリカ	933,542
29	パキスタン	アジア	802,476
30	アフガニスタン	アジア	780,000
31	ネパール	アジア	747,810
32	コロンビア	南アメリカ	722,600
33	カメルーン	アフリカ	661,620
34	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	653,412
35	ペルー	南アメリカ	634,687
36	ウガンダ	アフリカ	570,000
37	ドイツ	ヨーロッパ	532,412
38	ポルトガル	ヨーロッパ	505,800
39	コンゴ民主共和国	アフリカ	495,400
40	ギリシャ	ヨーロッパ	488,000
41	アンゴラ	アフリカ	450,000
42	エルサルバドル	南アメリカ	439,245
43	モロッコ	アフリカ	370,700
44	ホンジュラス	南アメリカ	358,129
45	ガーナ	アフリカ	343,400
46	チリ	南アメリカ	328,987
47	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	305,000
48	パラグアイ	南アメリカ	300,754
49	ベトナム	アジア	280,600
50	エクアドル	南アメリカ	273,027
51	アルバニア	ヨーロッパ	270,000
52	コートジボワール	アフリカ	264,000
53	モザンビーク	アフリカ	250,000
54	ベナン	アフリカ	226,500
55	ニカラグア	南アメリカ	192,105
56	ハイチ	南アメリカ	180,000
57	ニュージーランド	オセアニア	157,599
58	ウルグアイ	南アメリカ	157,135
59	スイス	ヨーロッパ	140,900
60	中国、台湾 中国省	アジア	137,880
61	ブルンジ	アフリカ	137,140
62	トーゴ	アフリカ	135,090
63	オーストラリア	オセアニア	133,300
64	マダガスカル	アフリカ	119,675
65	ソマリア	アフリカ	103,800
66	エスワティニ	アフリカ	93,911
67	キューバ	南アメリカ	93,536
68	ブルキナファソ	アフリカ	84,490
69	ポーランド	ヨーロッパ	78,961
70	マリ	アフリカ	70,628
71	レソト	アフリカ	70,292
72	ブータン	アジア	70,000
73	コスタリカ	南アメリカ	67,767
74	ギニア	アフリカ	67,666
75	ルワンダ	アフリカ	67,457
76	パナマ	南アメリカ	65,212
77	イラン（イスラム共和国）	アジア	65,000
78	カンボジア	アジア	65,000
79	ミャンマー	アジア	61,369
80	大韓民国	アジア	54,186
81	イエメン	アジア	52,209
82	セネガル	アフリカ	48,900
83	ドミニカ共和国	南アメリカ	46,122
84	中央アフリカ共和国	アフリカ	41,000
85	ボツワナ	アフリカ	28,700
86	ラオス人民民主共和国	アジア	28,000
87	スリランカ	アジア	27,100
88	ナミビア	アフリカ	27,000
89	シリア・アラブ共和国	アジア	26,752
90	イラク	アジア	23,424
91	東ティモール	アジア	20,000
92	コンゴ	アフリカ	16,850
93	チャド	アフリカ	15,000
94	イスラエル	アジア	14,950
95	マレーシア	アジア	14,318
96	日本	アジア	14,000
97	レユニオン	アフリカ	13,214
98	ベリーズ	南アメリカ	11,793
99	ジャマイカ	南アメリカ	11,185
100	シエラレオネ	アフリカ	10,800
101	ガボン	アフリカ	7,400
102	オランダ	ヨーロッパ	7,000
103	アルジェリア	アフリカ	6,718
104	ガイアナ	南アメリカ	5,806
105	ガンビア	アフリカ	4,800
106	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	4,588
107	コモロ	アフリカ	4,000
108	ギニアビサウ	アフリカ	4,000
109	カーボベルデ	アフリカ	4,000
110	ニジェール	アフリカ	3,700
111	イギリス	ヨーロッパ	3,000
112	モーリタニア	アフリカ	2,500
113	バングラデシュ	アジア	2,239
114	バルバドス	南アメリカ	2,000
115	サウジアラビア	アジア	1,774
116	レバノン	アジア	1,500
117	モーリシャス	アフリカ	1,194
118	リビア	アフリカ	1,175
119	ニューカレドニア	オセアニア	912
120	ヨルダン	アジア	686
121	バハマ	南アメリカ	610
122	サントメ・プリンシペ	アフリカ	550
123	バヌアツ	オセアニア	550
124	フランス領ギアナ	南アメリカ	500
125	プエルトリコ	南アメリカ	454
126	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	450
127	グレナダ	南アメリカ	439
128	スリナム	南アメリカ	270
129	フィジー	オセアニア	198
130	ドミニカ	南アメリカ	190
131	グアドループ	南アメリカ	150
132	パプアニューギニア	オセアニア	122
133	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	60
134	セントルシア	南アメリカ	35
135	モルディブ	アジア	24
136	クウェート	アジア	3
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1975年時点のトウモロコシ生産量データによれば、アメリカ合衆国が圧倒的な生産量を誇り、2位の中国の約3倍以上のトウモロコシを生産していました。この圧倒的な差は、アメリカが持つ広大な耕地面積や先進的な農業技術の採用、さらにはトウモロコシが家畜の飼料や輸出産品としての重要性を持つ政策的背景に起因しています。中国やブラジルも農業国としての実績を示していますが、収穫量の規模ではアメリカには及びません。これには、当時の中国やブラジルにおける農業インフラがまだ発展途上であり、効率的な大規模農業の展開が限定されていたという状況が影響しています。

アフリカ大陸では南アフリカが顕著な存在感を示しており、トウモロコシ生産量は約913万トンでランキング5位に位置しています。これは、南部アフリカ地域においてトウモロコシが主食作物として重要な役割を果たしていることに加え、同地域の農業条件が比較的良好であることを反映しています。他のアフリカ諸国では、例えばケニアやナイジェリアなどが約200万トン前後の生産量を記録していますが、圧倒的な規模とは言えず、地域間での生産能力の格差が見られます。

日本では、トウモロコシの生産量がわずか14,000トンで、ランキングの中では96位にとどまっています。この低い順位は、限られた農地面積やトウモロコシが主食作物として重要視されていないこと、気候や土壌条件が大規模なトウモロコシ栽培に適していないことなどが要因と考えられます。一方で、中国や韓国の生産量を見ると、韓国は約54,000トンと小規模ながらも日本より多く、中国は約4722万トンと圧倒的に差をつけています。これは、両国が日本に比べ農業面積が広いことだけでなく、食文化や畜産物の需要がトウモロコシ栽培の促進に寄与しているためです。

今後の課題として、トウモロコシの生産と消費の不均衡により、いくつかの地域では食糧安全保障への影響が懸念されます。特にアフリカやアジア諸国の一部では、人口増加に対する生産力の不足が収益性の低下と飢餓のリスクをもたらしています。南アフリカなどが目立つ存在である一方、東アフリカや西アフリカ諸国での生産力強化が急務です。この点には、特に灌漑技術の向上や耐乾燥性品種の開発、生産性を高めるための農機具の導入が必要です。

地政学的には、トウモロコシ生産の集中は貿易と輸出入に大きく影響を与えます。例えば、アメリカや中国が主要輸出国としての役割を果たしていますが、政治的リスクや輸出制限が発生した場合、主に輸入依存度の高い国々での価格高騰や供給不足のリスクが深刻化する可能性があります。このため、輸入国は国内での生産力向上を目指すと同時に、国際的な貿易ルートの多角化を進めるべきです。

結論として、1975年のデータから示されるように、生産能力には各国間で大きなギャップがあります。気候変動の影響が強まりつつある現代においては、効率的な技術の導入や国際的な農業協力の促進がますます重要になるでしょう。特に、国内需要の高い国々における自国生産の奨励と政策支援は、長期的に見ても安全保障および経済の安定に寄与すると考えられます。