世界のジャガイモ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）のデータによると、1998年のジャガイモ生産量ランキングでは、中国が64,579,000トンで1位に輝き、世界の生産を大きくリードしました。続いて、ロシア連邦（28,953,172トン）とポーランド（25,948,670トン）がそれぞれ2位と3位を占めました。一方で、日本は3,073,000トンを生産し、世界18位につけ、アジア地域内では比較的上位となっています。ただし、中国やインド（17,652,300トン）といった隣国に比べると、かなり差があることが分かります。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	64,579,000
2	ロシア連邦	ヨーロッパ	28,953,172
3	ポーランド	ヨーロッパ	25,948,670
4	アメリカ合衆国	北アメリカ	21,575,890
5	インド	アジア	17,652,300
6	ウクライナ	ヨーロッパ	15,405,000
7	ドイツ	ヨーロッパ	11,337,580
8	ベラルーシ	ヨーロッパ	7,573,500
9	イギリス	ヨーロッパ	6,422,000
10	フランス	ヨーロッパ	5,908,280
11	トルコ	アジア	5,250,000
12	オランダ	ヨーロッパ	5,249,400
13	カナダ	北アメリカ	4,338,136
14	イラン（イスラム共和国）	アジア	3,430,407
15	アルゼンチン	南アメリカ	3,412,395
16	ルーマニア	ヨーロッパ	3,319,150
17	スペイン	ヨーロッパ	3,128,803
18	日本	アジア	3,073,000
19	ブラジル	南アメリカ	2,784,181
20	ペルー	南アメリカ	2,631,650
21	コロンビア	南アメリカ	2,547,213
22	イタリア	ヨーロッパ	2,194,020
23	エジプト	アフリカ	1,984,013
24	リトアニア	ヨーロッパ	1,849,200
25	南アフリカ	アフリカ	1,657,462
26	バングラデシュ	アジア	1,553,180
27	マラウイ	アフリカ	1,552,721
28	チェコ	ヨーロッパ	1,519,768
29	デンマーク	ヨーロッパ	1,455,960
30	パキスタン	アジア	1,425,517
31	オーストラリア	オセアニア	1,371,610
32	メキシコ	南アメリカ	1,280,886
33	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	1,269,000
34	カザフスタン	アジア	1,262,900
35	スウェーデン	ヨーロッパ	1,198,900
36	ハンガリー	ヨーロッパ	1,147,818
37	モロッコ	アフリカ	1,114,000
38	アルジェリア	アフリカ	1,100,000
39	インドネシア	アジア	998,032
40	ギリシャ	ヨーロッパ	993,895
41	ネパール	アジア	934,880
42	ポルトガル	ヨーロッパ	931,621
43	チリ	南アメリカ	791,998
44	キルギスタン	アジア	773,489
45	ラトビア	ヨーロッパ	694,100
46	ウズベキスタン	アジア	691,400
47	ケニア	アフリカ	679,738
48	クロアチア	ヨーロッパ	664,753
49	オーストリア	ヨーロッパ	646,915
50	フィンランド	ヨーロッパ	590,700
51	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	590,530
52	イラク	アジア	590,000
53	タンザニア連合共和国	アフリカ	563,704
54	大韓民国	アジア	561,985
55	スイス	ヨーロッパ	560,000
56	エクアドル	南アメリカ	534,105
57	ニュージーランド	オセアニア	500,000
58	シリア・アラブ共和国	アジア	492,264
59	アイルランド	ヨーロッパ	482,000
60	ブルガリア	ヨーロッパ	478,347
61	アルメニア	アジア	440,000
62	ノルウェー	ヨーロッパ	437,200
63	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	413,440
64	スロバキア	ヨーロッパ	411,981
65	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	390,232
66	ウガンダ	アフリカ	384,000
67	モルドバ共和国	ヨーロッパ	371,915
68	ベトナム	アジア	371,009
69	エチオピア	アフリカ	365,000
70	グルジア	アジア	349,804
71	サウジアラビア	アジア	347,000
72	イスラエル	アジア	346,500
73	エストニア	ヨーロッパ	316,700
74	アゼルバイジャン	アジア	312,382
75	レバノン	アジア	302,000
76	チュニジア	アフリカ	295,000
77	マダガスカル	アフリカ	280,000
78	ミャンマー	アジア	240,800
79	アフガニスタン	アジア	235,000
80	キューバ	南アメリカ	206,208
81	グアテマラ	南アメリカ	201,521
82	イエメン	アジア	196,469
83	スロベニア	ヨーロッパ	195,667
84	ルワンダ	アフリカ	181,138
85	北マケドニア	ヨーロッパ	180,135
86	リビア	アフリカ	180,000
87	タジキスタン	アジア	174,545
88	アルバニア	ヨーロッパ	144,996
89	ウルグアイ	南アメリカ	144,945
90	キプロス	アジア	138,092
91	ナイジェリア	アフリカ	107,000
92	タイ	アジア	90,382
93	ヨルダン	アジア	88,052
94	コンゴ民主共和国	アフリカ	88,000
95	レソト	アフリカ	80,000
96	コスタリカ	南アメリカ	79,495
97	モザンビーク	アフリカ	67,229
98	モンゴル	アジア	65,152
99	フィリピン	アジア	64,863
100	パレスチナ国	アジア	58,694
101	マリ	アフリカ	55,000
102	エリトリア	アフリカ	45,000
103	カメルーン	アフリカ	42,025
104	中国、台湾 中国省	アジア	39,163
105	マルタ	ヨーロッパ	36,117
106	ラオス人民民主共和国	アジア	33,000
107	ジンバブエ	アフリカ	29,000
108	ニカラグア	南アメリカ	27,000
109	トルクメニスタン	アジア	26,800
110	スリランカ	アジア	25,900
111	アンゴラ	アフリカ	25,000
112	ブルンジ	アフリカ	23,355
113	クウェート	アジア	21,884
114	パナマ	南アメリカ	21,837
115	ブータン	アジア	21,328
116	チャド	アフリカ	20,808
117	ホンジュラス	南アメリカ	20,751
118	ニジェール	アフリカ	19,540
119	ドミニカ共和国	南アメリカ	17,026
120	モーリシャス	アフリカ	14,612
121	オマーン	アジア	12,500
122	エルサルバドル	南アメリカ	12,070
123	アイスランド	ヨーロッパ	11,554
124	ハイチ	南アメリカ	10,800
125	ジャマイカ	南アメリカ	8,652
126	ザンビア	アフリカ	8,000
127	セネガル	アフリカ	7,746
128	エスワティニ	アフリカ	6,500
129	レユニオン	アフリカ	5,600
130	アラブ首長国連邦	アジア	5,132
131	コンゴ	アフリカ	3,364
132	カーボベルデ	アフリカ	2,600
133	パラグアイ	南アメリカ	1,870
134	フェロー諸島	ヨーロッパ	1,502
135	ブルキナファソ	アフリカ	1,362
136	モーリタニア	アフリカ	1,200
137	ニューカレドニア	オセアニア	1,149
138	中央アフリカ共和国	アフリカ	970
139	コモロ	アフリカ	950
140	フランス領ポリネシア	オセアニア	849
141	パプアニューギニア	オセアニア	500
142	ベリーズ	南アメリカ	436
143	東ティモール	アジア	364
144	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	175
145	ドミニカ	南アメリカ	111
146	フィジー	オセアニア	89
147	カタール	アジア	62
148	ベナン	アフリカ	54
149	バーレーン	アジア	16
+ すべての国を見る

1998年のジャガイモ生産量をみると、中国が突出して世界最大の生産国となっており、2位のロシアの倍以上の量を生産しています。ジャガイモは栄養価が高く柔軟性のある食品作物であり、特に大人口を抱える地域において重要な食糧基盤となる作物です。このデータから、中国が国民の食糧安全保障を重視し、ジャガイモ生産を農業政策の柱の一つとして位置付けていることが推測されます。さらに、中国内の農村部では、ジャガイモが米や他の主食作物を補完する重要な役割を果たしています。

ロシアやポーランドといった東欧や北欧諸国が上位にランクインしているのも注目すべき点です。これらの国々では、寒冷な気候や地理的条件に適応した農業形態の一環として、ジャガイモが主食として広く消費されています。特にポーランドは耕作地を効率的に利用することで、人口対比でも非常に高い生産量を誇り、ロシアに次ぐ結果となりました。また、インドやアメリカ合衆国といった主要農業国も上位に位置しており、それぞれ異なる産業的背景を持ちながら、ジャガイモを国内消費や輸出のために積極的に生産していることがうかがえます。

日本は1998年に3,073,000トンを生産しており、主として北海道を中心に国内消費を賄う形で生産が行われています。しかし、ランキングとしては18位となり、アジア諸国の中では中国やインドに大きく差をつけられています。この理由の一つとして、国土の利用可能な農地面積の制約や、他の主要農作物（例えば米や果物）における優先順位が挙げられるでしょう。さらに、人手不足による農業分野全般への影響も考慮すべき要素です。

一方で、アフリカや中南米、東南アジアにおいては、ジャガイモの生産量が相対的に低い傾向が見られます。これらの地域では、主食として根菜類や穀物が優先されることが多く、ジャガイモの地位が必ずしも高くないことが推測されます。しかし、例えばペルーなどのアンデス地域では、在来種の保存や多様な作付けの形で生産が続けられています。このような地域ごとの多様性は、気候変動や経済状況の変化によって作付け傾向に統一性が見られないことを示しています。

未来の課題としては、まず中国やインドといった人口密集地域でのさらなる需要増加に対応するための生産拡大が必要となるでしょう。一方で、土地劣化や水資源の消耗といった環境問題への配慮も不可欠です。特に中国では広大な耕作地を維持管理しながら、劣化を防ぐ持続可能な農業政策が不可欠です。

また、アジア以外でも、特にアフリカ諸国では、ジャガイモの普及を通じた食料安全保障の強化が課題となっています。これには技術提供やインフラ整備の支援、農業教育の拡充といった国際協力が役立つでしょう。特に国連や地域間協力機関が主導し、計画的に取り組むことが求められます。

最後に、日本の課題としては、効率的な農地利用や高付加価値商品の開発が挙げられるでしょう。単純な生産量の増加だけではなく、品種改良による品質向上や新たな加工品の開発を通じて、国際市場における競争力を高める必要があります。

ジャガイモは単なる食糧としてではなく、地政学的影響や経済政策にも関与する作物であり、このデータが提示するように、各国が多様な背景の中で異なる形でその価値を生み出しています。今後は持続可能性と食糧安全保障の観点から、さらなる検討と国際連携が重要となります。