世界のジャガイモ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

Food and Agriculture Organization（国際連合食糧農業機関）の最新データ（1992年度）によると、世界のジャガイモ生産量ランキングで1位はロシア連邦（約3833万トン）、2位は中国（約3778万トン）、3位はポーランド（約2339万トン）となっています。日本は15位で約349万トンを記録しており、中国やロシアを始めとする生産上位国と比べるとその規模は控えめです。一方、アジアの中ではインドが6位、中国が2位と地域全体での高い生産力が目立っています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	ロシア連邦	ヨーロッパ	38,329,700
2	中国	アジア	37,777,008
3	ポーランド	ヨーロッパ	23,387,744
4	ウクライナ	ヨーロッパ	20,276,816
5	アメリカ合衆国	北アメリカ	19,294,000
6	インド	アジア	18,195,000
7	ドイツ	ヨーロッパ	10,896,995
8	ベラルーシ	ヨーロッパ	8,983,900
9	イギリス	ヨーロッパ	7,814,000
10	オランダ	ヨーロッパ	7,641,000
11	フランス	ヨーロッパ	6,567,803
12	スペイン	ヨーロッパ	5,180,500
13	トルコ	アジア	4,600,000
14	カナダ	北アメリカ	3,614,909
15	日本	アジア	3,494,000
16	イラン（イスラム共和国）	アジア	2,708,267
17	ルーマニア	ヨーロッパ	2,601,648
18	カザフスタン	アジア	2,569,700
19	ブラジル	南アメリカ	2,432,073
20	イタリア	ヨーロッパ	2,402,150
21	コロンビア	南アメリカ	2,281,400
22	デンマーク	ヨーロッパ	1,774,989
23	アルゼンチン	南アメリカ	1,628,520
24	エジプト	アフリカ	1,618,650
25	ポルトガル	ヨーロッパ	1,583,091
26	バングラデシュ	アジア	1,379,320
27	スウェーデン	ヨーロッパ	1,252,900
28	メキシコ	南アメリカ	1,212,915
29	ハンガリー	ヨーロッパ	1,211,633
30	ラトビア	ヨーロッパ	1,167,400
31	アルジェリア	アフリカ	1,157,520
32	オーストラリア	オセアニア	1,150,141
33	リトアニア	ヨーロッパ	1,079,200
34	南アフリカ	アフリカ	1,068,340
35	ギリシャ	ヨーロッパ	1,052,000
36	チリ	南アメリカ	1,023,236
37	ペルー	南アメリカ	1,003,080
38	モロッコ	アフリカ	918,397
39	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	867,000
40	パキスタン	アジア	859,786
41	スイス	ヨーロッパ	756,900
42	オーストリア	ヨーロッパ	738,256
43	ネパール	アジア	732,860
44	大韓民国	アジア	726,070
45	インドネシア	アジア	702,584
46	フィンランド	ヨーロッパ	673,200
47	エストニア	ヨーロッパ	669,100
48	アイルランド	ヨーロッパ	638,000
49	ケニア	アフリカ	632,572
50	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	603,062
51	ブルガリア	ヨーロッパ	566,237
52	ノルウェー	ヨーロッパ	510,800
53	エクアドル	南アメリカ	497,034
54	クロアチア	ヨーロッパ	480,079
55	タンザニア連合共和国	アフリカ	452,680
56	シリア・アラブ共和国	アジア	412,500
57	ウズベキスタン	アジア	365,400
58	キルギスタン	アジア	362,000
59	マラウイ	アフリカ	350,000
60	ルワンダ	アフリカ	347,000
61	アルメニア	アジア	322,427
62	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	320,000
63	ニュージーランド	オセアニア	317,200
64	モルドバ共和国	ヨーロッパ	310,773
65	レバノン	アジア	278,013
66	マダガスカル	アフリカ	274,995
67	ウガンダ	アフリカ	268,000
68	キューバ	南アメリカ	264,501
69	ベトナム	アジア	259,300
70	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	238,145
71	アフガニスタン	アジア	225,000
72	イスラエル	アジア	224,228
73	チュニジア	アフリカ	218,000
74	イラク	アジア	215,000
75	グルジア	アジア	210,800
76	キプロス	アジア	195,400
77	グアテマラ	南アメリカ	184,547
78	イエメン	アジア	179,395
79	タジキスタン	アジア	167,400
80	スロベニア	ヨーロッパ	156,429
81	アゼルバイジャン	アジア	156,040
82	フィリピン	アジア	155,611
83	ウルグアイ	南アメリカ	155,000
84	リビア	アフリカ	150,000
85	ミャンマー	アジア	140,700
86	北マケドニア	ヨーロッパ	137,682
87	サウジアラビア	アジア	96,530
88	スリランカ	アジア	78,562
89	アルバニア	ヨーロッパ	78,525
90	モンゴル	アジア	78,500
91	ナイジェリア	アフリカ	73,000
92	モザンビーク	アフリカ	67,852
93	コスタリカ	南アメリカ	64,678
94	レソト	アフリカ	55,000
95	中国、台湾 中国省	アジア	49,198
96	ヨルダン	アジア	48,584
97	ブルンジ	アフリカ	46,700
98	タイ	アジア	45,000
99	カメルーン	アフリカ	41,000
100	アンゴラ	アフリカ	40,000
101	マリ	アフリカ	37,682
102	トルクメニスタン	アジア	35,000
103	ラオス人民民主共和国	アジア	35,000
104	コンゴ民主共和国	アフリカ	35,000
105	ドミニカ共和国	南アメリカ	34,633
106	ブータン	アジア	34,100
107	ジンバブエ	アフリカ	25,000
108	ニカラグア	南アメリカ	25,000
109	マルタ	ヨーロッパ	24,000
110	チャド	アフリカ	20,013
111	モーリシャス	アフリカ	19,175
112	ホンジュラス	南アメリカ	18,647
113	パナマ	南アメリカ	17,339
114	ニジェール	アフリカ	13,900
115	レユニオン	アフリカ	13,579
116	セネガル	アフリカ	12,000
117	アイスランド	ヨーロッパ	11,200
118	ザンビア	アフリカ	8,000
119	ハイチ	南アメリカ	8,000
120	ブルキナファソ	アフリカ	8,000
121	エルサルバドル	南アメリカ	7,800
122	ジャマイカ	南アメリカ	6,935
123	エスワティニ	アフリカ	5,956
124	オマーン	アジア	5,400
125	アラブ首長国連邦	アジア	4,330
126	ニューカレドニア	オセアニア	3,757
127	コンゴ	アフリカ	2,314
128	カーボベルデ	アフリカ	1,785
129	パラグアイ	南アメリカ	1,584
130	フェロー諸島	ヨーロッパ	1,518
131	中央アフリカ共和国	アフリカ	911
132	フランス領ポリネシア	オセアニア	826
133	クウェート	アジア	638
134	モーリタニア	アフリカ	500
135	コモロ	アフリカ	500
136	東ティモール	アジア	456
137	パプアニューギニア	オセアニア	340
138	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	260
139	ベリーズ	南アメリカ	240
140	カタール	アジア	215
141	ドミニカ	南アメリカ	102
142	バーレーン	アジア	94
143	フィジー	オセアニア	93
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このデータが示しているのは、1992年度における国ごとの農業生産力の多様性と、農地の利用方法が各国の地理的・気候的条件に依存しているということです。特に、ロシア連邦が1位、中国が2位を占めたことから、これらの地域が広大な農地や冷涼な気候を背景にジャガイモ生産に適していることがわかります。ジャガイモは寒冷地でも栽培できる作物として知られており、この点がロシアやポーランドといった寒冷地域の国々での高い生産量に繋がっています。

一方で、アメリカ合衆国やインドといった異なる気候条件を持つ国々もランキング上位に食い込んでいます。これらの国々は農業技術や投資の高さによって生産力を向上させています。また、気候の季節性だけでなく、品種改良による生産多様化も生産量を押し上げる要因となっています。これが、必ずしも気候依存だけに頼らない安定した生産力を可能にしていると言えます。

日本の15位という順位は、高度な農業技術と品種改良によるものの、農地の狭さや人口密度の高さから生産規模が限られていることを示しています。日本は多収性品種の導入や効率的な農業手法では他国に引けを取りませんが、国内で消費需要を満たす量には限界があるため、輸入への依存も少なくありません。同様に、アジア全体では中国とインドの圧倒的な生産量に対し、日本や韓国といった国々の生産量の低さは、地形や土地利用の制約を示しています。

将来的に、世界のジャガイモ生産における課題として注目すべき点は、気候変動による影響と、それに伴う食料安全保障の問題です。ジャガイモは特に天候や水分の安定供給に左右されやすいため、地球規模での異常気象は生産地に深刻なリスクをもたらす可能性があります。ロシアやウクライナのように、生産基盤が特定地域に偏ることは、地域紛争や地政学リスクによる供給不安定さを増大させる要因になります。

また、インドや中国のような人口増加が著しい国々では、国内の需要増加が生産量を上回る可能性も懸念されています。そのため、これらの国々では輸出戦略を見直し、国内需要を優先する体制を構築する必要があります。日本を含む多くの国々がこうしたリスクに対応するには、国際的な農業技術協力の強化が鍵となるでしょう。具体的には、生産技術の共有、安定した気候耐性を持つ品種の改良拡大の取り組みが推奨されます。

結論として、このデータは各国が抱える課題とその解決方法を示唆しています。特に、気候変動、地政学的リスク、需要と供給バランスの変化に対応するには、国家間の協力体制が重要になります。さらに、地球規模での持続可能な農業の実現に向けて、農業従事者の教育やインフラ整備も含め、総合的な対策が必要です。FAOや他の国際機関が引き続き中心的な役割を果たし、この分野での活動を推進することが望まれます。