世界のトウモロコシ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した1980年のトウモロコシ生産量ランキングによると、1位はアメリカ合衆国で圧倒的な168,647,008トン、2位は中国で62,600,000トン、3位はブラジルで20,372,080トンの生産量を記録しました。ランキングの上位国は、主に農業技術が進んだ国やトウモロコシを主食、飼料、工業原料として利用する経済を持つ国々が占めています。一方で、日本は107位で3,500トンと比較的低い位置にあり、この生産量の差は地理的条件や農業政策の違いによるものと考えられます。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	168,647,008
2	中国	アジア	62,600,000
3	ブラジル	南アメリカ	20,372,080
4	メキシコ	南アメリカ	12,374,400
5	南アフリカ	アフリカ	11,040,000
6	ルーマニア	ヨーロッパ	10,563,300
7	フランス	ヨーロッパ	9,323,400
8	インド	アジア	6,957,000
9	ハンガリー	ヨーロッパ	6,673,203
10	アルゼンチン	南アメリカ	6,400,000
11	イタリア	ヨーロッパ	6,376,700
12	カナダ	北アメリカ	5,753,200
13	インドネシア	アジア	3,990,939
14	エジプト	アフリカ	3,231,075
15	フィリピン	アジア	3,109,685
16	タイ	アジア	2,997,882
17	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	2,700,000
18	スペイン	ヨーロッパ	2,313,600
19	ブルガリア	ヨーロッパ	2,255,535
20	タンザニア連合共和国	アフリカ	1,726,000
21	ケニア	アフリカ	1,620,000
22	ジンバブエ	アフリカ	1,510,739
23	オーストリア	ヨーロッパ	1,292,745
24	ギリシャ	ヨーロッパ	1,279,000
25	トルコ	アジア	1,240,000
26	マラウイ	アフリカ	1,186,000
27	パキスタン	アジア	970,400
28	ザンビア	アフリカ	937,266
29	グアテマラ	南アメリカ	902,419
30	コロンビア	南アメリカ	853,560
31	アフガニスタン	アジア	752,000
32	ネパール	アジア	742,940
33	ドイツ	ヨーロッパ	675,807
34	ナイジェリア	アフリカ	612,000
35	コンゴ民主共和国	アフリカ	594,000
36	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	575,400
37	ポルトガル	ヨーロッパ	532,000
38	エルサルバドル	南アメリカ	529,368
39	ペルー	南アメリカ	493,307
40	ベトナム	アジア	428,800
41	カメルーン	アフリカ	413,680
42	チリ	南アメリカ	405,190
43	ホンジュラス	南アメリカ	387,424
44	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	383,365
45	ガーナ	アフリカ	382,000
46	コートジボワール	アフリカ	380,000
47	モザンビーク	アフリカ	380,000
48	アンゴラ	アフリカ	360,000
49	パラグアイ	南アメリカ	351,000
50	モロッコ	アフリカ	332,700
51	ウガンダ	アフリカ	286,000
52	アルバニア	ヨーロッパ	276,700
53	ベナン	アフリカ	271,300
54	エクアドル	南アメリカ	241,680
55	ニカラグア	南アメリカ	181,605
56	ハイチ	南アメリカ	179,170
57	ミャンマー	アジア	166,347
58	ニュージーランド	オセアニア	156,461
59	大韓民国	アジア	154,071
60	オーストラリア	オセアニア	150,903
61	ブルンジ	アフリカ	140,000
62	トーゴ	アフリカ	138,391
63	マダガスカル	アフリカ	127,570
64	ウルグアイ	南アメリカ	125,824
65	中国、台湾 中国省	アジア	115,141
66	ソマリア	アフリカ	110,000
67	レソト	アフリカ	105,618
68	ブルキナファソ	アフリカ	104,510
69	カンボジア	アジア	101,000
70	エスワティニ	アフリカ	96,735
71	キューバ	南アメリカ	95,000
72	スイス	ヨーロッパ	91,300
73	ギニア	アフリカ	90,000
74	ルワンダ	アフリカ	85,059
75	ブータン	アジア	77,500
76	コスタリカ	南アメリカ	75,314
77	イラン（イスラム共和国）	アジア	60,000
78	イラク	アジア	59,600
79	ポーランド	ヨーロッパ	57,800
80	セネガル	アフリカ	56,777
81	パナマ	南アメリカ	55,021
82	イエメン	アジア	52,000
83	東ティモール	アジア	50,000
84	シリア・アラブ共和国	アジア	48,146
85	マリ	アフリカ	45,387
86	ドミニカ共和国	南アメリカ	44,488
87	中央アフリカ共和国	アフリカ	40,857
88	ナミビア	アフリカ	32,000
89	ラオス人民民主共和国	アジア	28,398
90	チャド	アフリカ	25,000
91	スリランカ	アジア	21,200
92	ベリーズ	南アメリカ	18,825
93	イスラエル	アジア	13,700
94	シエラレオネ	アフリカ	12,000
95	ギニアビサウ	アフリカ	12,000
96	ボツワナ	アフリカ	11,600
97	レユニオン	アフリカ	10,274
98	ニジェール	アフリカ	10,000
99	ガボン	アフリカ	9,980
100	コンゴ	アフリカ	8,987
101	カーボベルデ	アフリカ	8,500
102	マレーシア	アジア	8,000
103	ガンビア	アフリカ	6,300
104	コモロ	アフリカ	5,200
105	モーリタニア	アフリカ	5,000
106	ジャマイカ	南アメリカ	4,393
107	日本	アジア	3,500
108	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	3,182
109	レバノン	アジア	2,000
110	オランダ	ヨーロッパ	2,000
111	バルバドス	南アメリカ	2,000
112	ガイアナ	南アメリカ	1,678
113	ニューカレドニア	オセアニア	1,550
114	パプアニューギニア	オセアニア	1,543
115	アルジェリア	アフリカ	1,478
116	バングラデシュ	アジア	1,377
117	サウジアラビア	アジア	991
118	リビア	アフリカ	931
119	イギリス	ヨーロッパ	785
120	モーリシャス	アフリカ	732
121	バハマ	南アメリカ	719
122	フィジー	オセアニア	700
123	バヌアツ	オセアニア	650
124	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	530
125	ヨルダン	アジア	459
126	サントメ・プリンシペ	アフリカ	450
127	グレナダ	南アメリカ	447
128	スリナム	南アメリカ	290
129	ドミニカ	南アメリカ	230
130	プエルトリコ	南アメリカ	150
131	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	29
132	クウェート	アジア	27
133	モルディブ	アジア	7
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1980年のトウモロコシ生産量データを見ると、アメリカ合衆国が全体の生産を圧倒的にリードしています。その生産量168,647,008トンは、世界全体の生産量に対して大きなシェアを占め、2位の中国（62,600,000トン）を大きく引き離しています。この結果は、アメリカ合衆国が肥沃な土地や先進的な農業技術、大規模な生産体制を有していること、またトウモロコシを含む農産物の大規模輸出国としての地位を確立していることを示しています。加えて、飼料用としての需要が多い畜産業の発展もその要因となっています。

一方、中国は2位を占めていますが、生産量はアメリカ合衆国の約3分の1にとどまっています。当時の中国では農業生産性向上の取り組みが進行中で、主に国内消費を賄うための生産が中心であったことが背景にあります。そのため、輸出余力が限られ、大規模農業の導入はまだ先の課題となっていました。ブラジル（20,372,080トン）は3位で、気候条件や農地の豊富さに裏付けられ、同年の南アメリカの主要輸出国として注目されています。

注目すべき点として、日本の生産量は3,500トンで、ランキングは107位でした。日本は地理的条件として耕作適地が限られていること、主要農産物が米であること、そしてトウモロコシを主に輸入に頼る形で需要を満たしていたことが要因です。これは1980年当時の日本の自給率の低さを示しますが、それを補うための国際的な貿易依存度の高さも同時に確認できます。

一方、アフリカ諸国、特に南アフリカ（11,040,000トン）がアフリカでトップの生産量を示しましたが、これ以外のアフリカ諸国は低生産量であり、同大陸内での生産格差が見られます。これは地政学的背景として、農業技術の未整備、貧弱なインフラ、または干ばつなどの自然条件が影響していることが考えられます。たとえば、ケニア（1,620,000トン）やタンザニア（1,726,000トン）など、サハラ以南の国々では灌漑技術が整っていないことや、自然災害のリスクがこれらの問題を悪化させました。

このデータを基に将来の課題を考えると、まずアメリカや中国のような主要生産国における環境負荷の大規模化が挙げられます。特に過度な化学肥料の使用やモノカルチャー（単一作物栽培）による土壌劣化などのリスクがあるため、持続可能な農業への転換が重要です。また、アフリカや南アメリカなど発展途上地域では、農業技術の普及とインフラ整備を強化する必要があります。特に灌漑システムの導入や気候変動への適応策を講じることで、現地での生産性を向上させるべきです。

加えて、日本のような農業資源が限られている国では、効率的な輸入システムの確立とともに、国内消費における代替手段や技術革新を活用することが求められます。たとえば、トウモロコシ由来の飼料やバイオ燃料の需要が増加する中で、多様な供給源を確保し、持続可能な農産物の利用を促進する政策が必要です。

地域紛争や自然災害の影響も無視できません。特にアフリカやアジアの一部地域では、内戦や政情不安が農業活動を阻害し、貧困と飢餓の問題が拡大しています。国際機関や先進国はこうした地域への支援とともに、平和的な紛争解決を促進する外交的取り組みを強化すべきです。

結論として、1980年のトウモロコシ生産量ランキングは、世界の農業生産の基盤とその地政学的背景を理解する上で重要な指標となります。持続可能性の追求、安全保障としての農業支援、そして地域間の格差是正が、今後の地球規模での重要な課題となるでしょう。