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世界のサトウキビ生産量ランキング2023(最新)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した2023年度のサトウキビ生産量ランキングによると、1位はブラジルで782,585,836トン、2位はインドで490,533,351トン、3位は中国で104,565,500トンとなっています。これら3国が世界のサトウキビ生産を牽引しており、特にブラジルは第2位のインドとおよそ300百万トン近い差をつけています。一方で、日本は1,219,005トンで52位にランクインしています。アジア地域や南米、アフリカ諸国の生産状況にも大きなばらつきが見られます。

順位 国名 地域 生産量(トン)
1 ブラジル 南アメリカ 782,585,836
2 インド アジア 490,533,351
3 中国 アジア 104,565,500
4 タイ アジア 93,981,770
5 パキスタン アジア 87,637,669
6 メキシコ 南アメリカ 55,977,193
7 インドネシア アジア 34,700,000
8 オーストラリア オセアニア 32,589,391
9 コロンビア 南アメリカ 32,415,575
10 アメリカ合衆国 北アメリカ 29,897,180
11 グアテマラ 南アメリカ 26,409,752
12 フィリピン アジア 21,650,938
13 南アフリカ アフリカ 17,944,000
14 アルゼンチン 南アメリカ 15,436,339
15 エジプト アフリカ 15,269,137
16 ベトナム アジア 11,843,773
17 ミャンマー アジア 11,220,886
18 ボリビア (多民族国家) 南アメリカ 10,307,309
19 ペルー 南アメリカ 10,087,751
20 イラン(イスラム共和国) アジア 8,599,516
21 キューバ 南アメリカ 8,265,796
22 エルサルバドル 南アメリカ 7,393,029
23 ニカラグア 南アメリカ 6,964,837
24 パラグアイ 南アメリカ 6,858,400
25 エクアドル 南アメリカ 6,253,732
26 ウガンダ アフリカ 6,189,665
27 ジンバブエ アフリカ 5,670,266
28 エスワティニ アフリカ 5,621,184
29 ケニア アフリカ 5,556,100
30 ホンジュラス 南アメリカ 5,376,513
31 ザンビア アフリカ 4,652,869
32 ドミニカ共和国 南アメリカ 4,571,919
33 スーダン アフリカ 4,373,454
34 タンザニア連合共和国 アフリカ 3,588,874
35 コスタリカ 南アメリカ 3,422,767
36 マダガスカル アフリカ 3,214,794
37 マラウイ アフリカ 3,169,051
38 ネパール アジア 3,130,109
39 バングラデシュ アジア 2,982,546
40 モーリシャス アフリカ 2,452,653
41 コンゴ民主共和国 アフリカ 2,433,789
42 コートジボワール アフリカ 2,150,376
43 ラオス人民民主共和国 アジア 1,660,726
44 モザンビーク アフリカ 1,621,251
45 ベネズエラ (ボリバル共和国) 南アメリカ 1,595,171
46 フィジー オセアニア 1,565,564
47 ナイジェリア アフリカ 1,543,289
48 ハイチ 南アメリカ 1,501,162
49 ベリーズ 南アメリカ 1,488,960
50 パナマ 南アメリカ 1,365,587
51 セネガル アフリカ 1,283,824
52 日本 アジア 1,219,005
53 カメルーン アフリカ 1,142,065
54 アンゴラ アフリカ 1,013,442
55 ガイアナ 南アメリカ 949,874
56 エチオピア アフリカ 948,000
57 スリランカ アジア 805,616
58 カンボジア アジア 800,221
59 マリ アフリカ 735,186
60 コンゴ アフリカ 725,869
61 ニジェール アフリカ 627,989
62 ウルグアイ 南アメリカ 542,000
63 ブルキナファソ アフリカ 507,581
64 チャド アフリカ 453,951
65 中国、台湾 中国省 アジア 423,861
66 ジャマイカ 南アメリカ 414,769
67 モロッコ アフリカ 385,310
68 ギニア アフリカ 324,026
69 パプアニューギニア オセアニア 320,798
70 リベリア アフリカ 278,632
71 ガボン アフリカ 271,150
72 ソマリア アフリカ 241,170
73 ブルンジ アフリカ 195,666
74 ガーナ アフリカ 156,630
75 中央アフリカ共和国 アフリカ 131,598
76 ルワンダ アフリカ 101,979
77 スリナム 南アメリカ 86,739
78 シエラレオネ アフリカ 82,781
79 ベナン アフリカ 80,831
80 バルバドス 南アメリカ 72,846
81 バハマ 南アメリカ 62,948
82 アフガニスタン アジア 56,000
83 カーボベルデ アフリカ 22,940
84 マレーシア アジア 16,969
85 グレナダ 南アメリカ 8,658
86 ギニアビサウ アフリカ 6,946
87 ドミニカ 南アメリカ 4,877
88 フランス領ポリネシア オセアニア 3,578
89 バヌアツ オセアニア 1,800
90 オマーン アジア 1,689
91 ブータン アジア 219
92 ブルネイ ダルサラーム アジア 64
93 ジブチ アフリカ 56
94 サモア オセアニア 12
95 クウェート アジア 3
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最新のFAOデータによると、2023年度のサトウキビ生産量トップ3であるブラジル、インド、中国が世界の生産全体において非常に重要な役割を果たしています。ブラジルは特に顕著で、全体の約40%を占めています。同国では、広大な土地、最適な気候条件、長年にわたる農業技術の蓄積によって、その圧倒的な生産力を維持しています。また、エタノール燃料の生産にも利用されることで経済的な意義が非常に大きいです。

これと比較して、2位のインドは約490百万トンの生産量でブラジルには及ばないものの、多様な気候帯や国内需要の高さがその基盤を支えています。中国はやや生産量が少ないものの、国内需要に合わせて効率的な生産方式を採用していることが特徴です。アジア地域においては、インドをはじめタイやパキスタンといった国々も重要なプレーヤーですが、生産量には大きな差があります。

一方で、日本は52位に位置しており、1,219,005トンという比較的小規模な生産国といえます。これは日本の国土面積や気候条件が、サトウキビ生産に大規模な適応が難しいという背景を示しています。それでも、主に沖縄や鹿児島においてサトウキビ栽培が行われており、国内向けの製糖類産業としての役割を果たしています。

課題としては、サトウキビ生産は気象条件に左右されやすいことが挙げられます。特に近年の気候変動の影響で、熱帯地域の洪水や干ばつ、害虫被害が増加しており、生産規模の維持が困難になるリスクがあります。さらに一部のアフリカ諸国においては、インフラの未整備や農業技術の遅れにより、効率的な生産が進んでいない現状があります。このような課題に直面する国々では、持続可能な農業支援や国際協力の推進が求められています。

また地政学的視点から見ると、エタノール生産の主要原料であるサトウキビをめぐって、農地や資源の確保を巡る争いが地域間や国際的に発生する可能性があります。そのため、国際的なルール策定による資源管理の調整や、紛争を未然に防ぐ枠組みの構築が重要です。

最後に提言ですが、サトウキビの生産効率をさらに向上させるための技術革新が必要です。特に、生物多様性を守りつつ生産量を増やせる新しい農法の研究開発が鍵を握ります。また、気候変動に適応した灌漑技術や耐性品種の普及に関する国際的な協力が進むことで、全体的な生産量の増加と環境負荷の低減が期待されます。さらに、国内市場の需要拡大に向けた政策、たとえばバイオ燃料への利用促進に関する取り組みも推進することで、地球規模での資源の効率的な利用が達成されるでしょう。