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コートジボワールのサトウキビ生産量推移(1961年~2023年)

コートジボワールのサトウキビ生産量は、1975年から2023年にかけて大幅に変動を見せてきました。特に1970年代後半から1980年代初頭にかけて急激な成長を記録し、その後は不安定な動向を経ながらも、近年では再び増加傾向を示しています。2023年の生産量は2,150,376トンに達し、過去最高を更新しました。一方で、長期的な気候変動や地域衝突の影響が見られる中で、安定性を確保するための課題が浮き彫りになっています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 2,150,376
1.72% ↑
2022年 2,114,005
-0.71% ↓
2021年 2,129,217
8.08% ↑
2020年 1,970,000
-6.19% ↓
2019年 2,100,000
3.64% ↑
2018年 2,026,300
6.48% ↑
2017年 1,903,000
3.88% ↑
2016年 1,832,000
-8.49% ↓
2015年 2,002,000
1.95% ↑
2014年 1,963,655
-0.27% ↓
2013年 1,968,917
5.47% ↑
2012年 1,866,748
-3.8% ↓
2011年 1,940,493
7.78% ↑
2010年 1,800,467
14.05% ↑
2009年 1,578,640
-4.91% ↓
2008年 1,660,080
1.45% ↑
2007年 1,636,330
13.01% ↑
2006年 1,448,010
-0.57% ↓
2005年 1,456,280 -
2004年 1,456,321
15.18% ↑
2003年 1,264,390
-18.12% ↓
2002年 1,544,172
-6.57% ↓
2001年 1,652,806
-1.15% ↓
2000年 1,672,050
15% ↑
1999年 1,453,899
34.48% ↑
1998年 1,081,134
-14.88% ↓
1997年 1,270,165
2.76% ↑
1996年 1,236,024
5.45% ↑
1995年 1,172,179
-2.35% ↓
1994年 1,200,345
-5.79% ↓
1993年 1,274,173
-6.38% ↓
1992年 1,361,030
-2.84% ↓
1991年 1,400,833
2.83% ↑
1990年 1,362,312
2.03% ↑
1989年 1,335,183
-2.75% ↓
1988年 1,372,988
1.97% ↑
1987年 1,346,398
4.75% ↑
1986年 1,285,405
12.88% ↑
1985年 1,138,761
-9.71% ↓
1984年 1,261,251
-30.71% ↓
1983年 1,820,360
1.99% ↑
1982年 1,784,890
8.03% ↑
1981年 1,652,256
25.38% ↑
1980年 1,317,770
91.79% ↑
1979年 687,101
89.34% ↑
1978年 362,891
-1.02% ↓
1977年 366,645
42.53% ↑
1976年 257,246
124.45% ↑
1975年 114,613 -

コートジボワールのサトウキビ生産量は、1975年の114,613トンから1977年に366,645トン、1980年には1,317,770トンと急激な伸びを見せました。この成長は農業技術の導入や栽培面積の拡大といった要因に支えられたものと考えられます。しかし、1983年以降は一部の年で大幅な減少も記録され、とくに1984年の1,261,251トンや1994年の1,200,345トンという低迷が目立ちます。これらの期間において、気候条件の変化や輸送網の未整備、国内政治の混乱が生産に影響を与えていた可能性があります。

2000年代初めには再び増加傾向が見られ、2019年から2023年にかけては安定的な成長を実現しています。2023年には、生産量が2,150,376トンと立国以来の最高値に達し、これは1975年時点から20倍弱の成長率を示しています。この発展は、農地管理の近代化や輸出市場の需要増加が貢献したと考えられます。

しかしながら、サトウキビ生産を取り巻く課題は依然として多く存在しています。まず、地球温暖化による気候的リスクが影響を与える可能性が高まっています。サトウキビは水需要が高い作物であり、干ばつや洪水といった極端な気候現象が頻発すると、生産の安定性が危ぶまれます。また、コートジボワールは長年にわたり内戦や社会的な不安定要因を抱えており、これが物流や人員の確保といった生産の実務に制約をかけるリスクがあります。

さらに、サトウキビの生産増加がすべて持続可能であるとはいえず、土地の過剰利用や土壌の劣化が懸念されています。これに加えて、輸出先市場の競争が激化する中で、生産効率を向上させる必要性が高まっています。たとえば、主要な輸出相手国であるヨーロッパ市場では、持続可能性や低炭素化が重視されるため、サトウキビの栽培プロセスにおける環境基準への適合が求められます。

これらの課題を克服するために、いくつかの具体的な提言が考えられます。まず、灌漑設備の改善や気候変動に適応する種子の開発を通じて、生産の不確実性を軽減することが重要です。さらに、地方農家への技術支援を強化することにより、効率的な栽培方法の普及を進めることが求められます。輸出市場への対応としては、環境配慮型の認証を取得し、国際競争力を確保することが有益です。また、地域協力を推進し、近隣諸国と共同で効果的な生産ネットワークを構築することで、供給チェーンの強化が期待されます。

過去数十年のサトウキビ生産量の推移は、コートジボワール経済の成長や農業セクターの潜在力を示しています。一方で、多くのリスク要因が依然として残存しており、それらに対応した持続可能な農業政策の策定が急務です。国際機関や多国間協力も視野に入れつつ、環境・経済両面での安定を目指していくことが求められるでしょう。特に、長期視点で気候変動対策と土壌保全を進めることが、次世代への責任ある対応となるはずです。