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グアテマラのサトウキビ生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、グアテマラのサトウキビ生産量は1961年の1,533,000トンから2023年の26,409,752トンまで、長期的に大幅な増加を記録しています。特に1990年代以降、急激な成長が見られましたが、2016年以降には27,000,000トン前後で推移する横ばい傾向が確認されています。一方で、2021年以降やや低調で、全体的な成長の勢いが減速している兆候も見られます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 26,409,752
1.27% ↑
2022年 26,079,734
2.17% ↑
2021年 25,525,851
-7.75% ↓
2020年 27,669,110
-7.35% ↓
2019年 29,865,166
7.95% ↑
2018年 27,665,415
6.61% ↑
2017年 25,951,271
-22.61% ↓
2016年 33,533,403
-0.99% ↓
2015年 33,869,277
1.9% ↑
2014年 33,239,196
23.5% ↑
2013年 26,913,622
10.8% ↑
2012年 24,289,900
17.99% ↑
2011年 20,586,052
-7.74% ↓
2010年 22,313,828
3.66% ↑
2009年 21,525,684
5.98% ↑
2008年 20,311,940 -
2007年 20,312,464
15.2% ↑
2006年 17,631,588
-2.09% ↓
2005年 18,007,620
-9.96% ↓
2004年 20,000,000
14.94% ↑
2003年 17,400,000
-0.51% ↓
2002年 17,489,900
3.28% ↑
2001年 16,934,900
2.31% ↑
2000年 16,552,400
-2.71% ↓
1999年 17,012,800
-6.47% ↓
1998年 18,189,380
2.84% ↑
1997年 17,687,010
13.5% ↑
1996年 15,582,930
0.9% ↑
1995年 15,443,780
30.19% ↑
1994年 11,862,420
1.03% ↑
1993年 11,741,100
3.83% ↑
1992年 11,307,600
4.71% ↑
1991年 10,798,800
12.45% ↑
1990年 9,603,100
26.1% ↑
1989年 7,615,300
0.64% ↑
1988年 7,567,229
10.14% ↑
1987年 6,870,584
-1.85% ↓
1986年 7,000,000
6.38% ↑
1985年 6,580,000
0.3% ↑
1984年 6,560,000
0.92% ↑
1983年 6,500,000
-12.4% ↓
1982年 7,420,000
17.78% ↑
1981年 6,300,000
10.53% ↑
1980年 5,700,000
18.01% ↑
1979年 4,830,000
-9.89% ↓
1978年 5,360,000
-18.79% ↓
1977年 6,600,000
-3.58% ↓
1976年 6,845,000
34.4% ↑
1975年 5,093,000
15.15% ↑
1974年 4,422,759
10.33% ↑
1973年 4,008,627
22.49% ↑
1972年 3,272,661
17.49% ↑
1971年 2,785,453
5.81% ↑
1970年 2,632,500
-0.98% ↓
1969年 2,658,600
16.07% ↑
1968年 2,290,600
-14.64% ↓
1967年 2,683,400
5.97% ↑
1966年 2,532,300
19.68% ↑
1965年 2,115,900
-1.9% ↓
1964年 2,156,800
6.76% ↑
1963年 2,020,300
2.38% ↑
1962年 1,973,400
28.73% ↑
1961年 1,533,000 -

グアテマラは中米地域に位置する農業中心の国で、サトウキビは国の主要な輸出産品のひとつとして国際市場で重要な役割を果たしています。同国のサトウキビ生産量データは経済的・環境的な観点だけでなく、地政学的な視点でも重要です。このデータから長期的な生産の増加傾向、特定の時期における変動、そして近年の伸び悩みが明らかになっています。

1960年代から1970年代にかけて生産量は徐々に拡大しましたが、この時期の増加率は緩やかでした。一部の年では生産量が減少することもあり、特に1978年から1980年にかけては落ち込みが見られます。これは、地域的な政治的混乱やインフラ不足、また気候条件の不安定性が影響した可能性が高いと言えます。その後、1980年代から1990年代にかけて急激な生産増加が始まり、1990年には初めて9,000,000トンを超え、1995年には15,000,000トンを突破しています。この成長は、効率的な灌漑システムの導入や農地拡大といった技術的革新による成果と考えられます。

1990年代後半になると、グアテマラは持続的な成長を続け、2004年には初めて20,000,000トンを記録しました。この成功は、国内外の投資の増加、技術向上、そして国際市場での需要の拡大によるものです。ただし、2005年から2007年のように一時的な減少も見られます。こうした減少の要因として世界市場での価格変動や気候の不安定さが挙げられます。

さらに、2010年代には大きな生産増加が見られ、2013年に26,913,622トン、2014年には大幅に増えて33,239,196トンを記録しました。しかし、2017年以降、生産量は安定しながらも横ばいとなり、27,000,000トン前後で推移する傾向が強まっています。これは、農地の制約、生産効率の頭打ち、そして気候変動による天候の不確実性などが影響していると考えられます。

また、2021年以降はさらに緩やかな減少傾向が見られていますが、この原因の一つとして新型コロナウイルス(COVID-19)による労働力の不足や生産活動の一時的な制約が挙げられます。また、全体的な気象条件の悪化やインフラ老朽化も長期的な懸念材料とされています。これにより、グアテマラのサトウキビ産業が構造的な課題に直面している可能性があります。

今後の課題として、まず気候変動への適応が挙げられます。灌漑技術のさらなる改善や気候レジリエンス型の生産体制を導入することが緊急の課題です。さらに、農業労働者への投資を増やし、コロナ禍での労働力不足への対応や長期的な農業労働のスキルアップが必要です。また、サトウキビの加工品を増やし付加価値を高め、国際市場における価格競争力を強化することが求められるでしょう。

地政学的側面から見ると、グアテマラなど中米地域はサトウキビなどの農産品を巡る資源争奪が厳しくなっています。特に他国との自由貿易協定を拡大し、国際的なマーケットシェアを確保することが重要です。また、土地利用を巡る地域衝突や環境破壊問題が将来的に生じるリスクも無視できません。このため、地域間協力を強化し、持続可能な農地利用モデルを構築することが重要となります。

このように、グアテマラのサトウキビ生産は成長を続けてきたものの、近年の課題に対処するためには、気候変動対策や生産効率の向上、さらには国際連携といった多面的な政策が必要です。国や国際機関、地域の関係者が協力して対策を進めることが、持続可能な発展への鍵になるでしょう。