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バルバドスのサトウキビ生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、1960年代から長期的な傾向として、バルバドスのサトウキビ生産量は大幅に減少しています。1967年には1,855,300トンというピークを記録しましたが、その後は波を描きながら減少を続け、2023年には72,846トンにまで落ち込んでいます。この減少傾向は、気候条件の変化、農業従事者の減少、国際市場での価格競争など複数の要因が背景にあります。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 72,846
-24.08% ↓
2022年 95,955
4.15% ↑
2021年 92,129
0.81% ↑
2020年 91,389
8.04% ↑
2019年 84,589
-42.39% ↓
2018年 146,831
11.92% ↑
2017年 131,194
57.37% ↑
2016年 83,369
-28.2% ↓
2015年 116,105
-27.26% ↓
2014年 159,607
-7.79% ↓
2013年 173,085
-33.07% ↓
2012年 258,600
-9.39% ↓
2011年 285,410
10.28% ↑
2010年 258,800
-27.45% ↓
2009年 356,700
14.81% ↑
2008年 310,700
-12.11% ↓
2007年 353,500
1.49% ↑
2006年 348,300
-21.27% ↓
2005年 442,400
22.47% ↑
2004年 361,237
-0.91% ↓
2003年 364,555
-12.75% ↓
2002年 417,847
-0.51% ↓
2001年 420,000
-23.08% ↓
2000年 546,000
4.6% ↑
1999年 522,000
16.34% ↑
1998年 448,700
-21.4% ↓
1997年 570,872
6.72% ↑
1996年 534,900
49.75% ↑
1995年 357,200
-22.97% ↓
1994年 463,700
5.15% ↑
1993年 441,000
-16.46% ↓
1992年 527,900
-10.07% ↓
1991年 587,000
-3.14% ↓
1990年 606,000
8.21% ↑
1989年 560,000
-19.89% ↓
1988年 699,000
1.45% ↑
1987年 689,000
-24.14% ↓
1986年 908,200
14.45% ↑
1985年 793,500
-2.37% ↓
1984年 812,800
15.29% ↑
1983年 705,000
-12.35% ↓
1982年 804,300
-16.74% ↓
1981年 966,000
-19.83% ↓
1980年 1,205,000
14.54% ↑
1979年 1,052,000
17.54% ↑
1978年 895,000
-14.35% ↓
1977年 1,045,000
13.77% ↑
1976年 918,500
8.65% ↑
1975年 845,400
-11.58% ↓
1974年 956,100
-8.07% ↓
1973年 1,040,000
-1.86% ↓
1972年 1,059,700
-14.09% ↓
1971年 1,233,500
-15.28% ↓
1970年 1,456,000
13.37% ↑
1969年 1,284,300
-7.67% ↓
1968年 1,391,000
-25.03% ↓
1967年 1,855,300
17.13% ↑
1966年 1,584,000
-10% ↓
1965年 1,760,000
17.33% ↑
1964年 1,500,000
-12.23% ↓
1963年 1,708,996
17.21% ↑
1962年 1,458,032
4.14% ↑
1961年 1,400,117 -

バルバドスはかつてサトウキビ生産の一大拠点として、国内経済の主要な収入源を構成していました。特に1960年代から1970年代にかけては、サトウキビの需要が安定し、大規模な輸出を行いながら国内の農業を支える中心的な産業でした。しかし、1967年の1,855,300トンを最高値とした後、生産量は次第に減少を始め、2023年にはわずか72,846トンとなっています。この減少は、バルバドスの経済や農業に大きな影響を及ぼしてきました。

一連の減少傾向の背景には、いくつかの重要な要因があります。第一に、気候条件の変化が生産効率に深刻な影響を与えています。バルバドスは台風や干ばつなどの被害を受けやすい地域であり、これにより農地が荒廃し、サトウキビの収穫量が著しく低下しています。第二に、労働力の減少が挙げられます。若年層の都市部・サービス業への移行や農業労働への関心の低下が、農業分野の担い手不足を引き起こしています。また、国際的なサトウキビ市場での価格競争も、バルバドスの小規模な農業生産にとって大きな課題となりました。南米のブラジルやアジアのインドなどの主要な生産国が規模の経済を活かし生産コストを押し下げている一方で、バルバドスは労働コストや物流費の観点で不利な立場にあるといえます。

さらに、地政学的な影響も無視できません。他国の貿易政策や輸入関税の変動、主要市場である欧州やアメリカの食糖消費の減少も、バルバドスの生産量減少を加速させた要因の一つです。特にヨーロッパ連合(EU)がサトウキビ製品の輸入に優遇措置を適用していた時期の終了は、直接的な打撃となりました。

未来を見据えると、この減少傾向を逆転させることは難しいものの、いくつかの対策を講じることで解決の糸口が見つかるかもしれません。一つは、持続可能な農業の推進です。例えば、耐乾燥性を持つ品種の研究や導入、自然災害に強い農地管理技術の開発を進めることが重要です。加えて、農業に関する教育プログラムを強化し、若い世代に農業分野での就業を促すことも効果的かもしれません。

また、地域協力を通じた輸出の多角化も鍵の一つです。特定の市場に依存するのではなく、カリブ地域内での協力体制を強化し、市場のリスクを分散させることが推奨されます。バルバドスが持つ観光業と農業を結び付け、地元産業としてのサトウキビ製品のブランディングを行うことで、新たな市場可能性も開かれます。

結論として、サトウキビ生産の長期的な減少は、気候変動、国際競争、国内労働力不足などの複合的な要因が絡んでおり、解決には多方面からの取り組みが必要です。世界的な食品供給の安定化を目指す上で、FAOやその他の国際機関とも連携しつつ、持続可能な農業と地域協力を通じて、バルバドス農業の再生を目指していく必要があります。