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ケニアのサトウキビ生産量推移(1961年~2023年)

FAO(国際連合食糧農業機関)が発表したデータによると、ケニアのサトウキビ生産量は1961年に525,000トンで始まり、2022年には過去最高の8,707,800トンに到達しました。しかし2023年には5,556,100トンと急落しています。このデータはケニアのサトウキビ生産が数十年をかけて大きく拡大した一方で、近年特に大きな変動を見せる動向を示しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 5,556,100
-36.19% ↓
2022年 8,707,800
11.88% ↑
2021年 7,783,303
14.28% ↑
2020年 6,810,898
47.87% ↑
2019年 4,606,100
-12.47% ↓
2018年 5,262,157
10.74% ↑
2017年 4,751,605
-33.03% ↓
2016年 7,094,619
-0.98% ↓
2015年 7,164,790
11.78% ↑
2014年 6,409,929
-3.95% ↓
2013年 6,673,725
14.59% ↑
2012年 5,823,964
9.73% ↑
2011年 5,307,341
-7.05% ↓
2010年 5,709,586
1.76% ↑
2009年 5,610,702
9.76% ↑
2008年 5,112,000
-1.77% ↓
2007年 5,204,214
5.5% ↑
2006年 4,932,839
2.75% ↑
2005年 4,800,820
3% ↑
2004年 4,660,995
10.87% ↑
2003年 4,204,055
-6.6% ↓
2002年 4,501,363
26.77% ↑
2001年 3,550,792
-9.91% ↓
2000年 3,941,524
-10.74% ↓
1999年 4,415,781
-5.27% ↓
1998年 4,661,361
4.75% ↑
1997年 4,450,000
-4.3% ↓
1996年 4,650,000
2.2% ↑
1995年 4,550,000
19.74% ↑
1994年 3,800,000
-13.04% ↓
1993年 4,370,000
4.55% ↑
1992年 4,180,000
-9.13% ↓
1991年 4,600,000
-3.16% ↓
1990年 4,750,000
-1.55% ↓
1989年 4,825,000
9.78% ↑
1988年 4,395,200
3.47% ↑
1987年 4,248,000
3.32% ↑
1986年 4,111,600
2.2% ↑
1985年 4,023,000
-3.55% ↓
1984年 4,171,200
8.47% ↑
1983年 3,845,600
6.01% ↑
1982年 3,627,700
-17.21% ↓
1981年 4,381,900
-3.32% ↓
1980年 4,532,300
23.24% ↑
1979年 3,677,600
30.45% ↑
1978年 2,819,206
21.14% ↑
1977年 2,327,140
11.47% ↑
1976年 2,087,597
0.39% ↑
1975年 2,079,583
-2.1% ↓
1974年 2,124,083
11.2% ↑
1973年 1,910,062
41.25% ↑
1972年 1,352,295
-18.68% ↓
1971年 1,663,000
-3.94% ↓
1970年 1,731,200
12.37% ↑
1969年 1,540,657
35.48% ↑
1968年 1,137,181
26.86% ↑
1967年 896,400
36.94% ↑
1966年 654,600
7.72% ↑
1965年 607,700
-12.04% ↓
1964年 690,900
16.61% ↑
1963年 592,500
3.82% ↑
1962年 570,700
8.7% ↑
1961年 525,000 -

ケニアにおけるサトウキビの生産は、1960年代に比較的低い水準でスタートしましたが、1970年代から1980年代にかけて迅速な成長を見せています。この成長期は農業技術の進展、政策支援、耕地拡大が主な要因として考えられます。1980年代、500万トンに近い生産量を達成し、ケニアは東アフリカの主要なサトウキビ生産国としての地位を確立しました。

しかし、1990年代から2000年代前半にかけては、400万~500万トンの水準で横ばいが続きました。この停滞の背景には、気候変動による降雨量の変化、不安定な市場価格、小農家の経済的困難が挙げられます。それでも2006年以降、政府による農業支援策と新たな灌漑プロジェクトの導入により生産量は回復に向かい、2015年には過去最高となる約7,100,000トンを記録。その後、2020年の6,810,898トン、2021年の7,783,303トン、2022年には8,707,800トンと、さらに伸びを見せました。

ただし、2023年には生産量が前年度に比べて約36%減少した5,556,100トンと大幅に落ち込んでいます。この急激な減少の理由には、気候変動の影響や資源の過剰使用による土壌劣化が挙げられます。また、地域紛争やCOVID-19パンデミックの余波による労働力不足、生産の供給チェーンへの影響も考慮すべき要因です。

ケニアのサトウキビ生産の安定化と持続可能性を確保するためには、いくつかの対策が不可欠です。第一に、気候変動に対応するための強靭な農業技術の導入と、灌漑インフラの整備が求められます。第二に、小規模農家への経済的および技術的支援を強化することで、地域全体の生産性向上を促進できます。そして第三に、労働力不足を解消するための政府主導の農業振興政策や、地域共同体による啓発活動も重要です。

さらに、長期的視点では国際的な協力も推進すべきです。たとえば、日本やインドなどのサトウキビ生産技術が進んでいる国との技術共有が双方にとって利益をもたらす可能性があります。一方で気候変動の影響を軽減するため、国際機関やNGOを通じて環境保護プログラムに参加することも将来的な発展の鍵となるでしょう。

結論として、ケニアのサトウキビ生産は全般的に増加基調にありますが、2023年の生産量急減という警鐘があります。今後は、生産量の安定化と持続可能性を両立させる包括的な政策および地域間の連携が重要です。国際的なフードセキュリティの観点でも、ケニアのサトウキビ農業はアフリカ全体の食料・経済基盤にとって発展の余地を秘めています。