カーボベルデのサトウキビ生産量推移（1961年～2023年）

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表したデータによると、カーボベルデのサトウキビ生産量は1961年の10,000トンから2023年の22,940トンまで推移し、60年以上の期間で大きな増減を繰り返してきました。特に2000年代に大幅な増加が見られますが、その後は安定した水準に落ち着いています。直近では22,900～22,940トンの間で安定した生産量が記録されていますが、過去のデータからは不安定な生産動向も考えられるため、将来的な課題も依然として存在しています。

カーボベルデにおけるサトウキビ生産量の推移を詳しく見ると、その歴史は変動の激しいものでした。1960年代から1980年代後半にかけては概して不安定な傾向が続き、生産量が年ごとに激しく増減しました。たとえば、1972年には5,719トンまで減少した一方で、1989年には18,150トンと大幅に増加しました。この変動は気候条件の変化や農業インフラの整備状況、さらには政治的・経済的な要因にも起因すると考えられます。

2000年以降、カーボベルデのサトウキビ生産量は飛躍的に増加し、2000年の25,800トンから安定した成長を示しました。2006年には28,190トンに達し、その後2010年代を通じておおむね28,375トン付近で安定しました。しかし2018年以後は再び減少が見られ、現在の水準である22,940トンとなっています。これは、2020年代初頭の新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる影響や、最近の気候変動が農業生産に与えた不利な条件が要因と考えられます。

また、この変動は地政学的リスクや経済的困難とも結びついています。カーボベルデはその地理的条件から干ばつや降水量不足に悩まされることが多く、これが収穫量にも反映されている様子が伺えます。他国との比較では、ブラジルのようなサトウキビ生産の大国とは大きな差があり、産業的には小規模です。その一方で、地元消費や一部輸出市場への貢献を目的とした生産が重要な役割を果たしていると考えられています。

将来のサトウキビ生産をより持続可能な形にするためには、いくつかの課題があります。まず、気候変動に強い品種の導入や灌漑技術の改善が必要です。これにより、干ばつなどの気候リスクを軽減することができます。さらに、農業労働者への技術指導や教育プログラムを充実させることで、生産性を向上させる努力が求められます。地域間協力を強化し、他国との技術提携や市場開拓を図ることも、カーボベルデにとって大きな進展となるでしょう。

生産の安定性を高めるためには、政府や地域の農業機関が主導して気候変動や経済的問題に対処する政策を策定する必要があります。また、国際的な農業支援機関や環境保護団体との連携を通じて長期的な支援を得ることも重要です。

結論として、カーボベルデのサトウキビ生産は過去に多くの変動を経験し、現在はやや安定した状況にあります。しかし、それを維持し、さらなる成長を図るためには環境、労働力、資金、さらに技術面での包括的な支援が不可欠です。政府と国際社会の協力が、持続可能な農業モデルを形成する鍵となるでしょう。