FAO(国際連合食糧農業機関)のデータによれば、ブルキナファソのサトウキビ生産量は、1974年の67,300トンから2023年の507,581トンまで増加しました。生産量は1980年代から停滞期を経て、2000年代以降着実に成長しており、特に2010年以降は経年で増加しています。この数値の変化には、農業技術の進化や気候条件、政策的支援が影響していると推測されます。
ブルキナファソのサトウキビ生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
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2023年 | 507,581 |
1.15% ↑
|
2022年 | 501,825 |
0.31% ↑
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2021年 | 500,261 |
0.31% ↑
|
2020年 | 498,696 |
-0.19% ↓
|
2019年 | 499,665 |
0.16% ↑
|
2018年 | 498,869 |
0.88% ↑
|
2017年 | 494,502 |
1.3% ↑
|
2016年 | 488,142 |
1.28% ↑
|
2015年 | 481,989 |
0.82% ↑
|
2014年 | 478,078 |
-0.4% ↓
|
2013年 | 480,000 |
-1.03% ↓
|
2012年 | 485,000 |
-2.51% ↓
|
2011年 | 497,500 |
-2.45% ↓
|
2010年 | 510,000 |
12.09% ↑
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2009年 | 455,000 | - |
2008年 | 455,000 | - |
2007年 | 455,000 |
1.11% ↑
|
2006年 | 450,000 | - |
2005年 | 450,000 | - |
2004年 | 450,000 | - |
2003年 | 450,000 | - |
2002年 | 450,000 |
7.14% ↑
|
2001年 | 420,000 |
5% ↑
|
2000年 | 400,000 | - |
1999年 | 400,000 | - |
1998年 | 400,000 | - |
1997年 | 400,000 | - |
1996年 | 400,000 | - |
1995年 | 400,000 | - |
1994年 | 400,000 | - |
1993年 | 400,000 | - |
1992年 | 400,000 | - |
1991年 | 400,000 |
5.26% ↑
|
1990年 | 380,000 | - |
1989年 | 380,000 |
11.76% ↑
|
1988年 | 340,000 | - |
1987年 | 340,000 |
-2.86% ↓
|
1986年 | 350,000 |
2.94% ↑
|
1985年 | 340,000 |
6.25% ↑
|
1984年 | 320,000 |
-3.03% ↓
|
1983年 | 330,000 |
-5.71% ↓
|
1982年 | 350,000 |
9.38% ↑
|
1981年 | 320,000 |
-8.57% ↓
|
1980年 | 350,000 |
-2.78% ↓
|
1979年 | 360,000 |
14.29% ↑
|
1978年 | 315,000 |
5% ↑
|
1977年 | 300,000 |
41.88% ↑
|
1976年 | 211,441 |
18.36% ↑
|
1975年 | 178,639 |
165.44% ↑
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1974年 | 67,300 | - |
ブルキナファソのサトウキビ生産量は、この50年近くで8倍近くに増加しました。1970年代の急激な成長は、新たな農業用地の開拓や当時の世界的なサトウキビ需要の高まりによるものでした。しかしその後、1980年代から1990年代半ばにかけて、生産量は毎年ほぼ40万トンで横ばいの状況が続きました。この停滞は、降雨量の不足や栽培技術の限界、社会的混乱などの影響を受けた可能性があります。
2000年代に入ると、生産技術の向上や農業プロジェクトが再び注目されるようになり、生産量は増加に転じました。特に2010年には約510,000トンとなり、それまでの450,000トンの壁を突破しました。この成長は、ブルキナファソ国内外の投資や国際機関の支援などが大きく貢献したと考えられます。ただし、2010年以降は年々緩やかな増加に留まっており、2023年には507,581トンと、小幅ながらの成長を維持しています。
ブルキナファソのサトウキビ生産量のこの推移は、同国における農業生産基盤の脆弱性も表しています。例えば、気候変動の影響で降雨パターンが不安定化しており、農業に依存する同国にとって重要な課題となっています。また、灌漑システムの未発達な地域が多いため、水資源の効率的な利用が難しい状況です。加えて、地域での不安定な政治状況や治安リスクも、農業開発の障壁と考えられます。
サトウキビ生産量をさらに向上させるためには、複数の取り組みが必要です。一つ目の対策として、灌漑インフラの整備が挙げられます。これにより、雨季だけに依存せずに安定的な水供給が可能になり、生産性向上が期待されます。二つ目として、耐乾燥性や高収量に特化したサトウキビ品種の導入は、気候変動の影響に適応するために重要です。さらに、農業従事者の教育や技術訓練プログラムを展開することにより、生産効率が一層向上する可能性があります。
他国と比較すると、ブルキナファソのサトウキビ生産量は依然として限られており、例えば、インドやブラジルといった世界有数のサトウキビ生産国には遠く及びません。ただし、国内需要を満たすだけでなく、地域経済に貢献する力は十分にあります。また、地域紛争や疫病のリスクが農業に与える影響を回避するには、農業の多様化や収益安定策の開発も急務です。
結論として、ブルキナファソのサトウキビ生産量は長期的には着実に成長していますが、依然として複数の課題に直面しています。これらの課題に対処するためには、国際機関や政府の協力の下で持続可能な農業政策を推進し、気候変動や地政学的リスクに耐えうる仕組みを構築することが不可欠です。この歩みを進めることで、ブルキナファソの農業部門はさらなる発展の道を切り開くことができるでしょう。