世界のジャガイモ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

Food and Agriculture Organization（国際連合食糧農業機関）が公開した1986年度のジャガイモ生産量ランキングによれば、最も多くジャガイモを生産したのはポーランドで生産量は約3,903万トン、続いて中国の2,500万トン、ドイツの約1,812万トンとなっています。日本は世界第11位の4,073,000トンを生産しており、アジア地域では中国とインドに次ぐ順位に位置しています。ランキング上位にはヨーロッパ諸国が多く、ジャガイモがこれらの地域で重要な農作物となっていることを示しています。一方、アフリカや中南米の国々では生産量が比較的少なく、地域間の大きな生産格差が浮き彫りとなっています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	ポーランド	ヨーロッパ	39,037,408
2	中国	アジア	25,000,000
3	ドイツ	ヨーロッパ	18,124,016
4	アメリカ合衆国	北アメリカ	16,408,000
5	インド	アジア	10,422,800
6	フランス	ヨーロッパ	7,149,000
7	オランダ	ヨーロッパ	6,856,615
8	イギリス	ヨーロッパ	6,412,000
9	ルーマニア	ヨーロッパ	5,186,600
10	スペイン	ヨーロッパ	5,124,509
11	日本	アジア	4,073,000
12	トルコ	アジア	4,000,000
13	カナダ	北アメリカ	2,761,291
14	イタリア	ヨーロッパ	2,550,900
15	イラン（イスラム共和国）	アジア	2,346,992
16	コロンビア	南アメリカ	2,091,050
17	アルゼンチン	南アメリカ	2,057,600
18	ブラジル	南アメリカ	1,831,817
19	ペルー	南アメリカ	1,657,540
20	ポルトガル	ヨーロッパ	1,576,516
21	エジプト	アフリカ	1,430,760
22	ハンガリー	ヨーロッパ	1,264,173
23	スウェーデン	ヨーロッパ	1,207,530
24	デンマーク	ヨーロッパ	1,129,471
25	バングラデシュ	アジア	1,102,790
26	南アフリカ	アフリカ	1,027,000
27	ギリシャ	ヨーロッパ	1,020,000
28	オーストリア	ヨーロッパ	982,405
29	オーストラリア	オセアニア	961,057
30	メキシコ	南アメリカ	954,619
31	アルジェリア	アフリカ	811,660
32	チリ	南アメリカ	791,122
33	フィンランド	ヨーロッパ	773,200
34	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	760,000
35	スイス	ヨーロッパ	742,900
36	モロッコ	アフリカ	733,270
37	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	703,000
38	アイルランド	ヨーロッパ	619,000
39	パキスタン	アジア	618,336
40	大韓民国	アジア	565,678
41	ケニア	アフリカ	498,882
42	ブルガリア	ヨーロッパ	491,489
43	インドネシア	アジア	446,295
44	シリア・アラブ共和国	アジア	409,000
45	ノルウェー	ヨーロッパ	398,400
46	エクアドル	南アメリカ	388,660
47	ネパール	アジア	356,720
48	タンザニア連合共和国	アフリカ	341,657
49	キューバ	南アメリカ	316,473
50	マラウイ	アフリカ	310,000
51	ベトナム	アジア	305,400
52	ルワンダ	アフリカ	288,700
53	ニュージーランド	オセアニア	274,000
54	マダガスカル	アフリカ	263,900
55	アフガニスタン	アジア	238,000
56	レバノン	アジア	234,700
57	イエメン	アジア	216,256
58	イスラエル	アジア	206,800
59	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	196,349
60	ミャンマー	アジア	182,951
61	キプロス	アジア	172,000
62	チュニジア	アフリカ	170,000
63	モンゴル	アジア	132,800
64	イラク	アジア	125,800
65	ウルグアイ	南アメリカ	110,570
66	アルバニア	ヨーロッパ	110,000
67	リビア	アフリカ	110,000
68	ウガンダ	アフリカ	98,000
69	スリランカ	アジア	82,482
70	モザンビーク	アフリカ	70,000
71	グアテマラ	南アメリカ	64,487
72	フィリピン	アジア	50,360
73	ナイジェリア	アフリカ	46,000
74	コスタリカ	南アメリカ	43,150
75	ブルンジ	アフリカ	42,000
76	中国、台湾 中国省	アジア	41,164
77	アンゴラ	アフリカ	40,000
78	ラオス人民民主共和国	アジア	35,000
79	コンゴ民主共和国	アフリカ	30,130
80	レソト	アフリカ	30,000
81	ジンバブエ	アフリカ	28,000
82	ブータン	アジア	28,000
83	サウジアラビア	アジア	27,671
84	カメルーン	アフリカ	24,078
85	ヨルダン	アジア	22,526
86	ニカラグア	南アメリカ	22,310
87	パナマ	南アメリカ	20,729
88	モーリシャス	アフリカ	16,950
89	アイスランド	ヨーロッパ	16,578
90	チャド	アフリカ	14,000
91	マルタ	ヨーロッパ	14,000
92	ドミニカ共和国	南アメリカ	13,334
93	ホンジュラス	南アメリカ	11,800
94	レユニオン	アフリカ	10,824
95	ハイチ	南アメリカ	10,000
96	セネガル	アフリカ	10,000
97	タイ	アジア	9,865
98	ブルキナファソ	アフリカ	9,188
99	ザンビア	アフリカ	6,500
100	エスワティニ	アフリカ	6,500
101	ジャマイカ	南アメリカ	5,439
102	アラブ首長国連邦	アジア	3,000
103	カーボベルデ	アフリカ	2,500
104	オマーン	アジア	2,500
105	エルサルバドル	南アメリカ	2,426
106	コンゴ	アフリカ	1,869
107	ニジェール	アフリカ	1,600
108	フェロー諸島	ヨーロッパ	1,400
109	ニューカレドニア	オセアニア	1,310
110	パラグアイ	南アメリカ	1,245
111	フランス領ポリネシア	オセアニア	1,000
112	クウェート	アジア	652
113	中央アフリカ共和国	アフリカ	600
114	モーリタニア	アフリカ	600
115	東ティモール	アジア	520
116	パプアニューギニア	オセアニア	472
117	ベナン	アフリカ	275
118	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	265
119	フィジー	オセアニア	150
120	カタール	アジア	98
121	バーレーン	アジア	74
122	ドミニカ	南アメリカ	5
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1986年度のジャガイモ生産量データは、農業生産態勢や気候条件、資源配分だけでなく、食文化や経済状況が生産量に大きな影響を与える例として挙げられます。このランキングのトップに立ったポーランドは、ヨーロッパにおける適度な気候、肥沃な土壌、そしてジャガイモを基盤とした食文化により、他国を大きく引き離す生産量に到達しました。また、中国の2位という順位は、当時の人口の多さと農業の分業化が進んでいた背景が影響しています。中国は広大な耕作地を活用し、主食用だけでなく家畜飼料や澱粉原料としてもジャガイモを利用しています。

日本は4,073,000トンの生産量で第11位に位置しており、アジア諸国の中では比較的生産能力が高い国として注目されます。日本国内では、北海道がジャガイモ生産の中心地となっており、その輸出品としての需要も高まりつつあります。ただし、日本の農業全般に共通する課題として、高齢化した農業従事者の割合増加や、耕作地の縮小が挙げられ、生産効率の向上が一層必要とされています。

ランキング全体を見ると、ヨーロッパ諸国が上位に位置し、ジャガイモがいかにこの地域の農業経済にとって重要な役割を果たしているかが分かります。一方で、サハラ以南のアフリカや東南アジア各国では、生産量が低い国が多く見られます。例えば、ナイジェリアやコンゴ民主共和国などでは1万トン以下の生産量にとどまります。これらの地域では、ジャガイモの栽培に適した条件が限られていることや、インフラ不足、多発する地域紛争が農業生産の拡大を妨げる要因となっています。

また、貧困層が多いこれらの地域では、ジャガイモは高カロリーで栄養価が高い農作物であるにもかかわらず、生産と消費にズレが生じています。この点に着眼し、国際的な支援を通じて生産技術の移転や、種芋の供給、水資源の管理強化を図ることが重要ではないでしょうか。気候変動の進展により一部の地域では自然災害が頻発し、これが生産に与える影響も懸念されるため、温室効果ガス削減に向けた取り組みの強化も必要です。

地政学的背景から見ても、中国やインドのような人口大国での生産力の強化は、国内需要の充足だけでなく、国際市場における食糧供給の安定に貢献する可能性が高いです。特に中国は近年、生産量の増加だけでなく輸出市場への進出を加速させ、アフリカなどへの農作物支援を実施しています。この動きは単なる食糧援助に留まらず、外交手段や地域影響力の強化としても機能しているため、今後の世界市場でのジャガイモ需要に大きな影響を与えるでしょう。

日本においても、今以上に企業と地域が協力し、効率的農業や精密農業（データやセンサー技術を用いた農地運用）を導入することが急務です。また、食糧自給率が低い日本は、ジャガイモのような保存可能な作物を適切に増産し、災害時や世界的な食糧危機に備える必要があります。さらに、アジア市場や近隣国をターゲットにした輸出戦略を構築すれば、農業分野に新たな活力を見出せるでしょう。

結論として、ジャガイモ生産量の地域差は国ごとの農業政策と経済状況、地理的条件を如実に反映しており、これを踏まえて地域間支援や農業技術の交換が必要です。未来の課題としては、環境変化や人口増加に合わせた持続可能な農業モデルの構築が不可欠であり、国際機関や各国が連携する枠組みの強化が大きな鍵となるでしょう。