世界のジャガイモ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

Food and Agriculture Organization（国際連合食糧農業機関）が発表したデータによると、1988年度の世界のジャガイモ生産量ランキングでは、1位がポーランド（34,706,528トン）、2位が中国（31,620,000トン）、3位がドイツ（19,518,368トン）となっています。日本は3,763,000トンで11位に位置しています。20位までの国々を見ても、ヨーロッパ諸国が上位を占めており、一方でアジアの主要国もその存在感を示しています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	ポーランド	ヨーロッパ	34,706,528
2	中国	アジア	31,620,000
3	ドイツ	ヨーロッパ	19,518,368
4	アメリカ合衆国	北アメリカ	16,167,800
5	インド	アジア	14,046,000
6	イギリス	ヨーロッパ	6,899,000
7	フランス	ヨーロッパ	6,775,000
8	オランダ	ヨーロッパ	6,742,496
9	スペイン	ヨーロッパ	4,529,700
10	トルコ	アジア	4,350,000
11	日本	アジア	3,763,000
12	ルーマニア	ヨーロッパ	3,621,000
13	アルゼンチン	南アメリカ	2,859,100
14	カナダ	北アメリカ	2,721,640
15	コロンビア	南アメリカ	2,519,800
16	イタリア	ヨーロッパ	2,341,900
17	ブラジル	南アメリカ	2,294,912
18	ペルー	南アメリカ	2,108,064
19	エジプト	アフリカ	1,862,018
20	イラン（イスラム共和国）	アジア	1,443,837
21	ハンガリー	ヨーロッパ	1,407,105
22	スウェーデン	ヨーロッパ	1,282,820
23	ポルトガル	ヨーロッパ	1,280,086
24	バングラデシュ	アジア	1,275,650
25	デンマーク	ヨーロッパ	1,246,049
26	オーストラリア	オセアニア	1,081,538
27	南アフリカ	アフリカ	1,066,000
28	オーストリア	ヨーロッパ	1,001,044
29	ギリシャ	ヨーロッパ	997,000
30	メキシコ	南アメリカ	938,775
31	チリ	南アメリカ	928,117
32	アルジェリア	アフリカ	898,800
33	モロッコ	アフリカ	859,850
34	フィンランド	ヨーロッパ	854,500
35	スイス	ヨーロッパ	836,400
36	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	825,800
37	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	760,000
38	アイルランド	ヨーロッパ	671,000
39	ネパール	アジア	566,950
40	パキスタン	アジア	563,186
41	ノルウェー	ヨーロッパ	482,600
42	大韓民国	アジア	424,427
43	インドネシア	アジア	418,154
44	タンザニア連合共和国	アフリカ	378,665
45	ブルガリア	ヨーロッパ	357,677
46	ベトナム	アジア	346,750
47	エクアドル	南アメリカ	338,206
48	シリア・アラブ共和国	アジア	336,600
49	マラウイ	アフリカ	330,000
50	キューバ	南アメリカ	276,750
51	マダガスカル	アフリカ	270,100
52	ニュージーランド	オセアニア	270,000
53	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	221,236
54	アフガニスタン	アジア	218,000
55	イスラエル	アジア	215,700
56	ケニア	アフリカ	208,208
57	レバノン	アジア	195,670
58	ウガンダ	アフリカ	190,000
59	チュニジア	アフリカ	180,000
60	ルワンダ	アフリカ	171,300
61	キプロス	アジア	164,000
62	イラク	アジア	143,800
63	ウルグアイ	南アメリカ	143,070
64	ミャンマー	アジア	130,034
65	イエメン	アジア	127,566
66	リビア	アフリカ	127,000
67	モンゴル	アジア	102,956
68	スリランカ	アジア	87,500
69	モザンビーク	アフリカ	75,000
70	アルバニア	ヨーロッパ	60,000
71	フィリピン	アジア	53,860
72	コスタリカ	南アメリカ	50,000
73	ヨルダン	アジア	47,921
74	ナイジェリア	アフリカ	44,000
75	ブルンジ	アフリカ	43,800
76	グアテマラ	南アメリカ	43,000
77	中国、台湾 中国省	アジア	42,590
78	アンゴラ	アフリカ	40,000
79	レソト	アフリカ	38,000
80	サウジアラビア	アジア	36,688
81	コンゴ民主共和国	アフリカ	31,850
82	ブータン	アジア	30,000
83	ジンバブエ	アフリカ	29,500
84	ドミニカ共和国	南アメリカ	27,643
85	カメルーン	アフリカ	26,665
86	ラオス人民民主共和国	アジア	25,000
87	ニカラグア	南アメリカ	22,500
88	チャド	アフリカ	18,000
89	ホンジュラス	南アメリカ	14,409
90	レユニオン	アフリカ	14,313
91	パナマ	南アメリカ	14,123
92	マルタ	ヨーロッパ	14,000
93	モーリシャス	アフリカ	13,692
94	セネガル	アフリカ	13,000
95	タイ	アジア	11,000
96	アイスランド	ヨーロッパ	10,289
97	ハイチ	南アメリカ	10,000
98	ジャマイカ	南アメリカ	9,893
99	ブルキナファソ	アフリカ	7,966
100	ザンビア	アフリカ	7,500
101	エスワティニ	アフリカ	6,500
102	アラブ首長国連邦	アジア	5,489
103	オマーン	アジア	3,500
104	カーボベルデ	アフリカ	3,400
105	クウェート	アジア	2,867
106	エルサルバドル	南アメリカ	2,375
107	ニューカレドニア	オセアニア	2,090
108	ニジェール	アフリカ	2,000
109	コンゴ	アフリカ	1,930
110	フェロー諸島	ヨーロッパ	1,400
111	パラグアイ	南アメリカ	1,075
112	フランス領ポリネシア	オセアニア	1,000
113	中央アフリカ共和国	アフリカ	700
114	モーリタニア	アフリカ	630
115	ベナン	アフリカ	370
116	パプアニューギニア	オセアニア	310
117	東ティモール	アジア	277
118	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	260
119	フィジー	オセアニア	130
120	カタール	アジア	111
121	バーレーン	アジア	75
122	ドミニカ	南アメリカ	73
123	コートジボワール	アフリカ	52
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1988年の世界におけるジャガイモの生産データを見ると、ポーランドがトップの生産量を記録しており、これは冷戦時代の地政学的背景や農業構造の影響が関係していると考えられます。この時期、ポーランドを含む東ヨーロッパでは、ジャガイモは国内消費や輸出において重要な農産物として扱われており、多くの土地をジャガイモ生産に割り当てていました。そうした農業政策の影響で、同地域での大量生産が可能になったといえます。

2位の中国は農業主体の経済基盤を持ちながら、ジャガイモが伝統的な主食でない地域での増産も進めていました。中国の農業政策はこの頃すでに改革が始まっており、多様な作物を栽培する取り組みが生産量に結びついた結果と考えられます。また、3位から5位に名を連ねるドイツ、アメリカ、インドも、国土の広さや農業技術、国内消費の需要に後押しされ、それぞれの地域における地理的・経済的特徴を生かした生産背景があります。

一方で、日本は11位に位置しており、その生産量は3,763,000トンです。日本におけるジャガイモ生産は、大半が北海道を中心とした地域で行われており、国内の地理的条件と気候が主産地に影響を与えています。しかし、当時の日本は他の上位国と比べると人口あたりの耕地面積が限られるため、輸入食品への依存度も相対的に高かったと言えます。

地域別の課題を掘り下げると、例えば、インドにおいては生産量が14,046,000トンと一定の成果を挙げているものの、灌漑技術の整備不足や季節ごとの気候変動の影響も大きな課題となります。この生産量をさらに伸ばすためには、農業技術の近代化や局地的な気候対応策が求められます。同様に、アフリカ諸国に目を向けると、総じて生産量が低い傾向があります。これには、農業インフラの未整備や農地の劣化、政治的な不安定さが要因として挙げられます。

地政学的な観点から、このデータは食料安全保障における地域的な不均衡も浮き彫りにしています。例えば、ポーランドやドイツといったヨーロッパ諸国では輸出を重視した生産体制が整備されている一方で、アフリカや南アジアの一部の国々では、国内需要を満たすことが優先され、生産効率が低い状況が続いています。また、気候変動の影響も将来的に無視できない要素であり、局地的な干ばつや洪水がジャガイモを含む作物生産に大きなリスクをもたらすことが考えられます。

今後の具体的な示唆としては、品種改良技術を通じた収量向上の取り組みや、地域間の農業技術移転の促進が重要です。例えば、中国やインドの農家に対しては、高収量品種の活用や適切な肥料管理の普及が効果的と考えられます。また、紛争が多発する地域においては、国際機関を通じた支援プログラムを強化し食料生産の安定化を図るべきです。このような取り組みを進めることで、ジャガイモ生産量は単なる経済指標としてだけでなく、食料安定に寄与する重要な役割を果たすことが期待されます。

一連のデータから判断すると、各国の政策や技術レベル、地政学的背景がジャガイモ生産量に明確な影響を与えています。それぞれの地域が直面する具体的な課題に向き合い、有効な対策を取ることが、世界的な食料供給の持続可能性を支える鍵となるでしょう。