世界のジャガイモ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

1985年度の世界のジャガイモ生産量データによれば、1位はポーランド（36,546,144トン）で、中国（26,750,000トン）とドイツ（21,053,840トン）がそれに続いています。アジアでは中国がリードし、インドが5位（12,570,600トン）にランクインしている一方、日本は12位（3,727,000トン）となっています。また、他の主要国ではアメリカが4位（18,443,008トン）、フランスが6位（7,787,000トン）、イギリスは8位（6,892,000トン）と欧米諸国が全体の上位に多くランクインしています。このランキングからは、地域や国による生産量の大きな差が浮かび上がります。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	ポーランド	ヨーロッパ	36,546,144
2	中国	アジア	26,750,000
3	ドイツ	ヨーロッパ	21,053,840
4	アメリカ合衆国	北アメリカ	18,443,008
5	インド	アジア	12,570,600
6	フランス	ヨーロッパ	7,787,000
7	オランダ	ヨーロッパ	7,149,605
8	イギリス	ヨーロッパ	6,892,000
9	ルーマニア	ヨーロッパ	6,631,200
10	スペイン	ヨーロッパ	5,926,973
11	トルコ	アジア	4,100,000
12	日本	アジア	3,727,000
13	カナダ	北アメリカ	2,993,790
14	イタリア	ヨーロッパ	2,397,000
15	アルゼンチン	南アメリカ	2,243,300
16	ブラジル	南アメリカ	1,946,659
17	コロンビア	南アメリカ	1,910,360
18	イラン（イスラム共和国）	アジア	1,725,454
19	ペルー	南アメリカ	1,556,770
20	エジプト	アフリカ	1,478,229
21	ハンガリー	ヨーロッパ	1,378,167
22	スウェーデン	ヨーロッパ	1,265,740
23	ポルトガル	ヨーロッパ	1,215,365
24	バングラデシュ	アジア	1,159,385
25	デンマーク	ヨーロッパ	1,100,039
26	南アフリカ	アフリカ	1,052,000
27	オーストリア	ヨーロッパ	1,042,196
28	ギリシャ	ヨーロッパ	1,024,000
29	オーストラリア	オセアニア	992,092
30	メキシコ	南アメリカ	989,402
31	チリ	南アメリカ	908,645
32	モロッコ	アフリカ	840,800
33	スイス	ヨーロッパ	817,200
34	アルジェリア	アフリカ	814,700
35	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	768,225
36	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	740,000
37	フィンランド	ヨーロッパ	707,700
38	アイルランド	ヨーロッパ	686,000
39	大韓民国	アジア	575,129
40	パキスタン	アジア	543,351
41	ケニア	アフリカ	481,735
42	ノルウェー	ヨーロッパ	440,100
43	ブルガリア	ヨーロッパ	439,331
44	エクアドル	南アメリカ	423,186
45	ネパール	アジア	420,160
46	インドネシア	アジア	372,825
47	ルワンダ	アフリカ	335,420
48	タンザニア連合共和国	アフリカ	323,153
49	キューバ	南アメリカ	307,268
50	マラウイ	アフリカ	300,000
51	シリア・アラブ共和国	アジア	280,400
52	ニュージーランド	オセアニア	271,979
53	マダガスカル	アフリカ	263,600
54	アフガニスタン	アジア	248,000
55	レバノン	アジア	218,300
56	イスラエル	アジア	204,400
57	イエメン	アジア	203,689
58	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	191,177
59	ベトナム	アジア	188,600
60	ミャンマー	アジア	177,869
61	ウガンダ	アフリカ	168,000
62	ウルグアイ	南アメリカ	163,293
63	チュニジア	アフリカ	150,000
64	イラク	アジア	148,600
65	キプロス	アジア	128,000
66	モンゴル	アジア	113,900
67	リビア	アフリカ	110,000
68	スリランカ	アジア	89,000
69	アルバニア	ヨーロッパ	85,000
70	モザンビーク	アフリカ	65,000
71	グアテマラ	南アメリカ	62,400
72	フィリピン	アジア	44,670
73	ナイジェリア	アフリカ	43,000
74	中国、台湾 中国省	アジア	42,976
75	アンゴラ	アフリカ	40,000
76	ブルンジ	アフリカ	40,000
77	コスタリカ	南アメリカ	38,720
78	ラオス人民民主共和国	アジア	34,000
79	コンゴ民主共和国	アフリカ	29,100
80	レソト	アフリカ	28,000
81	ジンバブエ	アフリカ	27,000
82	ブータン	アジア	27,000
83	カメルーン	アフリカ	26,688
84	ヨルダン	アジア	26,199
85	サウジアラビア	アジア	24,633
86	モーリシャス	アフリカ	23,305
87	ニカラグア	南アメリカ	22,500
88	パナマ	南アメリカ	20,378
89	タイ	アジア	16,559
90	チャド	アフリカ	14,000
91	マルタ	ヨーロッパ	13,000
92	アイスランド	ヨーロッパ	12,818
93	ホンジュラス	南アメリカ	11,200
94	ドミニカ共和国	南アメリカ	10,992
95	ハイチ	南アメリカ	10,000
96	セネガル	アフリカ	10,000
97	ブルキナファソ	アフリカ	7,459
98	ジャマイカ	南アメリカ	7,075
99	エスワティニ	アフリカ	6,500
100	ザンビア	アフリカ	6,000
101	アラブ首長国連邦	アジア	4,164
102	レユニオン	アフリカ	3,940
103	エルサルバドル	南アメリカ	2,523
104	カーボベルデ	アフリカ	2,200
105	オマーン	アジア	2,000
106	ニューカレドニア	オセアニア	1,689
107	フェロー諸島	ヨーロッパ	1,400
108	ニジェール	アフリカ	1,400
109	パラグアイ	南アメリカ	1,384
110	コンゴ	アフリカ	1,303
111	フランス領ポリネシア	オセアニア	1,000
112	クウェート	アジア	692
113	中央アフリカ共和国	アフリカ	600
114	モーリタニア	アフリカ	600
115	東ティモール	アジア	530
116	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	260
117	パプアニューギニア	オセアニア	240
118	フィジー	オセアニア	200
119	ベナン	アフリカ	173
120	カタール	アジア	96
121	バーレーン	アジア	24
122	ドミニカ	南アメリカ	8
+ すべての国を見る

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した1985年度のジャガイモ生産量データは、世界中での農業資源の分布や作物の重点地域を示しています。ランキングの1位を獲得したポーランドは冷涼な気候と肥沃な土壌を活用して大規模なジャガイモ栽培を行っており、ヨーロッパ全体でも重要な作物として位置付けられます。続く中国は、人口が最も多い国という背景から、食品としての需要が非常に高いために、ジャガイモの作付け面積も広大です。この傾向は近隣のアジア諸国、特に5位のインドでも見られます。一方で、アメリカやドイツは効率的な農業技術を背景に、栽培から収穫、物流までの一貫したシステムが生産量の高さを支えています。

日本が12位であることは、当時の国内の農業環境や収穫面積の限定性を反映しています。日本の農地はその多くが狭小で、山地が多い地形的特性により大規模生産が難しい一方で、気候や土壌に恵まれた北海道などで効率的な生産が進められています。ただし、1985年時点では他国と比較してその生産規模は小規模にとどまっている状況が見られます。

重要な課題として、上位国と下位国の生産量格差には、気候的要因だけでなく、農業技術やインフラの整備状況が大きく影響していることが挙げられます。例えば、アフリカや南アジアなどの地域では、生産量が少ない国が多く、例えばモザンビークやエスワティニなどはわずか数万トンにとどまっています。これには、気候変動や灌漑設備の不足、さらには基盤技術の未発達が大きな障害となっていると考えられます。

将来的には、低生産国の農業経済の発展を促進するために、適応技術の移転や投資が必要です。例えば、灌漑システムの導入や耐候性に優れた品種の開発、さらに国際的な支援体制の強化が求められます。その一方で、生産が大規模に行われている国々では、環境影響を最小限に抑えるための合理的な農業手法の採用が課題となります。農地の過剰利用や農薬の濫用は、土壌の劣化や水質汚染を引き起こす可能性があるため、長期的視点での農業計画が必要です。

また、地政学的リスクも見落としてはなりません。一部の農業大国や地域は、政情不安や資源争奪の影響を受けやすく、それが輸出入や価格変動に跳ね返る可能性もあります。これを補うためには、国際協力の枠組みの中で、農作物の安定供給を確保する体制の構築が考えられます。

最後に、現在および未来における食糧問題の解決を目指す上で、国際機関や地域ごとの協力が不可欠です。FAOや各国の研究機関が連携して新しい技術開発を進めること、また、情報の共有を通じて食糧供給ネットワークを強化することが、1985年度のデータが示す課題の解決に資する分野であるといえます。このような取り組みを通じて、世界の食糧安全保障を達成する道筋が示されるでしょう。