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ポルトガルのサツマイモ生産量の推移【1961年~2023年】世界ランキング・統計データ

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表した最新データによると、ポルトガルのサツマイモ生産量は、1961年から2017年にわたり様々な動きを見せています。1960年代は安定した成長が見られ、1970年代には一部の減少を経験しました。その後、1980年代から1990年代初頭までは急激な減少を記録し、1990年代後半以降は緩やかな推移となっています。21世紀に入り明確な復活の兆しが見られたにも関わらず、2010年代には再び不安定な状況となっています。特に2011年には著しい落ち込みが観測されました。これらの年々の変化には農業技術の進歩や市場需要の変動、気候条件、EU農業政策などの外的要因が関連している可能性が考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2017年 23,206
1.18% ↑
2016年 22,935
-8.11% ↓
2015年 24,958
-24.69% ↓
2014年 33,139
61.22% ↑
2013年 20,555
23.87% ↑
2012年 16,595
11.56% ↑
2011年 14,875
-32.74% ↓
2010年 22,114
-5.86% ↓
2009年 23,490
-13% ↓
2008年 27,000
3.85% ↑
2007年 26,000
4% ↑
2006年 25,000
3.27% ↑
2005年 24,208
0.34% ↑
2004年 24,126
0.35% ↑
2003年 24,041
0.35% ↑
2002年 23,958
-0.58% ↓
2001年 24,098
2.53% ↑
2000年 23,502
-0.78% ↓
1999年 23,687
-0.56% ↓
1998年 23,820
-0.63% ↓
1997年 23,972
8.96% ↑
1996年 22,000
-8.33% ↓
1995年 24,000
-4% ↓
1994年 25,000
-16.67% ↓
1993年 30,000
11.11% ↑
1992年 27,000 -
1991年 27,000
3.85% ↑
1990年 26,000
-7.14% ↓
1989年 28,000
3.28% ↑
1988年 27,112
-8.62% ↓
1987年 29,671
-16.09% ↓
1986年 35,361
-23.72% ↓
1985年 46,356
16.97% ↑
1984年 39,629
-24.79% ↓
1983年 52,690
10.25% ↑
1982年 47,792
3.48% ↑
1981年 46,186
-28.98% ↓
1980年 65,028
0.2% ↑
1979年 64,900
-0.63% ↓
1978年 65,310
0.02% ↑
1977年 65,300
-2.97% ↓
1976年 67,300
0.35% ↑
1975年 67,068
-0.86% ↓
1974年 67,647
3.07% ↑
1973年 65,633
-3.85% ↓
1972年 68,260
-1.06% ↓
1971年 68,988
1.03% ↑
1970年 68,285
-2.08% ↓
1969年 69,739
-0.39% ↓
1968年 70,015
-5.85% ↓
1967年 74,365
6.24% ↑
1966年 70,000
7.69% ↑
1965年 65,000
8.33% ↑
1964年 60,000
9.09% ↑
1963年 55,000
10% ↑
1962年 50,000 -
1961年 50,000 -
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ポルトガルのサツマイモ生産量は、1961年に50,000トンからスタートしました。この時期は農業全般が安定した時代であり、1966年には70,000トンを突破するなど着実な成長が見られました。しかし1970年代に入ると生産量の成長は鈍化し、1980年代には大幅な減少が始まります。1981年には約46,000トン、1986年の35,361トンを経て、1988年には27,112トン、1990年には26,000トンと急激な落ち込みを記録しました。この減少の背景には農業技術の変化、農業従事者の減少、EU加盟に伴う農業政策の影響が一因として考えられます。

1990年代中盤以降、23,000〜27,000トン前後という安定的な推移が見られたものの、生産量が以前の水準に戻ることはありませんでした。21世紀に入ってからも安定的な動きが見られていましたが、2011年には14,875トンと統計中最も低い生産量を記録しています。この年の低迷は気候条件や市場の需要低下、EUの農業補助金の再編成など複雑な要因が絡んでいると考えられます。しかしその後の2014年には33,139トンと部分的な回復を見せたものの、以来生産量は再び低迷気味です。

ポルトガルのサツマイモ生産がこのような変化を経験している背景には、いくつかの要因が考えられます。一つは、ポルトガルの農業労働人口の減少です。1970年代以降、工業化や都市化によって農業従事者が減少し、その影響で農地が減少した可能性があります。また、EUの中での競争が激化し、労働集約型の作物であるサツマイモに対するコストパフォーマンスが低下したこと、さらには輸入品が市場を占拠する状況が一層国内の生産減少を引き起こしたと言えます。

現在の課題としては、国内向け食糧の自給率を高めるために、若い農業従事者を増やすことや、付加価値をつけたサツマイモ関連製品を開発することが挙げられます。また、気候変動が農産物全体に大きな影響を与えている中、サツマイモの生産過程を気候変動に対応させるため、耐性のある品種の栽培を研究・導入することが重要です。

将来的には、EUの農業補助金や市場保護法を活用し、ポルトガル国内での生産持続性を高めることが提言されます。また、世界各国に比べてサツマイモへの需要が低いことから、新たな需要開発にも焦点を当てるべきです。例えば、アジア諸国(特に中国や日本)ではサツマイモが食文化に深く根付いているため、高品質な輸出用品種の育成を行えばポジティブな成果を期待することができます。

結論として、ポルトガルがサツマイモ生産において直面している問題は、気候変動、農業従事者の減少、EU統一市場の競争激化など多岐にわたり複雑です。しかし、具体的な施策を講じ、政策支援を強化すれば、持続可能な農業振興を実現する可能性は十分にあります。国際市場を視野に入れた戦略的方針が、ポルトガルにおけるサツマイモ生産を新たな成長軌道に乗せる鍵となるでしょう。

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