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ポルトガルのパイナップル生産量の推移【1961年~2023年】世界ランキング・統計データ

国際連合食糧農業機関(FAO)のデータによると、ポルトガルのパイナップル生産量は1961年の2,400トンから始まり、1960年代後半には3,000トンを超えるピークを迎えました。しかし、その後減少傾向に転じ、1980年代から2000年代にかけて生産量は1,000トン台で推移しています。近年ではさらに減少が進み、2017年には948トンと、記録開始以来の最低水準に到達しました。この長期的な減少は、構造的な課題や市場環境の変化によるものであり、今後の対応が求められています。

年度 生産量(トン) 増減率
2017年 948
-5.01% ↓
2016年 998
-5.13% ↓
2015年 1,052
-4.97% ↓
2014年 1,107
-4.98% ↓
2013年 1,165
-10.04% ↓
2012年 1,295
-7.57% ↓
2011年 1,401
-5.53% ↓
2010年 1,483
-6.96% ↓
2009年 1,594
-1.48% ↓
2008年 1,618
-7.12% ↓
2007年 1,742
12.03% ↑
2006年 1,555
-9.96% ↓
2005年 1,727
-5.01% ↓
2004年 1,818
10.18% ↑
2003年 1,650
-2.31% ↓
2002年 1,689
-5.01% ↓
2001年 1,778
-0.06% ↓
2000年 1,779
-3.21% ↓
1999年 1,838
-24.79% ↓
1998年 2,444
-37.13% ↓
1997年 3,887
60.52% ↑
1996年 2,422
1.66% ↑
1995年 2,382
7.43% ↑
1994年 2,217
10.87% ↑
1993年 2,000
-12.28% ↓
1992年 2,280
14% ↑
1991年 2,000
33.33% ↑
1990年 1,500
4.97% ↑
1989年 1,429
6.32% ↑
1988年 1,344
-0.3% ↓
1987年 1,348
1.81% ↑
1986年 1,324
-2.43% ↓
1985年 1,357
-4.84% ↓
1984年 1,426
0.21% ↑
1983年 1,423
1.93% ↑
1982年 1,396
-9% ↓
1981年 1,534
-4.42% ↓
1980年 1,605
0.5% ↑
1979年 1,597
2.04% ↑
1978年 1,565
15.07% ↑
1977年 1,360
-17.63% ↓
1976年 1,651
-0.84% ↓
1975年 1,665
-1.25% ↓
1974年 1,686
-6.9% ↓
1973年 1,811
-1.2% ↓
1972年 1,833
-10.24% ↓
1971年 2,042
-2.3% ↓
1970年 2,090
-27.91% ↓
1969年 2,899
-17.69% ↓
1968年 3,522
-2.44% ↓
1967年 3,610
18.32% ↑
1966年 3,051
-8.63% ↓
1965年 3,339
33.56% ↑
1964年 2,500 -
1963年 2,500
4.17% ↑
1962年 2,400 -
1961年 2,400 -
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ポルトガルのパイナップル生産量の推移を1961年から振り返ると、当初は比較的安定しており、また1965年から1968年には3,000トンを超える数値を記録しました。これは、当時の農業政策や経済的な背景のもとで生産が順調であったことを示しています。しかし、1969年以降は生産量が減少し始め、1970年代から1980年代にかけて1,500トン前後での推移が続きました。その後、1990年代にやや回復して2,000トン超に達する年もありましたが、2000年以降は再び減少に向かい、21世紀中盤にかけて減少は加速しています。2017年には948トンと、過去最も低い水準に達しました。

この長期的な減少にはいくつかの要因が関連しています。まず、気候変動の進行がポルトガルの農業に与える影響は極めて大きく、特にパイナップルのような熱帯性の果物にとって安定的な条件を確保することが難しくなっています。さらに、1980年代から1990年代以降、国際的な農産物貿易の拡大により、ポルトガルはコスト競争力の面で他の主要な生産地—特にアジアや中南米諸国—に劣る状況が生まれました。例えば、パイナップルの主要生産国であるフィリピンやコスタリカは、気候条件や規模の経済を最大限に活用し、生産コストを低く抑えることに成功しています。一方で、ポルトガルの生産規模の小ささや、限られた農地面積が競争力を制限してきました。

加えて、地元市場の需要減少や、農業従事者の高齢化、若年層の農業離れといった国内の構造的な問題も生産量減少を促進しています。パイナップル栽培は高度な専門知識と手間を要するため、新規参入者が減少し、既存の生産者も撤退せざるを得ない状況が続いています。こうした傾向は生産の国際的分業化が進む中で顕著になっており、ポルトガル特有の問題にとどまりません。

今後、ポルトガルが直面する課題は、持続可能な生産体制の確立と市場競争力の回復です。一つの対策として、エコ農業の推進が挙げられます。これは、環境負荷を抑えた農業手法を導入し、国際的なニッチ市場をターゲットにする方向性です。また、地域連携によるブランド力の強化も重要です。ポルトガルのパイナップルを高付加価値商品として輸出し、観光産業と結びつけることで需要を喚起する取り組みが効果的と考えられます。

さらに、気候変動への対応として、温室栽培技術や水資源の効率的な利用法を導入することも提案されます。初期投資は必要ですが、長期的には収量の安定化が期待されます。加えて、政府や国際機関が行う農業支援プログラムをさらに拡充し、若年層の農業参入を促す政策も必要です。これには、教育プログラムや経済的インセンティブが含まれるべきです。

結論として、ポルトガルのパイナップル生産量は長期的な低迷の傾向にありますが、環境保全の推進やブランド力の強化といった方策を講じることで、持続可能性を持つ生産体制を築く可能性があります。これにより、ポルトガルの農業が、ただの生産の場ではなく、国際的な競争力を持つ地位へ再びシフトする契機となるでしょう。

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