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ポルトガルの羊の毛生産量の推移【1961年~2023年】世界ランキング・統計データ

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、ポルトガルの羊の毛生産量は1961年に11,523トンと記録されて以来、徐々に減少傾向にあります。1960年代の高い生産量をピークに、2000年代以降は生産量が約7,000~8,000トン程度に低迷し、2010年代にはさらに5,000~6,000トンに縮小しました。この変遷は、国内の農業構造変化や市場の需要変動を反映したものと考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2017年 5,939
-7.36% ↓
2016年 6,411
4.28% ↑
2015年 6,148
5.98% ↑
2014年 5,801
-3.49% ↓
2013年 6,011
-0.23% ↓
2012年 6,025
2.75% ↑
2011年 5,864
-6.8% ↓
2010年 6,292
-1.83% ↓
2009年 6,409
-9.8% ↓
2008年 7,105
-9.2% ↓
2007年 7,825
-0.5% ↓
2006年 7,864
0.45% ↑
2005年 7,829
2.69% ↑
2004年 7,624
-2.34% ↓
2003年 7,807
-2.87% ↓
2002年 8,038
2.29% ↑
2001年 7,858
-10% ↓
2000年 8,731
3% ↑
1999年 8,477
-5.76% ↓
1998年 8,995
2.59% ↑
1997年 8,768
1.5% ↑
1996年 8,638
-4% ↓
1995年 8,998
3.93% ↑
1994年 8,658
-2.17% ↓
1993年 8,850
0.17% ↑
1992年 8,835
-0.17% ↓
1991年 8,850
1.14% ↑
1990年 8,750
-2.34% ↓
1989年 8,960
1.01% ↑
1988年 8,870
0.8% ↑
1987年 8,800
1.15% ↑
1986年 8,700
-1.14% ↓
1985年 8,800
-3.3% ↓
1984年 9,100
2.05% ↑
1983年 8,917
-2.03% ↓
1982年 9,102
1.8% ↑
1981年 8,941
-1.13% ↓
1980年 9,043
0.9% ↑
1979年 8,962
-2.41% ↓
1978年 9,183
-5.79% ↓
1977年 9,747
-0.28% ↓
1976年 9,774
30.55% ↑
1975年 7,487
-10.61% ↓
1974年 8,376
-9.81% ↓
1973年 9,287
11.23% ↑
1972年 8,349
1.34% ↑
1971年 8,239
-31.94% ↓
1970年 12,105
-7.4% ↓
1969年 13,072
-2.19% ↓
1968年 13,365
-4.91% ↓
1967年 14,055
1.24% ↑
1966年 13,883
3.71% ↑
1965年 13,386
15.35% ↑
1964年 11,605
9.29% ↑
1963年 10,619
-8.51% ↓
1962年 11,607
0.73% ↑
1961年 11,523 -
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ポルトガルの羊の毛生産量のデータを分析すると、1960年代から2017年に至るまでの全体的な傾向として、羊の毛の生産が減少していることが明確に見て取れます。特に1960年代前半に13,000トン以上を記録した年もある反面、この高い水準は一過性であり、1970年代以降は生産量が9,000トン前後、さらに2000年代以降は7,000トン程度へと減少しています。そして直近のデータでは5,939トンとなり、過去50年間で半分以下にまで縮小しました。

この減少の背景にはいくつかの要因が考えられます。まず、ポルトガル国内での畜産業全般の変化が挙げられます。国内産業が他の分野へシフトしてきたことに伴い、農業や畜産業に従事する人口の減少が進みました。また、羊毛の需要そのものが合成繊維の台頭などにより減少したことも一因と考えられます。さらに、EU(欧州連合)加盟後、ポルトガル国内の農業政策が地域の競争力を持つ他分野へ重点を置くようになったことも影響を及ぼしています。

この生産量の減少はポルトガル国内のみにとどまらず、世界的な羊毛市場の動向とも関連しています。代表的な羊毛生産国である中国やオーストラリアとの競争が激化し、価格競争の中でポルトガルは国際市場でのシェアを失っていきました。また、2020年以降の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による貿易制限も、羊毛生産および輸出に少なからず影響をもたらした可能性があります。

一方で、生産量が減少する中でも、地域経済において羊毛生産の果たす役割や価値を見直す動きも観測されています。例えば、地元産の羊毛を活用した伝統的な製品の再評価が進んでおり、高級ウール製品や地元ブランドの展開が注目されています。しかしながら、短期的な需要拡大のみでは、生産減少という長期的な課題を解決するのは難しい状況です。

将来の課題として、ポルトガルの羊毛産業を持続可能な形で維持するためにはいくつかの対策が必要です。例えば、若手農業従事者の育成や技術支援による生産性向上、さらに地産地消を基盤にした新たな市場開拓が考えられます。また、地域間協力の推進やEU資金の活用によって羊毛市場の競争力を強化する施策も鍵となるでしょう。さらに、羊毛を耐性資源と見做し、環境に配慮したエシカルな製品開発を進めることで、国際市場での差別化を図ることが期待されます。

このような包括的な対応を進めることで、ポルトガルの羊の毛生産は単なる生産量という数値だけでなく、伝統文化や新興市場ニーズと結びついた産業へと成長する可能性を秘めています。国際的な競争が激化する中でも、この分野での新たな価値創造は将来の地域経済の活性化に寄与するでしょう。

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