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ボリビア (多民族国家)のキャベツ生産量推移(1961年~2023年)

FAO(国際連合食糧農業機関)の最新データによると、ボリビアのキャベツ生産量は、1960年代に比較的安定した成長を見せたものの、1970年代後半から1980年代にかけては急激に減少しました。1990年代には一時的に回復する兆しも見られましたが、それ以降は全体として低下傾向にあります。2022年のキャベツ生産量は4,731トンで、ピークを記録した1991年の15,850トンと比べて大幅に減少しています。この長期的な減少傾向には複数の要因が関与していると考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 4,823
1.94% ↑
2022年 4,731
-4.34% ↓
2021年 4,946
2.74% ↑
2020年 4,814
2.58% ↑
2019年 4,693
1.51% ↑
2018年 4,623
1.69% ↑
2017年 4,547
-5.25% ↓
2016年 4,799
3.96% ↑
2015年 4,616
6.31% ↑
2014年 4,342
-0.03% ↓
2013年 4,343
-0.49% ↓
2012年 4,365
-0.78% ↓
2011年 4,399
-0.53% ↓
2010年 4,423
-27.78% ↓
2009年 6,124
-4.4% ↓
2008年 6,406
1.78% ↑
2007年 6,294
1.63% ↑
2006年 6,193
1.64% ↑
2005年 6,093
1.7% ↑
2004年 5,991
1.77% ↑
2003年 5,887
-57.98% ↓
2002年 14,010
0.04% ↑
2001年 14,005
0.04% ↑
2000年 14,000
0.72% ↑
1999年 13,900
2.21% ↑
1998年 13,600
0.74% ↑
1997年 13,500
4.65% ↑
1996年 12,900 -
1995年 12,900
0.55% ↑
1994年 12,830
0.9% ↑
1993年 12,715
6.4% ↑
1992年 11,950
-24.61% ↓
1991年 15,850
15.27% ↑
1990年 13,750
-3.24% ↓
1989年 14,210
21.85% ↑
1988年 11,662
-4.33% ↓
1987年 12,190
22.27% ↑
1986年 9,970
1.93% ↑
1985年 9,781
33.38% ↑
1984年 7,333
-16.53% ↓
1983年 8,785
-11.22% ↓
1982年 9,895
51.65% ↑
1981年 6,525
-27.42% ↓
1980年 8,990
10.92% ↑
1979年 8,105
-21.62% ↓
1978年 10,340
-24.85% ↓
1977年 13,760
1.74% ↑
1976年 13,525
0.93% ↑
1975年 13,400
3.08% ↑
1974年 13,000
8.33% ↑
1973年 12,000 -
1972年 12,000 -
1971年 12,000 -
1970年 12,000 -
1969年 12,000
9.09% ↑
1968年 11,000 -
1967年 11,000 -
1966年 11,000
-4.35% ↓
1965年 11,500
4.55% ↑
1964年 11,000
4.76% ↑
1963年 10,500
5% ↑
1962年 10,000 -
1961年 10,000 -

ボリビアのキャベツ生産量に関するデータを1970年代から現代に至るまで詳しく分析してみると、いくつかの特徴的な変動パターンが浮かび上がります。1960年代から1970年代初頭にかけては、生産量がおおむね右肩上がりで推移しました。この成長は、当時の農業政策の支援や人口増加に伴う食糧需要の拡大によるものと見られます。しかし、1978年から1980年代半ばにかけての急激な減少は経済や気候の変化と関連している可能性があります。この期間、ボリビアは経済危機や天候異常に見舞われたほか、農業インフラの不足や生産技術の停滞が影響を及ぼしたと考えられます。

1990年代には一時的な生産量の回復が見られましたが、2003年以降は再び大幅な減少傾向に入りました。この再下降の主な原因としては、農地の効率的な利用が進まなかったこと、輸出市場の競争激化により他国の安価な農産物に押されたこと、さらにはキャベツの需要減少も考えられます。ボリビア国内では主食としての需要がほかの作物に取って代わられる状況も背景にあるでしょう。

現在の生産量である4,731トン(2022年)は、1991年のピーク時の約30%に留まり、国家および地域経済における農業セクターの収益低下を示しています。また、農業分野の停滞はボリビアの食糧自給率や農業就業機会にも影響を及ぼしています。

この状況を改善するためには、いくつかの具体的な政策提案が考えられます。まず、農家への技術支援と持続可能な農業の促進が重要です。これには、灌漑技術の導入や有機農業の奨励が含まれるでしょう。また、政府主導でキャベツを含む農産物に特化した輸出市場の開拓を進めることで、生産モチベーションを高めることも一案です。さらに、気候変動に対応するための農業対策を強化し、耐候性のある種子の開発や普及を図るべきです。

地政学的背景や環境的リスクも無視できません。ボリビアは多民族国家として社会的な複雑性を抱えつつ、隣国との資源や貿易問題が存在します。これらが農業セクターに与えるプレッシャーを軽減するためには、地域間協力の強化が必要です。例えば、近隣の国々と農業技術や市場の共有を促進することで相互利益を生み出すことが可能です。

結論として、ボリビアのキャベツ生産量の長期的な減少傾向は、気候変動、経済、農業構造の問題が絡み合った複雑な課題です。しかし、技術革新や政策による支援、市場戦略の見直しを行うことで、この課題を克服し、生産力を向上させる道が開けるでしょう。国際機関やNGOとの連携も含めた多角的なアプローチが求められます。今後の取り組みによって、ボリビア農業が新たな段階に進むことが期待されます。