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ボリビア (多民族国家)のリンゴ生産量推移(1961-2022)

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、ボリビアのリンゴ生産量は1960年代には年間16,000トン以上を記録していましたが、その後1980年代初頭から急激に減少し、1984年には約2,243トンまで落ち込みました。この減少は天然災害や経済困難が原因と考えられます。その後、安定した増加傾向が続き、1990年代後半にかけて約9,000トン近くまで回復しましたが、2000年代には再度下落し、2006年には最低記録の2,000トンにまで達しました。ただし、近年は徐々に持ち直しており、2022年にはおよそ2,795トンと若干の回復傾向を見せています。

年度 生産量(トン)
2022年 2,795
2021年 2,739
2020年 2,750
2019年 2,931
2018年 2,805
2017年 2,751
2016年 2,578
2015年 2,522
2014年 2,419
2013年 2,057
2012年 2,025
2011年 2,014
2010年 1,989
2009年 1,943
2008年 2,025
2007年 1,961
2006年 2,000
2005年 4,000
2004年 6,000
2003年 9,800
2002年 9,810
2001年 9,805
2000年 9,800
1999年 9,750
1998年 9,220
1997年 9,220
1996年 9,050
1995年 8,860
1994年 8,650
1993年 8,455
1992年 8,125
1991年 8,290
1990年 7,970
1989年 7,760
1988年 7,610
1987年 7,200
1986年 6,218
1985年 1,993
1984年 2,243
1983年 8,655
1982年 11,164
1981年 10,320
1980年 10,595
1979年 11,400
1978年 10,755
1977年 10,440
1976年 10,525
1975年 18,500
1974年 17,520
1973年 17,500
1972年 17,500
1971年 17,500
1970年 17,500
1969年 17,400
1968年 17,200
1967年 17,200
1966年 17,200
1965年 17,000
1964年 16,000
1963年 16,000
1962年 16,000
1961年 16,000

ボリビアのリンゴ生産量は1960年代から現在に至るまで、一貫して変動を続けています。1960年代後半から1970年代までは生産量が増加傾向にあり、1975年には18,500トンとこの期間のピークに達しました。しかし、1976年以降には大きな落ち込みが見られ、特に1984年の2,243トン、1985年の1,993トンと最小値を記録しています。この劇的な減少の背後には、乾燥気候による農業被害、国内市場の縮小、インフラの不足、また近隣諸国からの輸入リンゴとの競争が影響している可能性が挙げられます。

その後、1990年代には生産量の回復が見られ、特に1999年には約9,750トンを記録しました。しかし、2000年代に入ると再度下落し、リンゴ生産は4,000トン以下に低下しました。この低迷の背景には、ボリビアの農業技術の限界、気候変動の影響、及びリンゴ農家が持続可能な栽培モデルを確立できていないことなどが影響しています。また、2004年以降には洪水や干ばつなどの自然災害が農業生産に甚大な影響を与えたことも考えられます。

近年では、2022年のデータが示すように、持続可能な農業への移行や国際援助を活用した新技術導入が兆しを見せつつありますが、なお本格的な回復には至っていません。他国のリンゴ生産量と比較すると、例えば中国は2018年に4,000万トン以上、日本も約80万トン、アメリカは約450万トンを記録しており、ボリビアの規模は極めて小さいです。このため、輸出市場での競争力確保にはさらなる課題が残ると言えます。

地政学的背景も、ボリビアのリンゴ生産推移に大きく影響してきました。この国は長年にわたる経済的不均衡、インフラ不足、及び農村地域の貧困率が課題となっており、これらがリンゴ生産の不安定さの一因となっています。また、隣国からの輸入品による市場競争の激化も地元農家にとって厳しい現状を生み出しています。

今後、ボリビアがリンゴ生産量の増加とその安定化を図るためには、具体的な取り組みが不可欠です。例えば、持続可能な農業技術の学習プログラムを農家に提供し、新品種のリンゴや耐乾燥性の高い作物を導入することが効果的と考えられます。また、インフラ整備や国内市場の流通網強化を通じて、生産者がより効率的に収穫したリンゴを消費者に届けられる環境を整えることが重要です。さらに、ボリビア政府や関連機関が国際団体と協力し、気候変動への適応として災害リスク低減策を講じるべきです。

結論として、ボリビアのリンゴ生産量は過去数十年にわたってさまざまな要因で変動してきましたが、近年のデータからは回復の兆しが確認されています。この回復を本格化させるためには、国を挙げた協力体制の構築、気候変動への適応策の導入、新技術の導入が求められます。地域格差の解消や農産物輸出の促進を目指し、ボリビアが持つ豊かな土地の潜在能力を十分に引き出す努力が今後の課題となります。